SSブログ

中村美律子(キングレコード) 哀調いっぱいに歌いあげる「おんな風の盆」 新境地のしっとり演歌 [インタビュー]

中村美律子.jpg◆越中八尾の祭り、おわら風の盆に題材をとった歌と言えば、ゆったりと流れるメロディーに包まれた石川さゆりの「風の盆恋歌」が知られているが、中村美律子 = 写真・左 = が2011年3月23日に出した「おんな風の盆」は、風の盆の新たな魅力を感じさせてくれる哀切感漂う楽曲で、おわら風の盆への想いをかきたててくれる。自らのイメージで歌い上げたという中村演歌には珍しい、しっとりと、愛おしい人を待つ女を語りかけるように歌っている。











おんな風の盆.jpg おわら風の盆の里、富山県八尾町を中村が訪れたのは「おんな風の盆」のレコーディングも終わり、CDが発売されて1ヶ月たってからだった。
 風の盆を題材にした作品はたくさんある。
 それだけに「前知識を持たずに収録に臨んだ」という。現地の観光協会などの協力で聴かせてもらったという哀調のある胡弓の音色に、中村は鳥肌が立ったことを忘れないでいる。






 「胡弓に三味線、太鼓の音が重なり合って、いつまでも聴いていたい、と思わせたほどでした」
 自らも歌っている豪快な岸和田だんじり祭りをはじめ、ほかの祭りにはない優雅さに感激したふうだ。
 しかも「おんな風の盆」は、今までの自分の歌にもなかったしっとり演歌である。
 それだけに「楽しんで歌っています。小説を読んでいない人でも、主人公に成り切ってもらえる曲だと思います」と惚れ込み具合も人一倍だ。


 レコーデングに際して「2度歌って直ぐに感情が入り込んだ」と中村。
 坦々と歌うシンプルな曲だが、聴けばきくほど自然とはまっていくのが、この歌であろう。
 1番の ♪ ねえあなた 遣(や)る瀬ない~ と中村は「愛しい男性に語りかけるように歌う」が、それが一層、哀愁をかきたてる。




 八尾で風の盆を体験したのと前後して、おわらブームに火をつけたとされる高橋治の小説「風の盆恋歌」(1985年刊)を読み、あらためて石川の歌を聴いている。
 事前にそれらを取り入れなかったのが、中村版風の盆を創るのに役立ったようだ。
 「先に本を読み、歌を聴いていたら、歌い方が変わっていたかもしれません」
 それだけ読む者、聴く者に強烈な印象を与える作品だけに、今の哀感漂う「おんな風の盆」はなかったかもしれない。

 小説「風の盆恋歌」の影響もあって、おわら風の盆は全国に知られるようになったという。

 中村も本を読んで「ロマンチックさには憧れますね。1年も愛おしい人を待ちつづけるなんて、物語の中だけでしかありえないことだとは思いますが、不倫に憧れるなど女性に好まれる内容だと感じました」と、今年9月1日から3日にかけて八尾を再び訪ねる予定だという。

7月に大阪・新歌舞伎座でデビュー25周年記念公演


 それに先だって6月には、先の震災の被災地である東北を数人の演歌歌手と共に訪ねて歌をプレゼントする予定だ。毎年続ける盲導犬の寄贈も、今年は対象を東北にすることも考えている。
 7月には大阪・新歌舞伎座でデビュー25周年記念公演も予定されている。夫婦人情喜劇と歌のオンステージといった構成だが、しっとりと「おんな風の盆」を聴かせてくれることを期待したい。



[中村美律子]
http://www.kingrecords.co.jp/cs/artist/artist.aspx?artist=34462
[中村美律子ブログ]
http://blogs.yahoo.co.jp/bai03252003/MYBLOG/yblog.html
[中村美律子 デビュー25周年記念新歌舞伎座公演]
http://www.shinkabukiza.co.jp/perf_info/201107.html



風の盆恋歌 (新潮文庫)

風の盆恋歌 (新潮文庫)

  • 作者: 高橋 治
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1987/08
  • メディア: 文庫



風の盆恋歌

風の盆恋歌

  • 作者: 高橋 治
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2003/06
  • メディア: 単行本



風の盆恋歌 (ジュディーコミックス)

風の盆恋歌 (ジュディーコミックス)

  • 作者: 高橋 治
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2001/01
  • メディア: コミック



nice!(10)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 10

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。