SSブログ

寺本圭佑、歌う宅配便が涙の宅配便に 新曲「ほおずり」 実話3部作の第3弾が話題に 賞レースに意欲 [インタビュー]

「望郷本線」「折鶴夜曲 〜おりづるやきょく〜」に次いで、実話3部作の第3弾として歌手寺本圭佑が2024年4月に発売した「ほおすり」(作詞・鮫島琉星、作曲・小田純平、編曲・矢田部正)が話題になっている。この楽曲を担当したフリーの音楽ディレクターの実体験を元に書かれた作品で、通夜から出棺までの間、棺に横たわる母親と息子の2人だけの会話を描いている。休みなく全国でライブ・コンサートを開いて〈歌の宅配便〉と呼ばれてきたが、この3部作では〈涙の宅配便〉と改名されそうなほど、聴く人の涙を誘う。

寺本圭佑 1.jpg
写真・年末の賞レースに意欲を見せる寺本圭佑


 発売をやめた方がいいのでは。歌詞を変えた方がいいよーーなど、今までになかった歌詞だけに、制作陣の間では喧喧諤諤のやり取りがあった。
 「作詞家の鮫島さんが寺本にこれをどうしても歌って欲しい、と強力に押されたこともあって、ゴーサインが出ました」と寺本圭佑

 決して暗く歌うのではなく、明るく歌うことで陥りがちな陰気さをなくした。
 歌は母親の髪の毛を撫でて頬擦りするところで終わり、最後に出棺の合図を示すクラクションの音が静かに響く。

 確かにこうした内容の楽曲は今までになかった。肉親の通夜を体験した人にとってはそのシーンが蘇ってくるだろうし、そうではない20代や30代の若い世代の人たちも「子どもを持つ親として切なさを感じます」と感想を話しているほどである。

 誰もが迎えなければいけない親の死であるが、少なからず母親との別れは「一本刀土俵入り」「瞼の母」など母ものの歌の例を出すまでもなく、多くの人の涙を誘う。

寺本圭佑 2.jpg
写真・5月の大阪発流行歌ライブで歌う

 寺本圭佑の歌唱は21年6月に出した「望郷本線」を境に変化した、と言われている。歌に説得力が感じられるようになったのである。

 師匠であるシンガーソングライター、小田純平から「歌は語るように、そして下手に、聴く人に言葉が伝わるように歌え」とアドバイスを受けたことがある。

 それが形となって現れたのが「望郷本線」からなのである。今まで以上に人々の心を揺さぶる歌唱が出来るようになった。
 寺本は2年前に父親を71歳で亡くしている。これが少なからず歌唱に影響を与えたとも思える。更に今作では「歌っていると、自然と目頭が熱く熱くなって来るんです」と明かす。

 「応援してくれている人たちのためにももっと頑張らなくては、と歌手としての意識も変わってきた」と寺本。
 それだけに今作では、主人公が母に寄せる切ない想いは聴き手にひしひしと伝わって来るのであろう。デビュー15年目にして掴んだ本物の歌手へのスタート地点に立ったようだ、

 23年の第55回日本作詩大賞では15作品がノミネートされたが、その中に鮫島琉星が作詞して寺本が歌った前作「折鶴夜曲~おりづるやきょく~」が入った。
 寺本は「今年も何らかの賞が取れるように頑張って歌っていきます」と、意欲を示している。




※写真・記事の無断使用はお断りします。








nice!(2) 
共通テーマ:音楽

nice! 2