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川中美幸(テイチクエンタテインメント) 新歌舞伎座特別公演 涙と笑いの「七変化!美幸一座 〜母娘愛情物語〜 」 2部は歌謡ショー 3月27日まで [舞台公演]

◆わたし92歳まで振袖着て頑張るからー。去年秋に92歳で亡くなった母親の久子さんに呼びかけるように、テイチクエンタテインメントの歌手、川中美幸はステージでそう言った。2018年3月22日、8日目を迎えた大阪・新歌舞伎座での川中美幸特別公演である。1部は母親が川中の演技を待ち望んだ「八百屋お七」の人形振りなど劇中劇を交えた芝居「七変化!美幸一座 〜母娘愛情物語〜 」で、2部は新曲「深川浪花物語」など全26曲を歌う歌謡ショー「オンステージ 人うた心」。どちらも笑いと涙がこぼれる、大阪らしい人情いっぱいの舞台である。3月27日まで。

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劇中劇「八百屋お七」の人形振りの一場面=川中美幸

 〈浪花の花〜〉と客席からのかけ声で始まった芝居は、川中美幸演じる2代目座長・川中みゆきが、先代座長で母親の遺訓「笑顔千両 まいどおおきに」を心の支えに、座員たちと共にあと3日で解散させられる劇団の立て直しに乗り出す人情喜劇。
 国定忠治、女ねずみ小僧、月形半平太、白波五人男など劇中劇を盛り込む。さらにはドレミの歌によるミュージカルまで、コレでもかと言わんばかりに見どころはいっぱい。

 中でも極め付けは、人形の動きをまねて演じる八百屋お七の人形振り。川中の母親が「娘が演るとよく似合うやろな」と、その芝居を待ち望んでいた演し物である。その母親は「夜空で1番輝いている星」になったが、その星に向けて見せるように、身体を踏ん張って演じてみせた。

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白波五人男を演じる川中美幸

 ラストのみゆき座長による「母ちゃんの教えを守り一生懸命頑張ります」の口上は、川中美幸自身の亡き母へ向ける言葉と重なるようであった。
 共演は赤井英和。川中美幸一座の常連、音楽評論家の小西良太郎も出演している。

■歌手への道を拓いたもず唱平の記念曲歌う

 1部、2部を通じて笑いの絶えない公演である。その笑いをくれているのは「去年は泣いたけど、今年はよう笑ってる」と話す座長の川中美幸である。川中は母親との死別から見事な立ち直りを見せ、笑いを振りまいていた。

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ヒット曲を熱唱する川中美幸

 公演前の楽屋入口に姿を見せて「誰か分かります?」と笑わせる、とにかくユーモアたっぷりな川中のステージは歌謡ショーでも変わりない。「ふたり酒」「越前岬」「遣らずの雨」などが続く彼女のヒット曲コーナーでも「それなりのヒット曲を静かに聴いてください」と笑いを誘う。

 川中の歌手デビューは1973年、春日はるみの芸名によるもので、スカウトしたのは在阪の作詞家もず唱平だった。77年には今の川中美幸の名前でテイチクから再デビューするが「母親は常々、歌手としてのスタートがあったのはもず先生ということを忘れたらあかんで、と口にしていました」を今も胸に止め続ける。

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亡き母、久子さんとのツーショットの川中

 そのもずの作詞家デビュー50周年記念曲として2018年1月に出した新曲「深川浪花物語」は川中を励ますかのような歌詞である。それを披露するとともに、エンディングでは「おんなの一生 〜汗の花〜」を歌い、「27日の千秋楽までよろしくお願いします」と呼びかけた。


[川中美幸 オフィシャルサイト]
http://kawanaka-miyuki.jp/
[川中美幸 テイチクエンタテインメント]
http://www.teichiku.co.jp/teichiku/artist/kawanaka/
[新歌舞伎座 川中美幸特別公演]
http://www.shinkabukiza.co.jp/perf_info/20180315.html








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