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I氏と行く近鉄電車の旅の4回目は三重県鳥羽市 [イベント]

◆歩き旅はもう、感動の宝庫ですねー。
80歳で北海道から沖縄まで、列島縦断歩き旅をした報道写真家の石川文洋さんは雑誌のインタビューに、このように答えている。

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鳥羽城址を訪ねた三重県鳥羽市の旅

 去年夏から「歌を歩く」という、歌の舞台を訪ね歩くウオーキング会を主宰している記者は、同じ年の秋からCDショップのI氏と近鉄電車の旅を始めた。どちらも歩くことが伴うイベントである。
 そのI氏と2021年2月22日、三重県鳥羽市へ近鉄電車で向かった。記者にとって、鳥羽は初めてであった。

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市民の憩いの場でもある城山公園
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城山公園の下を走る近鉄特急

 鳥羽の旅と言えば一般的に鳥羽湾を遊覧船でめぐり、水族館で遊び、伊勢志摩の海産物を味わうのであろう。歌謡界で言えば鳥羽展望台には鳥羽が生んだ歌手、鳥羽一郎のヒット曲「兄弟船」の歌碑もあるが、今回の旅はちょっと変わっていた。

■九鬼水軍の居城

 鳥羽湾を見渡せる小高い山の上にある城山公園は、春には満開の桜の花を楽しめる場所として、市民に親しまれている。420数年前の1594年、ここに九鬼水軍の大将で戦国大名であった九鬼嘉隆が鳥羽城を築いている。今は本丸跡・石垣・堀跡の遺構が残るだけだが、ここを見るのが今回の旅の1番の目的であったのである。

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城山公園への入り口
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鳥羽城築城は難航したが、大山祇神社を現在の場所に移したためとして、神の怒りを鎮めるために獅子舞を奉納すると、工事は順調に進んだといわれている

 と言っても、石川さんのように歩いて出かけた訳でもなく、列島縦断などと大それたことでもなかった。それでも城址がある城山公園を登り降りしたり、市内の江戸川乱歩館などを訪ね歩くなどして、この日の街歩きは約12キロ、1万5千歩を超えていた。

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崩れた石垣
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棚田状の石垣
妙慶川・鳥羽城の堀の役割を果たしていた.jpg
市内を流れる妙慶川、鳥羽城の堀の役目を果たしていた

 城山公園には何ヶ所かの登り口がある。鳥居をくぐり、そのひとつの道を登った。小さな山と嘗めてかかっていたが、それは登っても登っても更に上があり、想像以上に高い山であった。
 登り切った本丸跡からは眼下に鳥羽湾の島々が一望でき、ここがかつて水軍の将であった九鬼氏に相応しい城であったことを感じさせるには十分であった。

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本丸と天守を描いた絵地図
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水軍の居城らしく大手門は海に面していた

■城山の旧鳥羽小学校

 城址には建物などは全く残っていないが、石垣だけが往時を偲ばせていた。
城山公園の中腹には、2008(平成20)年まで鳥羽市立鳥羽小学校があり、子供たちの声が響いていた。

旧鳥羽小学校.jpg
外装修復工事中の旧鳥羽小学校.jpg
国の登録有形文化財の旧鳥羽小学校

 小学校は1873(明治6)年に鳥羽藩の藩校・尚志館を母体として開校しており、1929(昭和4)年には、三重県で初めての鉄筋コンクリート造りの校舎として、新たに建て替えられ、それが現存する建物である。今は国の登録有形文化財に指定されており、その校舎の建設には鳥羽出身の真珠王と呼ばれた御木本幸吉が助言をし、資金も提供したという。

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鳥羽城本丸跡・鳥羽小学校運動場跡 2.jpg
鳥羽城本丸跡は小学校の運動場として使われていた
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本丸跡から眺める鳥羽湾

■国立鳥羽商船に息づく九鬼水軍

 初代城主の九鬼嘉隆は関ヶ原の戦いで西軍について切腹するが、東軍についた嘉隆の子、九鬼守隆は5万5千石に加増された。九鬼鳥羽藩は3代続くが、その後、摂津三田藩3万6千石と丹波綾部藩2万石に分かれて移封され、いずれも幕末まで存続するのである。
 綾部藩があった今の京都府綾部市で記者は、高校時代を2年間を過ごしている。そんなことも今回の鳥羽城址を訪ねる旅を思い立った理由になったのである。

 鉄板で装甲した巨大な鉄甲船で毛利水軍を破るなど、織田信長の天下制覇への道を作った九鬼水軍を生んだ鳥羽の街には、1818(明治14)年、日本最初の近代海員養成機関として、旧鳥羽藩士近藤真琴が創設した私立の攻玉社分校、鳥羽商船黌が誕生している。その精神は現在、国立鳥羽商船高等専門学校に受け継がれ、多くの海の人材を輩出している。

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近鉄鳥羽駅前にあるホテル戸田屋
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戸田屋の温泉で旅の疲れを癒す

 旅の終わりは温泉。鳥羽駅構内にある観光案内所で、日帰り入浴ができるところを教えてもらい、駅前にあるホテル戸田家の露天風呂で、歩き疲れた足を休めた。








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