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真咲よう子(日本クラウン) 「恋つばめ」 逢いたさ募らせる恋心と海を渡るつばめと重ねて歌う [インタビュー]

真咲よう子.jpg◆デビュー45年の日本クラウンの歌手、真咲よう子はとにかく明るい人である。アイドルだった10代の頃の雰囲気をそのまま残している。もちろん今はクラウンを代表する演歌歌手である。その明るさゆえか、デビュー前には三波春夫の前歌を務めている。2018年12月に出した新曲は「恋つばめ」。61枚目のシングルである。女性の一途な恋を歌っている。春を感じさせる温かな、ツバメの願いも叶えてくれそうな1曲である。











真咲よう子・恋つばめ.jpg 「恋つばめ」。作詞は大久保輿志雄。作曲と編曲は椿哲也。 ♪ 逢いたくて 逢いたくて いますぐ逢いたくて 〜 と、春を心待ちにするつばめの想いを、真咲はつばめになったかのように、恋しい想いを歌う。

 レコーディングの日、カップリング曲の「白河慕情」とメイン曲が入れ替わった。決して珍しいことではないが、命がけで海を渡って来たつばめと、愛しい男性を追いかける一途な女性の恋を重ねた熱さが、そうさせたのであろう。
 発売から2ヶ月経った2019年2月18日付けのオリコン演歌チャートでも56位にランキングされている。
 「覚えやすいからでしょうか、明るい曲調も相まって皆さんに支持されています」

 カップリングに回った「白河慕情」は、福島県白河市を舞台にした悲恋の歌。かつては相合傘で歩いた南湖のほとりも、今はひとり未練の傘を差して行く。そんなご当地演歌である。

 明るい性格でインタビューの間も、真咲からは笑いが絶えない。彼女にはやはり「恋つばめ」が良く似合う。「慰問で行く老人ホームで課題曲になっている」というのもうなづける。

■趣味は銭湯や郵便局スタンプ集め

真咲よう子3.jpg 「『恋つばめ』の楽曲をもらったのをキッカケに、つばめを研究してみようかしら。つばめの巣も食べてみたいし」
 と笑顔で話す真咲は好奇心旺盛である。


 趣味の銭湯巡りや郵便局のスタンプ集めなど、好きなことには、もう何年も夢中になっている。今までに行った銭湯は東京を中心に650ヶ所にもなる。東京の銭湯ではスタンプを押してもらえる。それを集めるのを真咲は楽しみなのである。ただ仕事で出かける関西などには、そうした銭湯スタンプはないという。

 銭湯通いが高じて5年前には本名の紅谷洋子の名前で、日本銭湯文化協会か行う銭湯検定で銭湯ガイドマイスター2級の資格を取ったほどである。

 郵便局のスタンプ(局印)集めでは、集めたスタンプの数は3000を超える。行った先々の郵便局の窓口で、入出金のたびに貯金通帳に押してもらえるのが局印である。子供の頃は切手蒐集だったが、今はこの局印を集めるのが趣味になった。

■三波春夫のおやつ代が郵貯スタンプに

 局印を集め始めて40年にもなるというから、始めたのはまだ「女のみれん」(1981年)で演歌歌手として日本クラウンからデビューする以前である。
 真咲の歌手デビューは1973年、紅谷洋子の名前でビクターからアイドルとしてスタートしている。「恋は1/2」など2枚のレコードを出しているが、アイドルとしての活動は約2年間だった。

真咲よう子2.jpg

 アイドルの仕事がなくなると、スケジュール帳は真っ白だった。ビクターから薦められて三波春夫の前歌歌手のオーディションを受けた。この時に歌ったのが、後に日本クラウンからのデビュー曲になる「女のみれん」だった。
 それに合格した真咲はその後、三波春夫やフランク永井、村田英雄の前歌歌手として全国を巡業している。前歌ではもっぱら、堀越学園で同級生だった石川さゆりの「津軽海峡・冬景色」などを歌っていた。

 前歌で最も長い付き合いとなったのは三波春夫で、郵便局の局印を集めるきっかけも、この時からである。
 「まだ10代の頃でしたが、三波先生は公演期間中は毎日、出演者やスタッフにおやつ代として千円を渡していました。もちろん私ももらっていました。ある年、私の誕生日に<洋子ちゃんへ>と書いて、1万円を頂いたことがありました。それは今も使わずに大事に仕舞っています」

 真咲は毎日、千円をもらうたびに、劇場近くの郵便局へ行って貯金をしていた。今のようにATMなどはないから窓口に通帳と一緒に出すのだが、公演場所が変わるごとに夜行列車で移動するから、その都度新しい局印が増えていった。

■ステージは1枚の絵

 三波春夫から教えられたことは、貯金をすることではなかった。
 「先輩のステージを見て勉強する際は、舞台のソデではなく客席の一番後ろの席から見るのが良い。全体の動きや観客の反応を見ることが出来るからでした」

 多くのことを教えてくれて、優しかった三波春夫の弟子になりたかったが、彼は弟子を取らなかったから、叶わなかった。それでも楽屋では「良く正座をさせられて歴史物語を聞かされました」といい、真咲はきっと三波春夫の心を受け継ぐ歌手のひとりでもあるはずである。






[真咲よう子 オフィシャルサイト]
http://www.crownmusic.co.jp/artist/masaki/wn.html
[真咲よう子 日本クラウン]
http://www.crownrecord.co.jp/artist/masaki/whats.html







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