SSブログ

岩本公水(キングレコード)  「面白山の滝」  耐える女の心の叫びを歌う恨み節  陶芸では工房を構えて本格的に制作活動 [インタビュー]

岩本公水.jpg◆「最初にタイトルを見た時には、冗談でしょうと思いました」。そんなおもしろいタイトルの新曲「面白山の滝」(2016年2月10日発売)を歌うのは岩本公水(くみ)。作詞・作曲ともに彼女とは同じ秋田県の出身である秋浩二だ。同じ東北なのにその山の存在は知らなかったと岩本はいう。アニメでも連想させそうな「面白い」タイトルとは裏腹に、曲の内容は恨み節。東北の民謡の節回しを意識して「ふる里の景色が浮んでくるように歌っている」と岩本。カップリングの「母桜」も同じ秋の作詞・作曲による作品で、秋が母を想う歌である。








 岩本公水がデビュー21年目で出した「面白山の滝」は、デビュー曲の「雪花火」から数えて34作目のシングル作品である。タイトルの面白山は仙台と山形を結ぶJR仙山線のほぼ中間点の山形県と宮城県の境に位置する。その車窓からも見ることができ、近くには小さな無人駅の面白山高原駅があり、1時間から2時間に1本が停車するだけだが、スタジオジブリのアニメ映画「おもひでぽろぽろ」では同駅周辺がモデルとなっている。山の名前は仙台側から見ると山の面が白く見えることから呼ばれるようになったという。

 帰ってくると誓った約束を破った男を今でも思い続ける一途な女性の胸の内を激しく歌う「面白山の滝」は、メルヘンチックな土地とはまったく正反対だ。

 岩本はこのところ周りに、東北人ぽい歌を歌いたいともらすことが増えていた。ふる里秋田にたくさんある民謡もレパートリーに加えて歌いたいという想いもある。この新曲でも「民謡の要素を取り入れて歌っている」という。今でも東京へと出ていく人たちが多い東北。そうした東北人がふる里を想わないことはない。岩本もそんなをふる里秋田を強く意識することがある。
 そうした想いが伝わったのか「作詞家の秋先生が愛情たっぷりのふる里を感じさせてくれる楽曲を作ってくれました」といい、秋は岩本が歌うレコーディングの現場でも「いいねぇ、いいねぇ」と、終始目を細めていた。


岩本公水・面白山の滝.jpg 岩本が秋の作品を歌うのは2008年の「恋風(こいかぜ)」以来である。「いつも娘のように大事に思ってくれている先生だけに、私の想いをくみ取って書いていただいたんでしょうね」
 その秋は岩本の「面白山の滝」の歌唱キャンペーン先へぶらりと顔を出す。客にまじって何も言わずにじっと聴いている。「歌っていて先生の幸せそうな表情を見ると、とてもうれしくなります。そしていつも『感動したよ』と言ってもらえるんです」

 同じ秋の作品であるカップリング「母桜」は、秋の母親への想いを主人公を女性に置き換えて書いたものだ。「勢いのある歌なのでメイン曲にといった声もありましたが、最終的にカップリングになりました。どちらも人生を歌った楽曲で、自分とも重なり合って胸がいっぱいになります」

 デビュー前から中村美律子や神野美伽、天童よしみに憧れていたという岩本は「大きな声で歌うのは自分に合っています。元気な声で歌えば、みんなが元気になってステージと客席に一体感が生まれる」という思いは今も変わらない。

 「ここ数年は比較的おとなしい曲調の歌が続いていたんですが、21年目からは少し気持ちを前に押し出す歌を歌って行ってもいいのかなと思っています。今作でも楽しさを感じ取ってもらえるように、伸びやかに声を出すように意識しています」

■歌を離れて孤独に作陶の世界にひたる

 去年末には新事務所でスタートを切ったばかりである。「今まで以上に気持ちが引き締まります」と岩本。同時にプロの域に到達しようかという陶芸でも、埼玉県内に借りた古い民家に窯を設置して工房を設けて新スタートを切っている。東京都内からは電車とバスを乗り継いで2時間ほどかかる山間の町だという。
 ここに一度籠ると歌を離れて3日間ほど作陶に没頭する。作った作品の展示会も年に1回催している。今年は1月末から約1ヶ月半、秋田県の道の駅で開いた。もちろん前々作の「道の駅」をBGMに流しながらである。

 「歌を歌うことは真剣勝負です。そこには少しでもいい歌を歌いたいという自分がいますが、歌は周りのスタッフやファンの人たちなど私を助けてくれる人たちがいます。陶芸は自分だけの世界に没頭しなければいけません。歌と大きく違うところですね」

 歌以上に孤独な制作現場がある。作品展に出品するのは皿が20~30枚、カップ類が10~20個。制作にほぼ1年間を費やす。ろくろを回して形を作り、10日間ほど置いて乾燥させる。そこに釉薬をかけて窯に入れて焼く。出来あがるまで、極めて手間のかかる作業である。

 新しい工房の名前はまだない。歌手生活21年目の新曲を記念して「面白山工房」もおもしろい。



 5月21日の福岡県博多市での皮切りに名古屋、大阪、札幌、仙台、東京の全国6会場で予選大会を実施する「面白山の滝 / 母桜」の全国カラオケコンテストの応募受付が始まっている。締切りは4月25日で、決勝大会は6月25日、東京で行われる。応募はCD「面白山の滝」に封入されている応募券が必要。


[岩本公水 オフィシャルサイト]
http://iwamotokumi.com/
[岩本公水 キングレコード]
http://www.kingrecords.co.jp/cs/artist/artist.aspx?artist=10094


nice!(12)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 12

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。