大月みやこ(キングレコード) 新曲「女…さすらい」 凛として、いじらしい女性を歌いあげる [インタビュー]
今作も恋を捨て、ひとり北の旅路に立つ女を歌う
◆大月みやこが2011年4月23日に発売した新曲「女…さすらい」は、アルバム「心ひとすじ」(2010年9月22日発売)の中から、特に好評だった曲をシングルカットしたものだ。作詩は池田充男、作曲は伊藤雪彦と第34回日本レコード大賞受賞曲「白い海峡」(1992年=平成4年)を制作したコンビが手がけた。それだからだろうか「白い海峡」同様に、強く生きる女性を描いている。大月は決して主人公に入り込むことなく、冷静に情景をつむいでひとりの女を描いている。
大月はデビューして以来、実にいろんな女性を歌で表現してきた。
今作の「女…さすらい」では、行動的で凛とした、そしていじらしい一面も持った女性が主人公。どこか愛らしさも感じさせる。
それは「白い海峡」に登場する女性と共通している。まるであの大ヒット曲の続編とでも言えそうな世界が描かれている。
こうした女性を歌わせると大月は天下一品なのかもしれない。
しかし決して歌の主人公に成りきることはないという。
「どんな女性を歌う時も、少し引いて主人公を描写するように努めています。気持ちよく歌った後、お客さんから<きょうは調子が悪いね>と言われたことがありました。それだけ自分が物語に入り込むとマスターベーションになってしまい、決して女性の心理を表現することはできなくなります」
「女…さすらい」は、第34回日本レコード大賞を受賞した「白い海峡」と同じ、池田充男と伊藤雪彦の手による。
アルバムからのシングルカットした作品だが、同様のシングルカットは「豊予海峡」(作詞・星野哲郎、作曲・船村徹 1986年=昭和61年)「白い海峡」に次いで、「女…さすらい」が3曲目である。
前の2作は、いずれも大ヒットした点で共通している。
「豊予海峡」は日本レコード大賞最優秀歌唱賞のノミネートに終わったが、次の年の「女の駅」(作詞・石本美由起、作曲・桜田誠一)最優秀歌唱賞を獲得し、そして「白い海峡」ではレコード大賞を受賞している。
そんなこともあるのだろうか、「女…さすらい」は、「女の駅」「白い海峡」に続いて、夢よもう一度と思えてくるようだ。
= 写真・左 = 数多くの女性を歌ってきた大月みやこ
女を表現する
◆大阪府立八尾高校を卒業して東京へ。デビューは1964(昭和39)年6月、まだ10代であった。曲は「母恋三味線」。
当時は等身大の女性を歌っていた。
しかし大月にも歳とともに変化が生じる。
「目には見えないけれど、それまでと違う感覚を自然と表現できるようになってきたと思います」
「聴いて感動してもらい、楽しんでもらえれば、こんな嬉しいことはありません。そんな幸せを感じられる歌える場所、聴いてもらえるシーンをたくさん作っていきたいです。ぜひ<女…さすらい>を聴いてください」
大月みやこは、これからも女の表現者として歌い続ける。
[大月みやこオフィシャルHP]
http://www.otsukimiyako.com/
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