SSブログ

夏木綾子、30周年記念曲「海峡の湯」 ダイナミックな物語性が聴く者を引き込む  デビュー曲あっての今作 [インタビュー]

◆歌手夏木綾子(キングレコード)がデビュー30周年を迎えている。2022年1月1日に発売した記念曲「海峡の雪」(作詞・瀬戸内かおる、作曲・岸本健介)が、デビュー曲「浪花の母」から数えて41作目になる。この作品があったから頑張る事ができた30年であった、と夏木は話す。

夏木綾子 2.jpg
デビュー30周年を迎えた夏木綾子


 夏木綾子が持ち前の太い声で歌う「海峡の雪」は、ドラマチックな恋物語を一段と盛り上げてくれる。夏木は「格好いい演歌で、歌っても聴いてもいい作品」だという。その通りオリコン初登場は2位にランキングされていたし、2週目も4位と発売直後から好スタートを切っている。

 30周年記念曲に相応しく、聴き応えのある楽曲であるのだが、もしかすると歌手を目指していた30数年前の夏木自身の心の内と重なる歌詞でもあるような気がする。

夏木綾子 海峡の雪.jpg
30周年記念曲「海峡の雪」

 彼女のデビューを見ることなく、50歳で亡くなった夏木の母親が好きだった「越前岬」(川中美幸)という歌を作曲した岸本健介に会って、弟子入りを頼もうと夏木は何度も東京の岸本邸を訪ねている。しかしその都度断られている。

 歌手になる事は母娘の熱い願いであった。しかもその第1歩と思っていた弟子入りを断られては、夢が挫折してしまう。心が折れそうでもあった。
 まさに「海峡の雪」の歌い出しにある、♫ 私の夢が 消えてゆく 〜 と同じ気持ちだったのではないか。

 歌の主人公と違って、彼女は岸本の夫人と話す機会を得ることで弟子入りが叶い、当時住んでいた福岡から東京へレッスンに通い、デビューにこぎつける。

夏木綾子 44.jpg
30年で様々な女性を歌ってきた

 「天にも昇る喜びと感動でいっぱいで、涙涙涙でした。デビュー曲は母と歩んできた、2人の人生を歌にした内容でした」
 夏木は当時の想いを、このように「海峡の雪」のリーフレットに書いている。

 デビュー曲「浪花の母」から今作の「海峡の雪」まで一貫して、女性を歌ってきた夏木であるが、その時代によって主人公の性格は変化すると共に、歌のスタイルも変わっていく。

 「デビュー当時はヨイショと張り切って歌う内容か多かったのですが、10年も経つと王道演歌になり、さらに年数を重ねると女性の切なさが増しました。どれも自分では決して体験できないものを演じてきたのですが、人生の教科書でもありました」

夏木綾子 33.jpg
デビュー曲があったから今がある

 デビュー曲をもらった時、夏木は岸本のから「これが売れなかったら、次はないと思うように」と言われている。
 キャンペーに次ぐキャンペーンをこなして、見事に想いに応えた彼女は、「浪花の母」を20万枚を超えるロングセラー作品にまで育てている。「その頑張りがあったからこそ、30周年を迎えられた」と夏木はその頃を振り返る。

 夏木の太い声とダイナミックな物語性、そして30年のキャリアの重みが、「海峡の雪」の魅力を押し上げていることには違いない。




※記事・写真の無断使用はお断りします。



[夏木綾子 オフィシャルサイト]
http://natsukiayako.net/
[夏木綾子 キングレコード]
https://www.kingrecords.co.jp/cs/artist/artist.aspx?artist=10421








nice!(3) 
共通テーマ:音楽

nice! 3