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成世昌平(日本クラウン) 作詞家もず唱平の50年を歌う 作家50周年記念イベント  大阪・梅田でディナーショー [イベント]

◆日本クラウンの歌手、成世昌平が作詞家もず唱平の作詞家デビュー50周年を記念して、もず作品ばかり17曲を歌うディナーショーを、2017年10月9日、大阪・梅田のホテルグランヴィア大阪で開いた。「釜ヶ崎人情」から最新曲の「江差だより」のほか、金田たつえ(日本コロムビア)が歌って、もずの出世作となった「花街の母」の女歌にも挑戦した。歌い終わった成世は「詞の力をしみじみと感じてもらったはずです」と、もず作品の奥深さを讃え、ゲスト出演したもずは「作詞家冥利に尽きます」と応えたていた。

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 松竹演劇で台本を書いていたもず唱平が作詞家としてデビューした作品は、1967年の「釜ヶ崎人情」だった。以来、手掛けた作品数は約400曲。その中からこの日、成世が歌ったのは、もずのデビュー曲「釜ヶ崎人情」、森繁久彌からのラブコールを蹴って藤岡琢也に歌わせた「悪友の唄」バーブ佐竹が歌った歌った「虫けらの唄」そして240万枚を売った「花街の母」八代亜紀が明日への希望を歌った「これからがある」をカバーしたほか、もず唱平作詞家生活50周年記念曲でオリジナル曲「江差だより」まで、1曲1曲エピソードを交えながら披露した。

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もず唱平(左)と楽曲のエピソードを話す成世昌平

 「釜ヶ崎人情」や「花街の母」など、もずの初期の作品は日雇い労働者や風俗嬢など日の当たらない社会で生きる人たちに数多く目を向けている。それはこの日、新曲「江差だより」などのCD購入者にプレゼントしていた色紙にも「どこに咲いても花は花」と、もず自身が揮ごうしたように、デビュー以来、半世紀に渡って関西に居続けて作品を発信しているアンチ東京の反骨心の表れでもあった。


成世昌平7.jpg 作詞家もず、作曲をした三山敏、そしてそれを歌った金田たつえにとっても代表曲となった「花街の母」には、実はモデルがいたことも明かされた。大阪・ミナミでバーを経営していた姉妹がそれであった。当時ははまだ売れない作家だったもずにとって「唯一ツケの効く店だった」と、しばしば足を運んでいた。

 すでに現役を引退したふたりだが、彼女たちの夢物語を舞台など設定を花街に置き換えて、詞に書いたのが「花街の母」だった。
 成世にとっても想い出深い1曲で、まだ8トラックカラオケが全盛時代に何度も歌っている。「金田さんよりもぎようさん歌ったん違うかな」(成世)と笑っていたほど。

 成世が歌う楽曲の9割近くはもず作品だと言われている。その彼にとって忘れられないのは、やはり2002年に出した「はぐれコキリコ」だろう。累計50万枚を超える大ヒットになっている。「博多節/福知山音頭」で日本クラウンからデビューして13年目の時、彼はもずに「歌謡曲を歌いたい」と告げたという。
 ディナーショーで、もずは当時のやり取りを明かした。
 「民謡歌手がどうして歌謡曲を歌うんや。オレは反対や、と大反対したんです。しかし成世もどうしても歌いたいと引かない」

 そこでもずは「不肖不肖、富山の民謡『コキリコ節』のティストを取り入れた歌謡曲を仕立てたんです」と、誕生秘話を語った。それが何と音域が上から下まで15度もある成世の高い声にハマった。
 しかし「誰にでも歌えるようにしなければ」と、もずは音域幅を13度にまで下げて世に出すことにした。それが歌謡曲の世界に成世の名を轟かすことになろうとは、誰も想像もしてていなかった。
 初めての船村徹作品ともなった「みかえり富士」や東北大震災で打撃を受けた三陸鉄道の復興が地元を元気づけると作られた「哀愁線リアス」など、もずと成世による作品にはどれも、たくさんのエピソードが詰まっている。

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ファンサービスも忘れずに客席を回って歌った

 この日の成世は、できる限りファンの近くで歌を聴いてもらいたい、と会場中央に設けた小さなステージでも歌ったり、2度3度と客席を回って1人ひとりの顔を確かめながら歌っていた。

 アンコールの「はぐれコキリコ」では、フルコーラスで歌うだけではなく、会場と一緒になってコーラスを響かせるなど、成世らしい演出も見られた。

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[成世昌平 オフィシャルサイト]
http://www7b.biglobe.ne.jp/~naruse/index.html
[成世昌平 日本クラウン]
http://www.crownrecord.co.jp/artist/naruse/whats.html






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