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五十嵐はるみ(アーツェットレコーズ)  ジャズテイストな大人の楽曲を集めた新アルバム「ベストアルバム “J” 虹いろ」  日本語の素晴らしさをジャズに [インタビュー]

五十嵐はるみ.jpg◆ジャズは敷居が高いと思っている人たち、媚びることはしないけれど若い人たちにも聴いてもらいたい―。
ジャズ歌手の五十嵐はるみはジャズを日本語で歌う。2013年4月24日に出した6枚目のアルバム「ベストアルバム “J” 虹いろ」では、収録する13曲のすべてを日本語で歌っている。そのこだわりには、魅せられた日本語の素晴らしさがある。2年前にNHKテレビの番組「BS日本のうた」に出演して、霧島昇の「胸の振り子」など昭和の名曲を歌ったことがきっかけになったという。今回の新アルバム収録曲「慶州旅情」の作詞を担当した音楽評論家の湯川れい子も、五十嵐のジャズテイストな大人の楽曲を高く評価するひとりである。


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 ジャズと言えば英語で、黒人シンガーが慟哭するかのように歌うもの、といった固定観念が強かった。メジャーデビューする以前、彼女の歌を「そんなものはジャズではない」と酷評する人たちもいた。ミュージックスクールでジャズを学んだが、その多くはステージで自分で築きあげてきたオリジナルな歌い方であったことには違いなかった。それでも真似はしたくなかった。

 ある日、主な活動場所だった大阪・帝塚山のバーのマスターの勧めで挑戦したホテル歌手のオーディションを受けた。選には落ちたが、審査員をしていた作曲家の服部克久から「ジャズは個性だから、そのまま歌いなさい」とアドバイスされたのが自信につながった。

 アメリカでの歌手留学時代、ナット・キング・コールやサミー・デイヴィスJrの歌が好きで良く歌っていた。そこでも「日本人に良く見られる黒人歌手の物真似がない」と、個性的な歌い方を評価され、米国内でのCD発売にもつながったという。

 メジャーデビューして13年目になる今も、彼女の歌は、誰の真似でもないオリジナリティーを大切にしたそれを守り続けている。


五十嵐はるみ2.jpg 大阪生まれの五十嵐は地元を離れたくなかった。
 「東京で若いジャズシンガーを探している音楽事務所がある」と声がかかり、上京することになる。しかし予定していたレコード会社がジャズ部門から撤退したこともあって、その事務所を辞めることに。
 1年間はレストランなどで歌っていたが、2000年にBMGファンハウスと契約してメジャーデビューするなど、いつも彼女には幸運を引き寄せるぱわーがあるようだ。

 デビュー第1弾は日本民謡「竹田の子守唄」をゴスペルジャズに、松任谷由実の「チャイニーズ・スープ」をデキシーランドジャズにアレンジするなど、日本の名曲から世界のスタンダードナンバーまでを収めたアルバムで「“SOMETHING” サムシング」だった。

 以来、今までスタンダードジャズを数多く歌ってきた。
 ステージやテレビで日本の名曲に数多く触れるうちに「日本語の魅力にとりつかれた」という。彼女を「ジャズ歌手という枠を越えて、心がほろりと幸せになる歌を歌う」と評する音楽評論家の湯川れい子との出会いは、それを確かなものとして「ベストアルバム “J” 虹いろ」へとつながる。

 そのアルバムでは「慶州旅情」のほか「ジャズシンガー」「凛と」の新曲と、ボーナストラックとして親交のあった桑名正博の「月のあかり」を新録音した。それ以外は、以前のアルバムやシングル盤に収録していたものを収めた。

 ジャズは初めてという人たちにも聴いてもらえるジャズを提供したい、という想いを形にしたアルバムである。ジャズを歌う歌手はたくさんいる。でも若い人たちにとっては垣根の向こうにある音楽のようである。その
垣根を取り払い、女子会で歌い、和食の席でも流れる、そんな生活に溶け込んだ音楽になればと目指す。
 毎週土曜日FM大阪で9年間担当する番組「五十嵐はるみのソー・ナイス」では、いろんな音楽ジャンルのアーティスティックな歌手たちをゲストに招いて音楽談義を続けるのも、ジャズが決して特別なものではないことを知ってほしいといった現れでもある。






[五十嵐はるみ オフィシャルサイト]
http://www.harumi-igarashi.com/site/



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