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北川大介(日本クラウン) 「菜七子」 デビュー20周年記念曲 昭和のタフガイを歌い続ける [インタビュー]

北川大介.jpg◆人柄が出ていてとても良かったですよ ー 。日本クラウンの歌手、北川大介は、女優・浅丘ルリ子のそんな言葉に心躍らせた。2018年3月15日、東京・銀座で開かれた歌謡ショーで、出演者の1人として2月に出したばかりの新曲「菜七子」を歌った時のことだった。石原裕次郎らかつての〈日活タフガイ〉に憧れてムード歌謡を歌い続ける北川にとっては、裕次郎の恋人役を数多く演じてきた浅丘からもらった一言は、まるで天にも昇るようだったからである。ファンの手応えも十分というデビュー20周年記念曲にとっては、幸先の良いスタートとなった。








 北川はステージでありったけのパフォーマンスをして見せる。大好きな石原裕次郎や小林旭など、かつて銀幕で大活躍したタフガイたちの物真似も盛り込むのである。彼らへのオマージュ作品となったカバーアルバム「目指せ ! タフガイ」(2003年)も出したほどである。
 このアルバムに収録した石原裕次郎の「俺は待ってるぜ」(1957年)からも感じられるように「男らしさへの自信が裕次郎さんの世界観の魅力ですね」という北川は、新曲「菜七子」でも ♪ 俺を抱きしめて すすり泣いていたね 〜 と存分に真似て見せるのである。

北川大介・菜七子.jpg 曲中に「菜七子 どこにいるんだ・・・」とセリフが入る。
 イントロや間奏にセリフが入る歌はしばしばあるが、こうして曲中に挿入されるのは極めて珍しいという。しかもなんとそれに続く歌詞が ♪ 俺は待ってるぜ 〜 とくる 。何処までも裕次郎なのである。

 ところで菜七子とはまた風変わりな名前のタイトルであり、歌の主人公だと思ったが、何と中央競馬会には同じ名前の人気女子ジョッキー・藤田菜七子(20歳)という人物がいるのだというから驚きである。
 それはそうとして、「菜七子」の歌は「覚えやすくて、歌っていて気持ちが良い」(北川)だけに本人は「必ず売れる」と自信を見せる。実際に「手応えは良くて、セリフの菜七子は色んな名前に変えて歌うことで皆さんに楽しんでもらっている」と笑って見せる。

■楽しまないと歌は伝わらない

 インタビューの間、北川はずっと笑顔を絶やさない。ステージでも同じである。
 「歌っている本人が楽しくないと、聴いている人たちには、楽しさが伝わらないから」
 彼がデビュー以来守り続けてきたことである。

 そのためステージに立った時にはいつも「客席にはもう1人の自分が座っている」と、思うようにしているのだという。
 「客席の自分が面白くなければ演らない」とまで、エンタティナーぶりに徹する。幸いなことに、今のところすべて楽しいステージだったそうである。

■欠員の代役で出たカラオケ大会が歌手の道へ

 石原裕次郎などが出演する映画やムード歌謡好きは父親の影響が大きかったが、ある時に見た野球のユニホームを着た、まだ高校生だった山本譲二の姿にいっぺんに魅せられたという。日焼けした顔から覗く白い歯がとても眩く映ったのである。以来、北川は野球一筋に走り、神奈川県大会ベスト4にまで進出する。

 それが今度は父親のゴルフ練習で知り合ったレッスンプロに薦められ、ゴルフに人生をかけることになる。大学時代には学生選手権にも出場し、卒業してからは1年間米国へゴルフ留学。帰国するとトーナメントプロを目指していたが、身体の故障が原因でレッスンプロの道へと方向転換する。

北川大介2.jpg北川大介3.jpg
笑顔と八重歯とリーゼントがうりの北川大介。ただし生まれた時には八重歯はなかったとか
大阪・イズミヤ今福店でのキャンペーンで(2018.3.27)

 そんなある日、ゴルフレッスンの生徒からカラオケ大会に欠員が出たから、と勧められて出場し、憧れていた山本譲二の「みちのくひとり旅」を歌った。その時の審査員の1人が「ラブユー東京」などムード歌謡の大家と呼ばれた作曲家の中川博之であったことが、歌手へと再び方向転換を決意させることになった。

 デビュー曲は「前橋ブルース」(日本クラウン、1998年)。星野哲郎の詞に中川が曲を書いたムード歌謡だった。当時は「クラウンのテスト生のような立場」(北川)で、1年半で14万キロを1人で車を運転して、全国でCDを売り歩いた。人の集まるところならどこでも歌ったが、最初に飛び込んだのはトンカツ屋だったというのは、彼の体育会系男子らしいエピソードのひとつである。
 それから20年たった。27作目のシングルとなった「菜七子」への想いはひとしおだという。

 照れ隠しだというステージでの裕次郎たちを真似たパフォーマンスも「ファンに楽しんでもらうためのもの」で、北川本人も思い切り全身で楽しんで歌っている。






[北川大介 オフィシャルサイト]
http://www.kitagawa-daisuke.com/
[北川大介 日本クラウン]
http://www.crownrecord.co.jp/artist/kitagawa/whats.html






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