和崎WOWOW社長、テレビ放送は2元体制から3元体制へ、アウトプットは多様化する [テレビ放送]
◆WOWOWの和崎信哉社長=写真=が、1月14日、大阪市内で記者会見して、日本のテレビはNHKと民放の2元体制から、BSに軸足を置いた有料放送を加えた3元体制へ移行する。ただしコンテンツのアウトプットはモバイル、ウェブなどを加えて多様化していくだろう―などと語った。
また、本放送開始時に次ぐ歴代2位の新規加入件数を昨年12月に確保できたことについては、映画など上質のコンテンツを提供できたこととわかりやすい料金体系などを要因として挙げた。
1991年4月に本放送を開始したWOWOWは、今年20年目を迎えている。和崎社長は「次のステップへ向けた重要な年」と位置付け、上質なオリジナルなコンテンツを発信し、それを強化していくとしている。
そうした中で2010年は、来年スタートするフルハイビジョン、デジタル3チャンネルの時代へ向けて「まったく新しい事業の開始」の時期と受け止めて、コンテンツ作りと編成を固めていくと計画している。これに伴いプロモーションも見直すという。
こうした取り組みへ向けての最大の課題として2点を指摘する。
そのひとつが50万件のアナログ加入者をデジタルへと移行してもらうこと。「今年中にデジタル移行へ向けて全力を投じる」とする。
BSに軸足を置くことに変化なし
二つ目に挙げるのが「5年、10年先の将来のテレビを考えなければいけない。そこでのWOWOWの果たす役割を考える」ということだ。
和崎社長は、このテレビの将来については「日本のテレビは今までNHKと民放の2元体制で放送文化を積み上げてきた。しかしこれからも同じというわけではない。民放は広告収入の頭打ち、NHKも受信料が増えるとは限らない。次のテレビ文化を創っていくのは、BS放送に軸足を置いた有料放送であるWOWOWを加えた3元体制になるだろう」と予測する。
和崎社長は「もちろんすぐに民放、NHKの足元に及ぶとは考えてはいないが、エンターテイメントという切り口で、今までとは違っテレビ文化を創り出すことが可能だ」と、3元体制へ向けての意欲を見せる。
3元体制確立の自信の背景には、「世界に通用する」上質のエンターテイメントコンテンツがある。たとえばハリウッド映画やスポーツなどであるし、最近ではドキュメンタリー番組の強化やWOWOWフィルムズブランドによるオリジンル映画制作といった、新たなコンテンツ創造にも力を入れ始めている
とりわけ映画制作では「クオリティの高い作品を手掛けことを目指していく」(編成事業担当の船越雄一取締役)とし、テレビ番組とともに「世界最高峰のコンテンツを提供したい」としている。
ただ有料放送を含めたテレビそのものが若い世代を中心に敬遠されつつある。そういった傾向も受け止めており、「制作したコンテンツのアウトプットは従来のようにテレビだけではなくウェブやモバイルといった媒体も加えた多様化が進む」(和崎社長)と考える。
ただそうした将来の時点でも「BSに軸足を置くことには変わりはない」(同)としている。
コンテンツのアウトプットは多様化すると語る和崎社長
30代視聴者の拡大へ
WOWOWの加入件数は2009年12月末で、累計正味加入件数が252万3510件になった。12月単月の新規加入件数12万1027件で、これは本放送を開始した91年4月の12万4千件に次ぐ数字であった。
月間10万を超える新規加入を記録したのは過去3回しかないという。歴代1位は本放送を開始した91年4月の数字である。
こうした当初予想を上回る加入件数が確保できた要因として、和崎社長は「音楽、映画のバランスとの取れた上質コンテンツを編成できたこと、初月945円というわかりやすい料金体系に一本化したシンプルな営業施策の効果が大きい」と分析している。
普段は活字媒体による広告展開だが「久々にテレビCMを実施した」というのも、背景になるとみている。
また外的要因として「地上波のデジタル化にともない3波共用受信機が記録的に普及したこと、さらには不景気による3年連続海外旅行の減少など、人々のすごもり状態が、WOWOWのコンテンツへと目を向けてもらえることにつながった」とみている。
今後の推移については「先行きは不透明であるが、毎月の加入者の増減に一喜一憂しない心構えでいる」とし、3月末時点での累計加入見通しも当初計画の249万件を据え置くなど、控えめな見通しを立てている。
ただ加入者は現状の40~50代中心から「未開拓の年代層である30代へと広げていきたい」とし、3年連続を記録している正味の純増も4年連続へと拡大したいといった意欲を見せている。
また、本放送開始時に次ぐ歴代2位の新規加入件数を昨年12月に確保できたことについては、映画など上質のコンテンツを提供できたこととわかりやすい料金体系などを要因として挙げた。
1991年4月に本放送を開始したWOWOWは、今年20年目を迎えている。和崎社長は「次のステップへ向けた重要な年」と位置付け、上質なオリジナルなコンテンツを発信し、それを強化していくとしている。
そうした中で2010年は、来年スタートするフルハイビジョン、デジタル3チャンネルの時代へ向けて「まったく新しい事業の開始」の時期と受け止めて、コンテンツ作りと編成を固めていくと計画している。これに伴いプロモーションも見直すという。
こうした取り組みへ向けての最大の課題として2点を指摘する。
そのひとつが50万件のアナログ加入者をデジタルへと移行してもらうこと。「今年中にデジタル移行へ向けて全力を投じる」とする。
BSに軸足を置くことに変化なし
二つ目に挙げるのが「5年、10年先の将来のテレビを考えなければいけない。そこでのWOWOWの果たす役割を考える」ということだ。
和崎社長は、このテレビの将来については「日本のテレビは今までNHKと民放の2元体制で放送文化を積み上げてきた。しかしこれからも同じというわけではない。民放は広告収入の頭打ち、NHKも受信料が増えるとは限らない。次のテレビ文化を創っていくのは、BS放送に軸足を置いた有料放送であるWOWOWを加えた3元体制になるだろう」と予測する。
和崎社長は「もちろんすぐに民放、NHKの足元に及ぶとは考えてはいないが、エンターテイメントという切り口で、今までとは違っテレビ文化を創り出すことが可能だ」と、3元体制へ向けての意欲を見せる。
3元体制確立の自信の背景には、「世界に通用する」上質のエンターテイメントコンテンツがある。たとえばハリウッド映画やスポーツなどであるし、最近ではドキュメンタリー番組の強化やWOWOWフィルムズブランドによるオリジンル映画制作といった、新たなコンテンツ創造にも力を入れ始めている
とりわけ映画制作では「クオリティの高い作品を手掛けことを目指していく」(編成事業担当の船越雄一取締役)とし、テレビ番組とともに「世界最高峰のコンテンツを提供したい」としている。
ただ有料放送を含めたテレビそのものが若い世代を中心に敬遠されつつある。そういった傾向も受け止めており、「制作したコンテンツのアウトプットは従来のようにテレビだけではなくウェブやモバイルといった媒体も加えた多様化が進む」(和崎社長)と考える。
ただそうした将来の時点でも「BSに軸足を置くことには変わりはない」(同)としている。
コンテンツのアウトプットは多様化すると語る和崎社長
30代視聴者の拡大へ
WOWOWの加入件数は2009年12月末で、累計正味加入件数が252万3510件になった。12月単月の新規加入件数12万1027件で、これは本放送を開始した91年4月の12万4千件に次ぐ数字であった。
月間10万を超える新規加入を記録したのは過去3回しかないという。歴代1位は本放送を開始した91年4月の数字である。
こうした当初予想を上回る加入件数が確保できた要因として、和崎社長は「音楽、映画のバランスとの取れた上質コンテンツを編成できたこと、初月945円というわかりやすい料金体系に一本化したシンプルな営業施策の効果が大きい」と分析している。
普段は活字媒体による広告展開だが「久々にテレビCMを実施した」というのも、背景になるとみている。
また外的要因として「地上波のデジタル化にともない3波共用受信機が記録的に普及したこと、さらには不景気による3年連続海外旅行の減少など、人々のすごもり状態が、WOWOWのコンテンツへと目を向けてもらえることにつながった」とみている。
今後の推移については「先行きは不透明であるが、毎月の加入者の増減に一喜一憂しない心構えでいる」とし、3月末時点での累計加入見通しも当初計画の249万件を据え置くなど、控えめな見通しを立てている。
ただ加入者は現状の40~50代中心から「未開拓の年代層である30代へと広げていきたい」とし、3年連続を記録している正味の純増も4年連続へと拡大したいといった意欲を見せている。
2010-01-16 10:20
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