SSブログ

レーモンド松屋(ユニバーサルミュージック) 「クラブジェールのママ」 4曲入りデラックスシングル 人気のフォークロック系歌謡曲 [インタビュー]

レーモンド松屋2.jpg◆ユニバーサルミュージックの歌手、レーモンド松屋「クラブジェールのママ」(2018年10月24日リリース)は4曲入り。表題曲とカップリングの「大切なもの」と共に新曲だが、これと同時に収録されたのはライブで人気の高い「サンセットラブ」「ローリングストーン」は、共に初めてCD化したというデラックスなシングルである。当初は初めてのミニアルバムを考えていたというが、アルバムなら添付されない譜面を付けてのファンサービスが好評だ。



レーモンド松屋・クラブジェールのママ.jpg










 まずタイトルを思いついたんですー。
 レーモンド松屋は前作から自らを<大人の恋の吟遊詩人>を名乗るシンガーソングライターであり、今作も収録曲4作すべてを彼が作詞・作曲を行なっている。
 クラブシェールのママの虜になってもう2年、もうそろそろ1人占めさせてほしい ー 。メイン曲の「クラブシェールのママ」で、主人公は呟く。

 歌詞はお洒落なクラブを思わせる。
 さぞかしレーモンドもクラブ通いを、と思いきや・・・。
 「クラブという所へは松山で2度行ったきりですが、その時のイメージが(曲作りに)役に立っています。皆さんが遊びに行かれるクラブのママさんをイメージして歌ってもらえると良いんじゃないのかな」
 登場するクラブもママも架空のものだという。

レーモンド松屋.jpg

 自ら感じたこと、インスピレーションを大切にしたインパクトある曲作りは今も昔も同じである。
 1番に登場するのは和服姿のママ、2番にはドレスである。それぞれ違ったママをイメージして物語の面白さを演出する。
 「楽しく歌える歌です。歌全体が色っぽくて、ライブで歌うと皆さんも楽しんでくれていて、いい感じです」

 レーモンドの中にはベンチャーズ、フォーク、ニューミュージック、さらにはロックもあれば演歌もある。
 「僕の体の中にはこれらさまざまな音楽のエッセンスが詰まっている」
 かつての映画の看板をイメージして描いてもらった、というジャケットは、自分と同じ世代の人たちが歌いたい曲作りの象徴のようでもある。彼のインディーズ時代から一貫した音楽に向き合う姿勢に変わりはない。

■心のままに旅する

 カップリングの「大切なもの」は、1昨年末から約40日間の入院生活を経験して、人生にとって最も大切なことを考えさせられた自身の心の想いを書いた。
 2番の歌詞 ♪ がむしゃらに生きてみても 見えない物もある 〜
 は、ゆっくりと心のままに生きるのもいいのかな、と60代を転機に考えを改めた自分を表している。

 レーモンドらしい1曲である。





[レーモンド松屋 オフィシャルサイト]
http://raymondm.com/
[レーモンド松屋 ユニバーサルミュージック]
https://www.universal-music.co.jp/raymond-matsuya/







nice!(5) 
共通テーマ:音楽

二見颯一(日本クラウン) 大阪で新曲「哀愁峠」コンベンション 大阪・ラブセントラル [イベント]

◆待ちに待ったデビュー日の2019年3月6日を大阪で迎えた日本クラウンの大学生歌手、二見颯一が、3月7日、大阪・中之島のレストラン・カフェ、ラブセントラルで、デビュー曲「哀愁峠」を披露する業界関係者向けのコンベンションを開いた。幼い頃から民謡で鍛えた喉で歌詞の一句一句を大切にして歌った彼に、集まった人たちから惜しみない拍手が送られていた。

二見颯一3.jpg
新人賞へ意欲を示す二見颯一


 大学1回生で受けた2017年日本クラウン演歌・歌謡曲新人歌手オーディションでグランプリを受賞。作曲家水森英夫の元で1年余の修業を積んでデビューにこぎつけた。

 初めてもらった「哀愁峠」について、二見は「自宅で楽譜をじっと見つめていました」と、歌手になったという喜びを伝えた。出身地である宮崎県の地名がたくさん出てくる作品であり「まるでご当地ソングのようでもあるし、自然体で臨めます」と意欲を見せた。

二見颯一2.jpg
民謡は5歳から歌ってきた

 毎年、演歌の新人歌手を送り出している日本クラウンも「かつて同じオーディションを経てデビューした川野夏美など、先輩たちに必ず続いてくれると思う」と、去年の一条貫太に続く大学生歌手に期待を寄せる。

 この日、二見は2コーラスとフルコーラスで「哀愁峠」を2度歌唱し、カップリング曲の「望郷ギター」も聴かせた。
 さらに高校2年で民謡全国大会で優勝した際に歌った宮崎県の民謡「正調刈干切唄」も披露。同じ民謡歌手出身で日本クラウンの先輩歌手でもある成世昌平のヒット曲「はぐれコキリコ」も歌った。

二見颯一.jpg
マルチな歌手を目指すと「望郷峠」を歌う二見颯一

 所属する音楽事務所、ビッグワールド(東京都)の堀日出記社長は「テレビ、ラジオへの出演や全国へキャンペーンに出かけて、ファンをたくさん作るとともに、新人賞を目指します」と、今年の目標を掲げた。

 二見も新学年から大学を1年間休学する構えで「色んなジャンルを歌うマルチな歌手になりたい」と話していた。


[二見颯一 オフィシャルサイト]
https://ameblo.jp/futamisoichi1026/
[二見颯一 日本クラウン]
http://www.crownrecord.co.jp/artist/futami/whats.html







nice!(4) 
共通テーマ:音楽

水城なつみ(キングレコード)  好スタート、8枚目シングル「みちのく恋唄」  5月にはバンジージャンプも [インタビュー]

水城なつみ.jpg◆キングレコードの歌手、水城なつみが2019年2月27日に出したデビュー8枚目のシングル「みちのく恋唄」が、同3月11日付けのオリコン演歌チャートで3位にランキングされた。前作の4位から1ランク上げて、自身初の高ランクでのスタートとなった。新曲のキーワードは南部風鈴。チリリンリン と鳴る澄み渡る音色が悲しい歌の世界を作り上げている。デビュー記念日の5月にはバンジージャンプに挑戦するバスツアーも計画している。


水城なつみ・みちのく恋唄.jpg









 風鈴や雨といった<音風景>を感じながら歌い進める。一気に感情が高まってくるのが、5行目の ♪ 南部 南部風鈴 チリリンリン・・・ 〜 だろう。
 透き通った南部風鈴の音が、聴くものに寂しさを感じさせる悲しい歌である。しかし水城は、決して主人公に成り切って涙を溜めることなく、笑顔でこれを歌う。この方が「聴く人に歌のストーリーを想い浮かべてもらいやすい」(水城)からだという。

 万城たかしの詞は、好きな人との心の距離は離れてしまったけれども、風鈴の音色は今もj変わりなく、きれいな調べを奏でている。それが尚更に悲しみを募らせるのである。
 18歳でデビューして7年、25歳になろうとしている水城も、そうした大人の女性の心の内を表現できるようになってきた。

 「サビの部分は、最初の南部 〜 で引きつけて、チリリンリン・・・で可愛らしさを出して、バランスを取っています」

水城なつみ2.jpg

 一方、カップリングの「はちきん祭り歌」は、メイン曲とは一転して、元気いっぱいな作品である。水城自身が高校まで、祭りで神輿を担いでいたというほどで、本来の水城は<はちきん>なのである。嫌なことがあっても切り替えも早く、何事につけて元気いっぱいな性格。日頃、歌っている健気な女性は「演歌で教えてもらった」というほど。

■女性演歌で初(!?)のクレー射撃

 彼女のはちきんぶりは、こんなところにも見られる。
 デビュー記念日の5月22日には、念願のバンジージャンプに挑戦するというのである。ファンと一緒に行くバスツアーで、茨城県常陸太田市の竜神峡に架かる竜神大吊橋から、100メートルを落下するという。ツアーではまた、自身のアルバムに収録している「納豆音頭」にちなんで、同県内の納豆工場も見学する。

水城なつみ3.jpg

 ステージでは<あがり症>などと公言しているものの、実際にはかなりのアクティブ女子なのである。去年5月には殺陣師集団、菊地剣友会の指導を受けて、時代劇の舞台で2ステージをこなしているし、
 さらに同12月には、長年趣味で狩猟をしている祖父の影響もあって、クレー射撃の免許を取っている。約8キロあるという銃を構えての射撃。翌日は筋肉痛に悩まされるため、目下、ダンベルで鍛えているところである。

 なんとも頼もしい演歌歌手である。
 今年4月6日には、仲良しの歌手仲間、中西りえ(日本クラウン)徳永ゆうき(ユンバーサルミュージック)と3人でライブ「花よりだんご 良い子 悪い子 普通の子」を、去年に続いてJR東京駅前のライブハウス、ヒットスタジオトウキョウで開く。
 仕事においてもアクティブに動いている。





[水城なつみ オフィシャルサイト]
http://www.mizuki-natumi.com/
[水城なつみ キングレコード]
http://www.kingrecords.co.jp/cs/artist/artist.aspx?artist=44259








nice!(4) 
共通テーマ:音楽

二見颯一(日本クラウン) きょう「哀愁峠」で歌手デビュー 20歳大学2回生 目標は三橋美智也 [インタビュー]

二見颯一1.jpg◆指導を受けていたボイストレーニングの先生が、本人に内緒で応募した新人歌手のオーディションでグランプリを取ってしまった。2017年に行われた日本クラウンの演歌・歌謡曲新人歌手オーディションで、最終選考に残った20人の中から選ばれ、2019年3月6日、「哀愁峠」(作詞・たきのえいじ、作曲・水森英夫、編曲・石倉重信)でデビューした二見颯一(ふたみ そういち)である。三橋美智也が大好きで5歳から民謡を、中学に入ってからは演歌を習ってきた。東京の大学に進学して、将来は「地元の県庁に勤めたい」と考えていたが、まさかのプロ歌手の道への転身である。


二見颯一・哀愁峠.jpg









 宮崎県国富町生まれの二見颯一は、幼い頃からゴーヤやニラなどを作る両親の畑仕事を手伝いながら、ラジオから流れてくる民謡や演歌・歌謡曲を聴いて育った。5歳から習い始めた民謡では、中学1年で民謡民舞少年少女全国大会中学生の部で優勝、高校2年になると正調刈干切唄全国大会男性の部でも優勝するなど、徐々に力を付けていった。

 高校を卒業して18歳で上京した時には、取り立てて歌手になろうとは思いもしなかった。合格した日本大学で法律の勉強をして、卒業後は地元宮崎に帰り「県庁に勤めて定年後は後は民謡・歌謡教室を」と、ごくごく平凡な人生設計をなんとなく描いていた。
 それがボイストレーニングの先生によって一変してしまった。

 自分の知らないところでオーディションの1次審査を通過してしまったからである。大学1回生の時であった。それを知らされた二見は、迷うことなく出場することを承諾している。両親も彼が子供の頃から「歌手としてデビューさせたかった」というほど、息子の歌には自信を持っていたようだ。
 それでも彼自身、グランプリをもらった時には「ただただビックリでした」と、信じられなかったようである。

■1文字1文字を大切に歌う

二見颯一2.jpg デビュー曲「哀愁峠」は、♪ 帰りたい帰りたい 〜 から最後の2行が、歌っていてとても感情が入るところ。所謂<サビ>と言われる部分である。二見の特徴とされる高音を存分に表したところなのだ。
水森英夫は彼に、前半は民謡の歌い方を、♪ 日向 〜 から歌いじりまでは反対に出来るだけ演歌っぽく、と指導している。
 「その歌い方によって、非常にメリハリが付いて、歌いやすくなっています」と二見。

 二見を水森に紹介したのは、オーディションを受けさせた、水森とも親交があり、宮崎でボイストレーニングを指導した人物であった。

 上京し師事した作曲家、水森の元で三橋美智也、三波春夫や民謡の大先輩である成世昌平など幾人もの歌の勉強を重ねた。
 水森からは「この文字はこのように歌う、といった具合に、歌詞1文字1文字を大切にした歌い方を教わりました」と二見。
 民謡という彼の持ち味を生かしてつくられたというデビュー曲では、低音から高音まで音域が広いため「力を抜いて歌うように」といった水森の教えを守る。

 三橋美智也を思わせような高音の響き渡る声は、かつて民謡の先生から「やまびこが返ってくるように歌いなさい」と教えられた通りに、畑仕事を手伝うかたわら、広い畑で歌って鍛えたもの。レコード会社が名付けた彼のキャッチフレーズも、そのものズバリ〈やまびこボイス〉

 目指す歌手はもちろん三橋美智也である。
 「民謡はもちろん演歌やCMソング、テレビドラマの主題歌などと色んな分野で歌い、沢山の人に愛された三橋さんのように、さまざまなジャンルを歌っていきたい」

二見颯一・絵.jpg
子供の頃から大好きだった絵を描くことは今も続けている

 その二見は「歌手になることは出来ましたが、これからは沢山の人に知ってもらうことが大切で、頑張ります」と意欲を見せる。
 デビュー日には大阪市内で開かれた歌謡ショーに出演した。中学・高校時代にNHKホールや国技館で開かれた民謡全国大会で歌った経験もあり、度胸は座っている。
 本名は二見颯。芸名は(二見)颯一。1番になるように、といった思いが込められているかのようである。





[二見颯一 オフィシャルサイト]
https://ameblo.jp/futamisoichi1026/
[二見颯一 日本クラウン]
http://www.crownrecord.co.jp/artist/futami/whats.html








nice!(5) 
共通テーマ:音楽

菅原文太にあやかったデビュー45年の千葉げん太が初出演 J:COM11ch「歌に恋して」4月放送分を収録 [テレビ]

◆日本クラウンの歌手でデビュー45年になる千葉げん太が2019年3月4日、J:COM11chで放送中の歌番組「歌に恋して」4月放送分の収録 に出演した。18年12月に出した新曲で 望郷3部作の完結編「望郷雪国」 をアピールした。

千葉げん太24.jpg
新曲「望郷雪国」をアピールする千葉げん太


 「望郷雪国」は17年前に他界した母親を懐かしむ、千葉げん太の実体験を元に歌われた作品である。病弱だった父親の代わりに、三男の千葉をはじめ男ばかり3人の子供を育てたという働き者だった母を残して、千葉は18歳で歌手を目指して宮城県栗原市の実家を後に上京した。

 コメディアンの関敬六や渥美清の付き人を5年間経験。その時の縁で、端役ながら森繁久弥や美空ひばりの舞台公演に出演。北島三郎の新宿コマ公演にも出たが、その際に出会った作曲家で、北島の「函館の女な」などの曲を書いた島津伸男に師事して、1976年に「トラック野郎」で念願の歌手デビューしている。

 前年に公開されていた映画「トラック野郎」で主役を務めた菅原文太は同じ栗原市の出身。デビュー前に菅原の家を訪ねた際に、文太にあやかってげん太を名乗ることになった。

千葉げん太.jpg

 2001年に「望郷わらべ唄」を出し、16年には「望郷波止場」そして去年12月5日に望郷シリーズの完結編として「望郷雪国」をリリースした。この新曲は三山ひろしの「お岩木山」などを手がけた千葉幸雄が作曲し、歌詞は千葉げん太自身が宮迫はじめのペンネームで書いた。千葉は20年前から、20枚にもなる作品すべてを自身で曲を書いている。

 新曲は、舞台を北海道に変えてはいるが、兄弟3人が母が作ってくれた味噌汁や煮っころがし、ずんだ餅の味が恋しいと歌う。今でも母親を思い出すと涙が出てくるが、歌う顔はあくまでも笑顔。歌いながら千葉は「母ちゃん、元気で頑張ってるよ」と語りかけるのだという。

歌に恋して4月.jpg
収録のもよう
歌に恋して4月2.jpg
エンディングは歌恋ポーズで

 もう1人のゲストの城山みつきは兵庫県姫路市出身。幼い頃から白亜の名城、姫路城を見て育った。テイチクエンタテインメントからデビューして今年、4年目になる。1月に3作目の「雨、あがる / 富姫」を出している。

城山みつき.jpg城山みつき2.jpg
地元・姫路を舞台にした「富姫」を歌う城山みつき

 カップリングの「富姫」は、泉鏡花の小説「天守物語」に材を取る。台詞入りの6分余の長編歴史歌謡は、その昔、姫路城の天守に棲んでいたと言われる富姫という美しい魔物と、鷹匠との恋物語である。
その天守でプロモーションビデオを撮影しており、これは姫路城始まって以来のことだという。

■渡辺要などのレギュラーも歌唱

 「歌に恋して」は、毎週月曜日午前10時、J:COM11chで放送されている。番組にはゲストのほか毎回、レギュラー歌手が最新曲を披露している。
 この日も渡辺要(日本クラウン)が「母は今でもこころの港」を、みやま健二(徳間ジャパンコミュニケーションズ)が「能登の灯祭り」福島はじめ(日本クラウン)は「女の時雨」野村真希(ウイングス・エンタテインメント)は「ブギウギ!それゆけエンジェル」を歌った。

渡辺要.jpgみやま健二.jpg
渡辺要(左)みやま健二

 視聴者のリクエストに応えるコーナーでは、みやまが沢田研二の「勝手にしやがれ」を歌い、本物そっくりに帽子を投げるシーンも見せた。

福島はじめ.jpg
福島はじめ


[歌に恋して]
https://warakasu.jimdofree.com/歌に恋して/







nice!(5) 
共通テーマ:音楽

前川清・神野美伽  歌と芝居の新歌舞伎座開場60周年記念特別公演  〈時代〉をテーマにオールディーズから最新楽曲まで のオンステージ  スペシャルゲストに松居直美  1部は司馬遼太郎原作「大坂侍」を熱演 [舞台]

◆テイチクエンタテインメントの歌手、前川清とキングレコードの歌手、神野美伽による新歌舞伎座開場60周年記念特別公演が2019年3月3日、期間22日の幕を開けた。1部の芝居「大坂侍 〜恋も忠義も金次第〜 」のラストで神野が「流行歌(はやりうた)も変わりましたんや」と話すシーンのように、2部の2人によるオンステージでは60年代の懐かしいオールディーズからそれぞれの新曲など、新しい波を感じさせる構成で聴かせた。3月24日まで。

前川清・神野美伽 囲み取材.jpg
初日の緊張を楽しんだ前川清(右)と神野美伽


 1部の芝居「大坂侍」(原作・司馬遼太郎、脚本・岡本さとる)には、前川清神野美伽にスペシャルゲストの松居直美、おりも政夫などが熱演。舞台は幕末から明治維新にかけての大坂と江戸。前川演じる大坂の河川を取り締まる川同心の鳥居又七と、神野による大店の娘お勢との恋物語であるが、<商工農士>と言われる大坂における武士と合理的な商人の姿も描いている。

大坂侍.jpg
大坂侍3.jpg

 新歌舞伎座への出演は毎年1回と定番になっている前川は、毎回、飄々とした演技で観客を笑わせることに苦心する。今までは脚本を壊すことで、そこに笑いを求めるのを楽しみで演ってきたという彼だが「今回は(司馬遼太郎の)小説が原作でもあって、壊すのが難しいですね。初日はいつも緊張します。観客の反応を見ながら、回を重ねるごとに、面白くしていきたい」と期待を持たせた。

大坂侍2.jpg

 神野は去年末の足の手術後の、わずかに残る痛みを気遣いながらのステージだった。それでも「大道具さんに階段の段差を低くしてもらいました」など、周囲の多くが彼女が少しでも楽に動けるように計らっての初日だった。シャリーンと花道の幕が開いて飛び出した彼女は「初日はいつにも増して特別ですが、足の不安には安心し、すごく楽しめました。ホッとした気持ちです。精一杯、演じて、歌っていきたいです」と胸をなでおろしていた。

 2人とも初日ならではの緊張感を持ちながらも、十分に楽しんでのスタートであったようである。

■緊張感いっぱいの初日公演

 芝居のクライマックス、鳥居は大坂を離れて、官軍と戦う彰義隊に身を投じるが、戦に敗れて命からがら逃げ延びる。そこで大坂から江戸まで彼を追いかけて来たお勢に出会う。「流行歌も変わりました」と、 お勢は ♪ 宮さん宮さん 〜 と「トコトンヤレ節」を歌って、時代が変わったことを伝える。

 この時代の変化は、今回の芝居と歌謡ショーのテーマでもある。
 2部のオンステージでは「ハートブレイク ホテル」「スタンド・バイ・ミー」など、多くの観客にも馴染み深い洋楽オールディーズを、いずれも前川のカバーアルバムの中から彼と神野が交互に歌う。従来の歌謡ショーとは趣を少し変えたオープニングである。

オンステージ.jpg
オンステージ3.jpg

 それに続いて前川は、ソロシンガーになってからのヒット曲「雪列車」を披露するが、その作品以来、36年ぶりという糸井重里プロデュースの新曲「初恋 Love in fall」を聴かせる。デビュー50年の彼の新たな挑戦楽曲である。
 クールファイブ時代の「そして、神戸」などのヒットメドレーでもファンを喜ばせた前川は、そこには「中の島ブルース」も。しっとりと歌うのを得意とする前川にとって、この1曲は「歌い辛くて、今でも緊張する」という<嫌いな楽曲>なのである。初日の出来栄えは「まあまあでした」と前川。

オンステージ2.jpg

 一方の神野は、19年2月にリリースしたばかりの「愛のワルツ」を、カップリングの「神さまのプレゼント」「男船」と共に披露した。
 メインの「愛のーー」は荒木とよひさ作詞、弦哲也作曲の夫婦をテーマにした作品。「(荒木さんと)結婚していた時には、良く 『君は一言多いんだよ』と言われましたが、歌詞にはその言葉がそのまま出てきます」と笑ってみてた。「神さまのーー」は「今の私の気持ちを1番に表現した作品」だという。
 都はるみのヒットメドレーや迫力ある「無法松の一生」も歌った。

 これより先、スペシャルゲストの松居直美は芝居への出演と共に、歌謡ショーでは石川さゆりの「津軽海峡冬景色」などをカバー。客席に降りるなどして、観客を楽しませていた。

タオル.jpg
ラストは客席へ手ぬぐいまき

 ラストは、躍動感あるオープニングに反して、前川と神野の2人で中島みゆきの「時代」を歌った。少々おとなし目の選曲ながら、時代は変わりつつあることを伝えるものだった。


[前川清 オフィシャルサイト]
www.maekiyo.com
[神野美伽 オフィシャルサイト]
http://www.shinno-mika.com/







nice!(5) 
共通テーマ:音楽

北川裕二(キングレコード)  「やめとくれ ?」  新路線のスローバラード演歌  くせになる1曲 [インタビュー]

北川裕二.jpg◆キングレコードの歌手、北川裕二が2019年1月に出した「やめとくれ ?」は、スローバラード演歌と呼ぶ新しいジャンルの1曲である。6年前、彼に転機をもたらすことになった大衆演歌を歌わせた、キングレコードの中田信也ディレクターが新人ディレクターと共同で制作したものだった。「三振するかホームランになるか」といった実験的な作品だが、もちろん本人は「ホームランにしてみせます。クセになる1曲です」と意欲満々である。










 「楽しんで歌おう」といったコンセプトで生まれたのが「やめとくれ ?」だった。女性の強がりを歌った女歌である。当初は別の楽曲がメイン曲の候補に上がっていたが、次作のメインに回された。
 大衆演歌の第1弾となった「女のみれん」(2013年)が作られた6年前、実は5作品が一緒に制作されていた。その1作が今作のカップリング曲「おれの道づれ」であった。幸せ演歌で「結婚式でも歌えます」と北川。

北川裕二・やめとくれ!!.jpg ここ6年ほど<ド演歌>を歌ってきた北川にとって、今作のスローバラード演歌は畑違いのようにも思えた。事実、制作陣の中にも「北川に合うのかな」といった疑問もあった。が、そうした懸念に反して北川は、かつて仲間とバンド活動をしていただけあって「このジャンルは大好きなんです」と自信をみせる。

 「歌詞を読むと確かに結構暗いですね。暗い歌を暗く歌うんじゃなくて、楽しく歌っていますよ。しかも上手く歌おうとせずに、リズムに乗って歌うといいですね。最後は希望も持てる内容の詞になっています」

 シングル「やめとくれ ?」と同時に、カバーアルバム「歌匠 弦哲也を歌う」を発売している。「北の旅人」「天城越え」など、いずれも師匠で作曲家の弦哲也の作品ばかり13曲を収録している。スタッフが選んだ20曲の中から北川自身が選曲した。
 その中の都はるみの「千年の古都」は、北川が初めて歌ったという楽曲だった。「都はるみさんのイメージも損なわないように歌うのも難しかった」

 美空ひばりが歌った「裏窓」にも挑戦している。この歌詞には ♪ ひとりぽっちの わたしのために ? の1節がある。「そこを<ひとりぼっち>と歌ってしまったんです。間違えて覚えていたんですね。録り直すことになりました」

 全曲がカバー曲のアルバムは初めての体験だった。
 「メロディーラインは先生のものですから苦労はありませんでしたが、いずれも大先輩が歌った歌ですから緊張しました」
 35年選手の北川にしても、気が抜けない作品だったようである。

■3度目のカラオケ大会

 「やめとくれ ?」のカラオケ大会も行う。CDに封入されている応募券と一緒に、同曲の歌唱音源をキングレコードに送って事前審査を通過すると、2019年5月15日に同社関口台スタジオで行われるカラオケ大会に出場できる。
 さらにアルバム「歌匠 弦哲也を歌う」に封入されたレコーディング参加応募券を送ると、同スタジオで今秋に予定されている北川の新曲レコーディングのコーラス隊に抽選で20人を招待する。

北川裕二2.jpg

 北川がカラオケ大会を開くのは、2001年の「男のまごころ」16年の「泣いて大阪」に次いで3度目。


 去年から始まったデビュー35周年が今年4月で終わる。それを記念して全国で行ってきたディナーショーも、今日3月3日の札幌、4月29日の東京会場で幕を閉じる。
 36年目に向けては「少しでも早くヒット曲を出して先生(弦哲也)に報告したい。今はそれに向けて全力投球するだけです」と、喉の健康にいいというお気に入りのカリン酒を飲んで張り切る。





[北川裕二 オフィシャルサイト]
http://www.kitagawa-yuji.com/
[北川裕二 キングレコード]
http://www.kingrecords.co.jp/cs/artist/artist.aspx?artist=10436







nice!(6) 
共通テーマ:音楽

椎名佐千子(キングレコード) 「漁火(いさりび)街道」  失った恋を探しに今度は福井・越前町をただひとり行く [インタビュー]

椎名佐千子.jpg「漁火街道」。キングレコードの歌手、椎名佐千子が2019年1月1日にリリースした20枚目のシングルである。前作の京都府舞鶴市を舞台にした「舞鶴おんな雨」から、今度は隣の福井県越前町の越前海岸沿いを走る漁火街道と呼ばれる所が舞台。も一度逢えますか、と叫んでみても、声は日本海の荒波にかき消されて愛しい人には届かない。まるで手の届かない遠くに見える漁火のように・・・切ない恋歌である。きょう3月2日には、福井・越前町で初披露する。



椎名佐千子・漁火街道.jpg









 女性のはかなげで寂しい表情を映したかのような越前の海が、歌と重なってくる。椎名は前作の3年前には「哀愁・・・日本海」を歌っており、日本海はもう馴染みである。その荒波はまるで、戻らぬ人を想う胸の痛みのゆうでもある。
 同じ日本海でも「前作はスケール感があった」(椎名)が、今作のそれは歌詞にも出てくる、風と波の浸食によって出来た洞穴・呼鳥門のように、主人公の心のうちを表すかのようである。

椎名佐千子2.jpg 発売後2ヶ月あまりが過ぎた。
 「キャンペーンではキーを設定し直して、男性も良く歌ってくれます」
 椎名ファンの幅広さを示している。
 漁火街道は風光明媚な一方で、その景色は険しさもあってなお一層、歌を引き立てている。
 「歌いどころ、泣かせどころ、聴きどころは1番であれば、やはり ♪ ねぇねぇ あなた 今頃どこにいる 〜 でしょうね」

 その主人公の心情を表す、歌の世界観にグッと入り込めるところである。

 作品ごとに異なる世界観、椎名はそれをどのように自分のものにして表現するのだろうか。
 「イントロが流れると、自然とドラマに入っていけますね。歌っていて気持ちが乗る瞬間があります。観客の反応から感じ取ることもあります。こういう風に歌うと伝わるんだ、と分かってくるんですね。まったく知らない所で歌うのが、とても勉強になります」

 椎名はまだ1度も漁火街道を訪ねたことがない。インターネットで見た写真や動画などでイメージを膨らませて歌う。
 きょう3月2日、越前町観光連盟主催の第6回越前かに感謝祭で開かれる歌謡ショーでは、特別ゲストとして「漁火街道」を披露する。「呼鳥門などを観光する時間が取れると良いのですが。地元の越前かにも食べてみたい」と、初めての越前に関心を示す。

■「俵星玄蕃」にも挑戦中!

 3月18日からは水森かおりの明治座初座長公演に、歌と芝居で出演する。引き続いて5月には大阪・新歌舞伎座に巡回する。椎名にとっても「楽しみにしている」初の試みである。
 それと併行して、今、三波春夫の長女、三波美夕紀から長編歌謡浪曲「俵星玄蕃」を習う。これまで我流で歌ってきたというが「所作や振り付けを含めて、基本から学ぼうと取り組み始めました」と椎名。

 舞台公演も楽しみである。






[椎名佐千子 オフィシャルサイト]
http://shiina-sachiko.jp/
[椎名佐千子 キングレコード]
http://www.kingrecords.co.jp/cs/artist/artist.aspx?artist=18032







nice!(5) 
共通テーマ:音楽

新番組「BS歌謡スクエア 」 4月7日スタート、毎週日曜日BS12トゥエルビで 村野武範・安倍里葎子が司会 [テレビ]

◆70年代の人気テレビドラマ「飛び出せ!青春」などで知られる俳優の村野武範と、テイチクエンタテインメントの歌手、安倍里葎子が司会をする演歌・歌謡番組「BS歌謡スクエア」が2019年4月から、衛星放送のBS12トゥエルビで始まる。毎週ゲスト歌手を招いて最新曲を披露するほか、ヒット曲誕生秘話など楽しい内容のトークコーナーも。全国からご当地歌手を紹介する〈飛び出せ!ご当地歌手!〉ではメジャー歌手への登竜門にしていくという。

村野武範・安倍里葎子.jpg
番組司会の村野武範(右)と安倍里葎子


 番組は4月7日から毎週日曜日午前5時30分から30分間放送される。
 このほど4月に放送される4回分の収録が、徳間ジャパンコミュニケーションズの歌手、佳山明生と同・三船和子が出演して、東京・品川のジョイサウンド品川港南口店にあるJスクエア品川で行われた。

村野武範・安倍里葎子2.jpg
BS歌謡スクエア2.jpg
BS歌謡スクエア3.jpg

 司会の村野武範は青春ドラマ「飛び出せ!青春」や料理番組「食いしん坊!万才」などで知られるが、2017年9月には、CDとしては初めての作品となる「ハマナス / 愛を下さい」(日本エンカフォンレコード)を出している。
 ジョークを交えたトークはすでにお馴染みだが、もうひとりの司会者の安倍里葎子とのコンビの軽妙ぶりを見せていた。

 安倍里葎子はデビュー曲で大ヒットした「愛のきずな」は、今も多くの人の記憶に残っている。橋幸夫とのデュエット曲「今夜は離さない」は、デュエット曲の代表曲としてカラオケで多くの人に歌われている。
 一昨年にテイチクエンタテインメントに移籍。第1弾の「恋人気分で」が好調に推移している。

 もう1人のレギュラーが、会社社長との二刀流歌手として70歳でデビューしたSASAKI社長。北海道・札幌市で会社を経営するかたわら、昨年10月、日本クラウンから「最後のフォーリン・ラブ」を出している。

BS歌謡スクエア4.jpg
写真・左がSASAKI社長

 番組の目玉コーナーでもある<飛び出せ!ご当地歌手!>には、各地で活躍しているご当地歌手を毎週2人ずつ出演する。歌と共にプロフィールなどを紹介していく。メジャー歌手への登竜門にする。

■4月のゲストは佳山明生と三船和子

 4月7、14日放送分に出演する佳山はヒット曲「氷雨」と最新曲「冬茜」(18年9月)を歌い、トークコーナーではそれぞれの楽曲にまつわる話を披露していた。「歌手になりたかった友人が青山で経営していたスナックに、たまたま居合わせた女性客が呟いた詩を、その友人がコースター35枚に書きとめて、並び替えたのが『氷雨』でした。ヒットした時には僕は32歳でしたが、入ってきたお金は全部飲んじゃった」

佳山明生.jpg
佳山明生

 新曲の「冬茜」は、亡くなった妻が天国から主人を見つめている、といった夫婦をテーマにした切ない、田久保真見が作詞し杉本眞人が作曲した作品。「テクニックを使わずにベストの声を聴いてもらう歌唱をしています」と、アピールしていた。

 4月後半のゲストである三船は、同21、28日の出演。それぞれヒット曲「だんな様」最新曲の「あなたが命」(2017年11月)を歌った。デビュー50周年を機に徳間ジャパンコミュニケーションズに移籍している。
 デビュー4年目での交通事故が原因で声が出なくなって歌手を引退。その後結婚して育児に追われるが、引退から15年後に復帰を果たすなど波乱に富んだ歌手人生であるが、トークコーナーでは「家族に支えられて、ここまで来ることが出来ました」と、感慨深げに語っていた。

三船和子.jpg
三船和子

 最新曲は、たかたかし作詞、岡千秋作曲。歌手三船和子の育ての親という岡が「僕に任せておいて」と言ってくれ作品。それだけに三船も「だんな様」に次ぐ夫婦ものになった、と自信を見せていた。

■念願の東京制作

 番組の制作会社、JTCメディアグループ(岐阜市、熊田克隆CEO・プロデューサー)は今まで「玉ちゃんのいきいき歌謡塾」(テレビ愛知)「BSいきいき歌謡塾」(BS12トゥエルビ)などを東海地区で制作してきた。新番組はそれを発展させ、さらに内容も一新したものである。

村野武範・安倍里葎子3.jpg

 熊田CEOは「念願の東京での制作・発信する全国放送がようやく可能になりました。ご当地歌手を全国区へ持ち上げる企画はほかには見られないだろうし、人気歌手による歌やトークもあって、全国の演歌・歌謡曲ファンに楽しんでもらえるだろう」と話している。


[JTCメディアグループ]
http://8178.jp/







nice!(5) 
共通テーマ:音楽