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鏡五郎(キングレコード)  50周年記念曲「宇奈月の雨」 いつも一生懸命であった半生の想いを込めて歌う [インタビュー]

◆歌手生活50周年を迎えている鏡五郎が「よく今まで歌い続けられたものだと思います」と、自らの半生を振り返っている。1967(昭和42)年に日本コロムビアから「嫌んなっちゃった東京」でレコードデビューしてから50年。ずっと同じ芸名で歌い続けてきた。出したレコード・CDの枚数は150枚を超える。「毎回、一生懸命に歌ってきた」。2016年9月11日には大阪・豊中の千里阪急ホテルで50周年の集大成となるディナーショーを開く。今年6月に出した新曲「宇奈月の雨」など女歌、男歌などから忠臣蔵まで23曲を歌う。

鏡五郎.jpg
鏡五郎

 50年間、とにかく「一生懸命だった」と鏡。新曲を出す度に小まめにキャンペーンで全国を歩き、各地で歌ってきた。一度も手を抜いたことはないという。「自慢できるとすれば、これしかない」とも。
 長い人生にはいろんなこともある。歌手を辞めようと思ったこともあるのでは。
 「それは一度もなかったですね。仕事に困ることがなかったのが一番です。次々と仕事がつながって行きましたから」
 順調な歌手人生であるようだ。

 デビュー曲はレコード盤であった。1枚290円の時代である。「そこそこ売れた」というこのデビュー曲を出した日本コロムビアを振り出しに東芝、ビクター、トリオとレコード会社を移り、今のキングレコードには1985(昭和60)年に移籍している。舞踊歌謡「初陣」がキングでの最初のCDだった。
 翌年には競作となった「道頓堀人情」をアルバムからシングルカットした。この歌でスターダムに乗ったのがテイチクの天童よしみ。当時彼女を売りだしたのが、今、鏡を担当するキングレコードの中田信也プロデューサーだった。実に不思議な縁ではある。

鏡五郎・宇奈月の雨.jpg 50年で最も記憶に残る楽曲は・・・この「道頓堀人情」なのだろうか。
 「そうではなく、それから3年後に出した『おしどり人生』ですね。ラジオ番組で<売れない演歌歌手Jr.>からのハガキ募集に、中学生だった息子が投稿しましてね。そのお陰で毎週のようにラジオで歌を流してくれたおかげで、ヒットチャートに入ったんです」
 その息子の山中孝真さんは作曲家などとして活躍しており、鏡の「夢歌舞伎」などを手がけている。


 80年代。先ごろ亡くなった永六輔と鏡は、2度ほど刑務所を慰問している。もちろん鏡は歌を歌うのだが、鏡よりはるかに大きな身体の永は「鏡という芸名は変えた方がいいよ」とアドバイスをしている。慰問先ではとにかくよくしゃべっていた永から勧められたのは「加賀見(かがみ)」の姓だったが、せっかくのアドバイスも受け入れることなく、一貫して「鏡」で押し通している。

 6月に72歳の誕生日を迎えた。長男、長女と3人暮らしを続ける。いずれも独身である。年の差婚は・・・と、話しを向けると「全国各地どこへ行ってもお年寄りのアイドルですからね」と笑っている。
 「歌は歌えば歌うほど難しくて、これでいいという到達感がまったくありませんね。お陰で声はますます調子がいいので、まだこれからも歌っていきます」
 この前向きさが若さの秘訣なのかもしれない。

■魅せる王道演歌

 新曲「宇奈月の雨」は仁井谷俊也作詞、山崎剛昭作曲、南郷哲也編曲の王道演歌。小雨のけむる富山県宇奈月の宿を舞台に、女心の淋しさをしっとりと綴っている。導入部の琴、鼓、篠笛の音が宇奈月の情緒を引き立てくれている。
 カップリングの「保津川下り」も評判である。嵐山、醍醐、東山、木屋町など京都を舞台にした、これも王道演歌。作詞をしている森口富士夫は大阪・豊中で日本料理店を営むと同時に、作曲家山崎剛昭に師事する歌手である。そんな縁から収録された。


鏡五郎ディナーショー.jpg 9月11日に千里阪急ホテルで開く「鏡五郎ディナーショー」では、この「宇奈月の雨」「保津川下り」をはじめ民謡、歌謡浪曲など鏡五郎の50年のすべてを披露する。すでに佐賀、岡山・児島で開催してきた。12月には埼玉・志木でも予定している。

 8月7日は東京・新宿の京王プラザホテルで開かれる同じキングの盟友で、鏡、池田輝郎と作る「佐田鏡五一郎」のメンバーでもある佐々木新一の古希(70歳)を祝うディナーショーで、客席からサプライズ出演して「宇奈月の雨」を歌うことになっている。

 また8月14日放送の「新・BS日本のうた」にも出演。先頃宮城県多賀城市内で収録した。共演は三門忠司、島津悦子ら。「瞼の母」を演じ、舞って歌う。三門は太鼓を打ち。島津は忠太郎の母役を演じている。収録まで1ヶ月たっぷりとたっぷりと稽古を重ねて臨んだ本番だったといい、自信のステージが出来あがったようだ。



 「歌ではおっ母さ~ん、と叫びますが、これを歌う時にはいつも亡き母親が見てくれているようで、自然と涙が出てくるんです。この日も涙や鼻が出て、もう顔はくしゃくしゃでした」

 鏡の50周年を一番祝ってくれているのは母親のようである。





[鏡五郎 キングレコード]
http://www.kingrecords.co.jp/cs/artist/artist.aspx?artist=10398




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