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レーモンド松屋(ユニバーサルミュージック) デビュー10周年 8月27日からツアーライブ 21日には記念アルバムも GSサウンドにリスペクト [インタビュー]

◆地元愛媛を歌った「安芸灘の風」でメジャーデビューし、今年10周年を迎えているレーモンド松屋が2019年8月21日、自らのルーツであるグループサウンズをカバーすると共に、最新オリジナル曲を加えた全13曲を収録した10周年記念アルバム「歌謡クラシックス 3 〜俺たちのGS〜」を発売する。同27日からは東名阪の全国3会場でツアーライブを開く。彼の音楽作りについて聞いた。

レーモンド松屋・四ッ橋星乃コーヒー.jpg


 俺たちの1人GS・ワンマンショーと名付けられたツアーライブは、バックバンドを付けずにレーモンド1人がギターだけで歌う、文字通りの<ワンマンショー>である。8月27日に大阪・心斎橋の大丸心斎橋劇場で、9月1日は名古屋市のスペードボックス、10月5、6の両日は東京・浅草花劇場で行う。
 番外編として9月29日には地元愛媛・西条市の丹原文化会館大ホールで、10周年記念2019レーモンド松屋コンサートと題した愛媛公演も予定している。

 ライブでは、デビューしてから10年を振り返り、その時々のエピソードを紹介しながら、21日に発売する10周年記念アルバムの中から思い出の曲を歌う。
 自ら選曲したというそのアルバムには「エメラルドの伝説」(ザ・テンプターズ、1968年)「長い髪の少女」(ザ・ゴールデン・カップス、1968年)「白いサンゴ礁」(ズーニーヴー、1969年)など懐かしいグループサウンズ(GS)のヒット曲を揃えている。

■GSに影響された音楽作り

レーモンド松屋・歌謡クラシックスⅢ~俺たちのGS~.jpg 中学時代にベンチャーズやビートルズの音楽に刺激されたレーモンドは、地元の工業高校に入ると、当時全盛だったグループサウンズに傾倒していった。友人たちと4人でバンドを組むのもこの頃からである。
 「愛媛県西条市の工業高校の電気科に入学した僕は、エレキサウンドに魅せられてしまいました。バンドを作って、文化祭で寺内タケシの『津軽じょんがら節』やレイ・チャールズの『アンチェイン・マイ・ハート』などを弾いていました。僕はドラムとボーカルの担当でした」

 この時期の中学・高校生の多くがそうであったようにレーモンドもまた、グループサウンズの影響を受け、これが後の音楽作りの核になっていく。

 デビューして発表した「東京パラダイス」(2013年)「星空のエレベーター」(2016年)は、いずれも10周年記念アルバムに収録しているが、明らかに60年代のGSの影響を受けたメロディーであることは、レーモンド自身が語っている通りである。
 アルバムにはオリジナル曲の新曲も収録されている。
 「BIG HERO」「時代劇な女」「白いエアポート」の3曲で、いずれもエレキに痺れたレーモンドサウンドの原点を感じ取れる。中でも「BIG HERO」は、自身の音楽の歴史を綴ったもので、これらが聴けるのもツアーライブの楽しみのひとつである。

■レーモンドサウンドの真骨頂「まさき色の風」

レーモンド松屋・ツアーライブ.jpg 高校時代にGSに大きく影響を受けたレーモンドも、プロを目指すなら音楽を基礎から勉強しろ、高校卒業後に就職した名古屋の電気会社での先輩のアドバイスに従って、会社を退職して東京・小石川の尚美高等音楽学院(現・尚美ミュージックカレッジ専門学校)の2部で学んでいる。
 この頃、音楽の主流はGSからすでにフォークソングへと変わっており、彼の心の中でも井上陽水の「心もよう」吉田拓郎の「旅の宿」が大きなウエイトを占めるようになっていた。

 ところが東京での生活はわずか2年半であった。愛媛・西条市の実家へ戻ったのである。そこで紹介されたボウリング場で働きながら、シンガーソングライターとして活動を始めることになる。この時に「来島海峡」「安芸灘の風」といった、彼の初期の代表作が誕生しているのである。
 「来島海峡」など、レーモンドが作ってきた楽曲には、ロック調ポップスや同演歌の匂いが強いが、彼はそれだけに止まらずに「GSっぽい楽曲だけじゃなく、王道の演歌・歌謡曲もたくさん作っています」と、音楽への尽きぬ想いをぶつけるようになる。

 愛媛県松前町の町長は彼のファンでもある。その彼から町のイメージソングを作って欲しいと依頼を受けた。
 出来上がったのが今、YouTubeで話題になっている「まさき色の風」である。「来島海峡」「安芸灘の風」をほうふつさせるメロディーは、地元の小学生をはじめ多くのレーモンドファンを喜ばせている。

■松山は事後承諾で

 レーモンドの音楽を語るのに欠かせないのが、少なくない歌手への提供楽曲であろう。
 中でも五木ひろしに提供した「夜明けのブルース」は、2012年の第54回輝け!日本レコード大賞作曲賞を受賞しており、彼の大きな転機になった作品であることに違いない。
 「この楽曲はNHKのラジオ深夜便の歌として発表されることがすでに決まっていました。タイトルも出来上がっていて、1週間で作って欲しい、と五木さんから依頼がありました。注文はポップなロックブルースというだけでした」

 この頃、レーモンドは愛媛を舞台にしたヒット曲が欲しいと考えていた。五木からの注文を渡りに船とばかりに、事後承諾で松山の繁華街の二番町を舞台にした。約束通りに1週間で書き上げたのが「夜明けのブルース」だったのである。
 「まさかあそこまでヒットするとは思はなかったけれど、これが縁となって五木さんにはこのあと2作も提供させてもらっています」

■ビッグヒーローへ

 レーモンドの尽きぬ音楽制作への想いは、未発表曲の「タケノコとフキの煮物ができました」などにも見られる。私生活の中でおもしろいと感じたことをメモやスケッチをするかのように、とりとめなく書いているのである。

 「発表する機会があれば、それもいいけれども、そんなもの売れないよ、といった声もあります。ライフワークとして感じるままに作っていきます」

 「来島海峡」「安芸灘の風」で清涼感漂う瀬戸の風を運んできてくれたレーモンド松屋は、10周年を機にさらにビッグヒーローへとなっていく。


[レーモンド松屋 オフィシャルサイト]
http://raymondm.com/
[レーモンド松屋 ユニバーサルミュージック]
https://www.universal-music.co.jp/raymond-matsuya/








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