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井上由美子(キングレコード) 道東の果てに傷心の旅する歌「野付半島」  見えてきた自分の歌世界 [インタビュー]

◆♪ ここで私が もしも死んだら 〜 。キングレコードの井上由美子の新曲「野付半島」(2019年11月)の1番の歌い出しである。メロディー先行で出来たこの楽曲は、作曲の徳久広司のデモ・ミュージックに、彼が自ら思い浮かべた歌詞を挿入していた。それがこれなのである。道東の果てにある野付半島は、知床半島と根室半島の中間に位置する自然豊かな土地。そこでひとり傷心の旅をする女性を歌う。「いつか歌いたかった」という徳久の楽曲に、井上はようやく見えてきた自分の歌世界を見る想いである。

井上由美子.jpg
「野付半島」はいつか歌いたかった・・・と井上


 井上由美子が今まで歌ってきた、こぶしを回すような作品とは異なる今回の新曲「野付半島」は、彼女が歌いたかった「昭和の香りがするリズミカルな歌謡曲」なのである。
 「私の身体にはこぶしは染み込んでいないんです」と井上。これまでは演歌っぽく歌ってきたのだが、彼女には違和感があったのかもしれない。

 徳久広司と言えば、今、売れっ子の作曲家の1人である。井上が「恋の糸ぐるま」でデビューしたのは2004年だが、それ以前に「徳久先生の作品で、とデビュー曲の候補にも上がっていた」というから、長い片思いであった訳だ。
 既存の演歌にとらわれずに、テンポ感あるリズムの楽曲に、自分の世界を見つけてくれるかも知れないといった想いを強めている。

井上由美子・野付半島.jpg その井上も去年、デビュー15周年を迎えた。
 粉雪の舞う凍る大地に死んだら涙を流してくれるのだろうか。円香乃が書く愛をなくした女性の哀しい恋の歌をドラマチックに歌う。新たな一歩を踏み出そうとしている井上にとっては自信の1作である。

カップリングには「志摩の月」「高梁慕情」の2曲を収録する。珍しく3曲ともにご当地演歌である。


 とりわけ「高梁慕情」は、2012年の「恋の川」のカップリング曲を再収録した形である。歌の舞台となった岡山・高梁市では今夏の開館を目指して、文化ホールの建築が進められている。
 この事業には「高梁慕情」の作詞者で、高梁市(旧成羽町)出身の京セラ元会長・伊藤謙介さんが5億円を寄付している。

 かつて高梁の街で新曲発表を開いたことがある井上にとっては、再度、高梁で同曲を市民にアピールする絶交のチャンスである。

 井上は「自然いっぱいの高梁は、田舎がない自分にとっては心がやすまる故郷のよう」と話しており、この街で再び歌えることを願っている。






[井上由美子 オフィシャルサイト]
http://www.arder-jiro.co.jp/yumiko/index.html
[井上由美子 キングレコード]
https://www.kingrecords.co.jp/cs/artist/artist.aspx?artist=13792








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