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作曲家三山敏を偲び 「芝居『花街の母』を見る会」 渡辺・高橋らの演歌ショーも [イベント]

◆ 2022年4月に87歳で死去した作曲家の三山敏をしのび、三山作曲の「花街の母」(1973年)を題材にした芝居「花街の母」を見る会が同7月12日、大阪市西成区にある大衆演劇場の鈴成り座で開かれた。盟友の作詞家もず唱平と大衆演劇に詳しいライター橋本正樹とのトークショーでは、あまり知られていない三山の一面も飛び出した。歌謡ショーでは、三山が作曲し、もずが作詞した最初のヒット曲「釜ヶ崎人情」も歌唱された。

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浪花劇団による芝居「花街の母」 中央は渡辺要


 三山の代表作である「花街の母」を大衆演劇の若葉しげるが、シングルマザーの芸者が娘の結婚を夢見ながら生きる全5景の芝居「花街の母」に仕上げ、自ら主人公の芸者・奴を演じた。
 ほかの出演者は近江新之介座長をはじめ浪花劇団の面々。関西では18年ぶりの上演だったという。特別出演として渡辺要、高橋樺子といったもずを師匠とする歌手の顔も。

 この関西で歴史ある大衆演劇団ともずとの関わりは、現在の座長の祖父にあたる浪花三之介がかつて歌手デビューする際に、これまで「演歌がヒットした影には大衆演劇があった」を持論としてきたもずが、その歌の詞を書いたのが縁であった。

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大衆演劇が演歌を育てたーもずの持論でもある

 大衆演劇の舞台では必ず演歌が流れるからであるが、この日も2部の「浪花演歌歌謡祭」では、「釜ヶ崎人情」「花街の母」をはじめ三山・もずコンビによる作品など、多くの浪花演歌に合わせて劇団員の踊りが披露された。

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渡辺要(左)高橋樺子の歌唱も

 三山が作曲し、もずが作詞して今年1月に発売された「ラーメン一代」を歌った渡辺要は、「三山先生にはデビュー当時からレッスンを受け、色々と教えてもらいました。この作品が遺作となりましたが、泣かずに歌います」と話した。

 もず・橋本のトークショーでは、三山との出会いから、ドキュメンタリーをテーマにして作品作りをすることを2人で決めて「釜ヶ崎人情」「花街の母」が出来上がった事を明らかにした。
 「花街ー」は、もずが松竹時代に渋谷天外に付いていた時に見聞きした、芸者の世界を参考にして書いたというエピソードも披露した。

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懐かしい話が飛び出したトークショー

 三山の家族が全員揃って撮った生前の写真などのスライドショーでは、長女でピアノ教師の田中裕子さんが写真1枚1枚に説明を加えて思い出を話した。
 「子煩悩だった父は子供の行事には必ず顔を出してくれていました。仕事面では若い頃は苦労したようで、ミナミや北新地でピアノを弾いていました。もず先生と『花街の母』を自費出版したのが転機になりました」と話していた。

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三山の長女田中裕子さんによるスライドショー

 そのもずは「大衆演劇場でこのような催しが出来て三山も喜んでいると思います。私のお礼は彼との2人分です」と、観客に頭を下げた。

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盟友もずが三山を偲んであいさつ

※写真・記事の無断使用はお断りします。










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