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山口ひろみ(テイチクエンタテインメント) 「悲恋半島」 カバー曲含め3曲収録 逆風跳ね返す大健闘 [インタビュー]

◆テイチクエンタテインメントの歌手、山口ひろみが2020年3月4日に出した「悲恋半島」(作詞・麻こよみ、作曲・岡千秋、編曲・南郷達也)。実は昨年秋にリリースする予定だったという。ところが一昨年11月に発売した「最終出船」が、予想を上回る好調な売れ行きを見せたことから、今作の発売を今年に延ばしたというのである。しかし新たな発売日はコロナ禍の真っ只中で、世の中は自粛ムードがいっぱい。山口も発売してまだ「一度も観客の前で歌ったことがない」ままに1ヶ月以上を過ごしている。それでもオリコン初登場は6位でスタートし、発売6週目の4月20付チャートでも30位と、逆風を跳ね返す大健闘である。

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山口ひろみ


 山口ひろみには新曲が発売されてほぼ1ヶ月が経った4月6日、大阪市内で会った。ラジオ出演と取材をこなして、新幹線で日帰りをするという強行軍であった。取材は写真・動画撮影以外はコロナウイルス感染防止を気遣って、終始、マスクを着用して行われた。

山口ひろみ・悲恋半島.jpg シングル「悲恋半島」には、メイン曲のほかに2曲が収録されている。メイン曲の「悲恋半島」は、人気が高かった前作の流れを汲んで、同じ海もので企画された。ご当地ソングは避けて、舞台は架空の北の地なのである。
 演歌では北国は悲しみの代名詞である。この悲恋半島には胸を刺す潮風(かぜ)が吹いて、悲しさを一層増す。

 「悲しい歌で良かったかもしれません。コロナウイルスが蔓延している今は、明るい歌では受け入れられなかったかも」

 このように話す山口が学級委員長を務める「山口ひろみ歌謡専門学校」が10月1日に開校される。と言っても本物の専門学校ではない。「悲恋半島」を歌唱録音した音源での1次審査を通過した人を対象に、東京都内で同曲を作曲した岡千秋を校長に、作詞家の麻こよみを教頭に歌唱指導を行おうというものである。
 この<専門学校>では、山口のミニライブも予定されている。1次審査、ミニライブ観覧のいずれも、応募の締切は8月11日。詳しくはテイチクエンタテインメント(山口ひろみ)のホームページを参照。

 「悲恋半島」のレコーディング前のレッスンはかなり念入りに行われたが、カップリングの「やっぱり惚れちゃった」(作詞・麻こよみ、作曲・岡千秋、編曲・南郷達也)は意外とすんなりと終わったという。この楽曲は都はるみをイメージして作られただけに、山口の歌唱も都を思わせる。が、決して都はるみではないのである。

 「今までから都はるみさんの歌はたくさんカバーしてきましたが、この歌に限っては力まずに鼻歌を歌うように歌うように、とアドバイスされました」

山口ひろみ・悲恋半島DVD付き.jpg 今回3曲が収録されたシングルであるが、それぞれ全く別のタイプの曲であり「色んな山口ひろみを楽しめる1枚」(山口)になっている。
 それを最も感じさせるのが3曲目の「古い珈琲屋」(作詞さいとう大三、作曲・馬飼野俊一)であろう。

 この楽曲は1974(昭和49)年に、朱里エイコがヒット中だったシングル「白い小鳩/愛の場所」を含む24曲を収録した2枚組オリジナル・アルバムに入れられた1曲の歌謡曲だった。オリジナルでは馬飼野が編曲も担当しているが、山口の「古い珈琲屋」では森脇哲が手がけている。

 山口は3曲目のこの作品をカップリングとせずに、敢えてボーナストラックと呼ぶ。
 「この歌も機会あるたびにカバーしてきましたが、自分の声に一番合っているんです。2016年にデビュー15周年企画アルバムとして、コンサートで歌ってきたカバー曲ばかり8曲を収録しました。これが好評で、第2弾をという声もあり『古い珈琲屋』を収録したかったんですが、今回、ボーナストラックという形でシングルに入れさせてもらいました」

 山口が言う通りに「悲恋半島」に収録された3曲は、どれをとっても彼女の魅力を遺憾なく発揮した楽曲であることには違いない。
 さらに山口が立つ<悲恋半島>には、逆風どころか心地いい薫風が頬を撫でているようである。





[山口ひろみ オフィシャルサイト]
http://www.kitajima-music.co.jp/hiromi/
[山口ひろみ テイチクエンタテインメント]
http://www.teichiku.co.jp/teichiku/artist/yamaguchi/








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