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幻の鉄道を訪ねて 京都・木津川市加茂町と奈良を結んだ大仏鉄道跡を歩いた 第32回歌を歩く [イベント]

◆明治期にわずか9年で姿を消した幻の鉄道、大仏鉄道の遺構を歩いた。2024年1月20日に行った「第32回歌を歩く」である。奈良の歌も数々あるが、代表曲と言えばやはり、吉永小百合さんが歌った「奈良の春日野」(かつて歌を歩くで取り上げた「天満橋から」のカップリング曲)であろう。この日の楽曲に選定して、大仏鉄道の遺構を巡りながら、奈良から京都・加茂までの20キロ近くを歩いた。

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写真・近鉄奈良駅に集合した第32回歌を歩くのメンバー


 大仏鉄道とは明治31年に開業した、鉄道会社「関西(かんせい)鉄道」の加茂駅(現在のJR加茂駅、京都府木津川市)から大仏駅(奈良市法蓮町、明治40年に廃止)の区間の愛称であった。

 奈良市のホームページによると、「近鉄奈良駅の北西、現在の奈良県立大学から少し北へ歩いた佐保川の近くにあった大仏駅は、東大寺の大仏詣で多くの人々が利用して、同社の花形路線でした。しかし、当時の資料がほとんど残っていないことから、幻の大仏鉄道と呼ばれている」という。

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写真・大仏鉄道記念公園

 近鉄奈良駅に11時に全員が集合して、チェックポイントである大仏鉄道の遺構を探しながら、JR加茂駅を目指して歩き始めた。
 最初のポイントは大仏鉄道記念公園。ここはかつて大仏駅があった所で、今は機関車の動輪モニュメントが建てられているだけの小さな公園であった。

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写真、国境食堂と名物のとんかつ定食

 次は昼も近くなっていることから、奈良市奈良坂町の峠にある国境食堂へ向かう。古い建物の昔ながらの定食屋なのかと思いきや、大きな綺麗な店舗が立っていた。
 駐車場はいっぱいで、順番を待つ人もいて、その人気の高さをうかがわせていた。

 鹿川隧道、松谷川隧道、途中、坂井珈琲で休憩して午後3時過ぎから再び歩いて井関川狭量跡、赤橋を経て加茂駅へと向かった.
 隧道の上を線路が敷かれて列車が走っていたのであるが、いずもレンガ造りのそれらは時代を感じさせる遺物であった。

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写真・鹿川隧道、松谷川隧道、井関川狭量跡、赤橋

 大仏鉄道は加茂と奈良を最短距離で結んだと言われている。それだけに起伏の激しい場所も通る。今は舗装された道路になっているが、思った以上に疲れるコースでもあった。

 鹿も出て来そうな山々を切り拓いて敷かれた鉄路を走る大仏鉄道の列車の姿を思い浮かべると、のどかな風景が見えてくるようであった。
 またこうした遺構を見ると、江戸期から解き放された明治の人たちのバイタリティの高さにも感心させられる。

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写真・

 集落を抜けて加茂駅を目指してのラストスパートは、周囲を山に囲まれた広い田園地帯を歩く。駅に着くなり改札内にあるトイレに駆け込む。

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写真・JR加茂駅

 この駅周辺にはコンビニが唯一の駅前商店と言っても良いくらい寂しい場所であった。そんな中で駅裏に高層マンションが建っているのは異様に映った。

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写真・JR加茂駅で









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