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みやま健二、東京へ出陣 東京事務所開設に合わせて活動強化

◆音楽事務所WARAKASU(本社・大阪市、春元美紀子代表)が2021年9月1日から東京事務所を開設するが、それに合わせて所属歌手のみやま健二(テイチクエンタテイメント)も東京での本格的な活動に力を入れることになった。

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東京へ進出するみやま健二


東京事務所は東京都八王子市内に構えた。今後、東京および近郊での営業活動を強化していく。当面はテレビ出演や歌好きなファン層の拡大を図るほか、大阪で展開してきた事務所主催のWARAKASUライブも計画している。

みやまは8年前に、活動拠点を出身地でもある京都から大阪に移して、2016年8月には「浜撫子」(徳間ジャパンコミュニケーションズ)でメジャーデビューを果たしている。
20年8月に「太鼓男祭り」でテイチクに移籍。活動の幅を広げ、最近では関東と関西で放送されている音楽番組「新・歌謡曲の匠」にも出演している。

8月27日夜、事務所関係者に見送られて東京へ向けて出発したみやまは、ガッツポーズを見せて「大阪と東京の両軸での活動になりますが、歌手としての存在感をさらに高めるために頑張ってきます」と抱負を話していた。

写真の無断使用はお断りします。

[みやま健二 オフィシャルサイト]
https://warakasu.jimdofree.com/みやま健二/
[みやま健二 テイチクエンタテインメント]
https://www.teichiku.co.jp/teichiku/artist/miyama/








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大阪発流行歌ライブ、9月15日公演予定通り開催へ 緊急事態宣言の延長ない場合 [イベント]

大阪発流行歌ライブを運営する浪花援歌倶楽部実行委員会は、2021年8月26日、開催を9月15日に予定している第278回大阪発流行歌ライブを、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が延長されない場合に限って行うと発表した。

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9月公演の出演するのは永井みゆき(テイチクエンタテインメント)野上こうじ(ホリデージャパン)北沢麻衣(徳間ジャパンコミュニケーションズ)梓夕子(同)と推薦曲コーナーの車恩心(日本クラウン)

なお緊急事態宣言が延長された場合には中止にするとしている。

第288回の10月公演は2021年10月20日の予定で、木下結子(ホリデージャパン)チョンテフ(徳間ジャパンコミュニケーションズ)塩乃華織(日本クラウン)のほか、新たに推薦曲コーナーの中村美優(エイフォース・エンタテイメント)を追加している。

会場はいずれも大阪・心斎橋のBIG CAT。開場午前11時、開演11時30分。


[大阪発流行歌ライブ]
http://hayariutalive.com/index.html








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みやま健二、コロナ下ながらもディナーショーでファンを勇気づけ 大阪・住吉大社 [イベント]

◆「貴重な体験をさせてもらいました」デビュー21年目のみやま健二(テイチクエンタテインメント)は2021年8月22日、大阪・住吉大社の吉祥殿で開いた自身のディナーショーで、師匠でこの日のスペシャルゲスト、美樹克彦と初めて一緒に歌うことができて、感動を隠し切れない様子だった。みやまは、デビュー曲「俺のみち」第2弾の「泪橋」など美樹作品3作品をはじめ最新曲の「太鼓男まつり」まで、オリジナル曲の数々を聴かせた。

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1年半延び延びになったディナーショーを開いたみやま健二


 新型コロナ騒動の影響を受けて1年半も延び延びになっていた今回のディナーショーであったが、所属事務所が今年9月から東京事務所を開設するのに伴い、大阪と東京の両方に軸を置いた活動を展開することになるみやまへのはなむけでもあった。来賓の音楽評論家、石井誠氏も「今、積極的に動いてこそ、風は起きる」と激励。

 これに応えるかのように、みやまはオープニングで、この日の姿を見てもらいたかった、19年前に亡くしている母親を想って「かあさんの歌」をアカペラで歌ってステージに上り、自身の最新曲のカップリング曲「あゝおふくろよ」も聴かせた。
 威勢のいい男を前面に出したいつものみやまとは様子の異なる演出には、会場も少し驚き気味だったが、続いて歌った「太鼓男まつり」ではすっかりと、男・みやまに戻っていた。

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美樹克彦作品を歌うみやま健二

 みやまの歌手デビューは21年前。人生の記念にとレコーディングした「俺のみち」がそれであった。これに続く「泪橋」「ふたりの明日」と、師匠美樹克彦の作品を連続して歌ってきた。
 中でも「俺のみち」は、 ♬ 今にみていろ 春はくる 〜 の歌詞にもあるように、負けん気の強い彼の想いが詰まった1曲でもある。

■オリジナリティを大切に

 「ふたりの明日」は美樹の芸能生活60周年を記念して作られたもの。その美樹は60年代の人気歌手。この日スペシャルゲストとして出演して、ヒット曲「回転禁止の青春さ」「俺の涙は俺がふく」「6番のロック」「赤いヘルメット」から、NHK紅白歌合戦出場曲「花はおそかった」といった懐かしい歌と共に、歌詞にケンちゃんが90数回も登場して美川憲一をリスペクトする「ケンちゃん」などを歌った。

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かつてのヒット曲を披露する美樹克彦

 長い芸能人生活の中で作詞、作曲も手がけるようになった美樹は「嘘ではなく、自分で見て感動したことを書いたり歌うことを心がけるし、職業作家であっても芸術家の端くれでいたい」と作家としての矜持を示した。

 ステージでは自身のギター演奏でみやまと共演。美樹が作詞・作曲して川島一成が歌った「つなぎ酒」を2人で歌うと、みやまの感動ゲージは急上昇。

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みやまと美樹が初のコラボ

 師の教えを大切にするみやまは「祭り歌と言えばみやま健二、みやまと言えば祭りと言われる姿を目指しています」と、ショーのクライマックスでは、自身の祭り歌の第1弾で石川県・能登の各地に伝わるキリコ祭りをモチーフにした「能登の灯祭り」第2弾で最新曲の愛媛県新居浜市の太鼓祭りをテーマにした「太鼓男まつり」を、これぞ男・みやま健二とばかりに威勢よく歌い上げた。

 そのみやまは「コロナ下のこの2年近くは、仕事と言えば事務所主催のイベントが中心です。そのような中にもかかわらず、お越しいただいて感謝します」と挨拶すると共に、今秋からの東京での活動強化に向けての意気込みを示した。

■ 盟友が激励

 ディナーショーではまた、木下結子が代表曲「ノラ」新曲の「泣いてもええやろ」などを歌って、「私は大阪を代表する女の歌い手を目指しますが、みやまさんは今やからこそ東京へ出てもええやろ」と励ました。デビュー30年になる渡辺要は16年目で初めて売れた作品という「大間崎漁歌」で後輩みやまを力づけた。

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木下結子
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渡辺要
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三浦潤

 みやまとは同じ事務所の三浦潤は「自分でディナーショーを開けるようになり、そろそろ新曲も出したい」と、後輩想いのみやまへの感謝を示した。

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東京への意欲を見せたみやま健二

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[みやま健二 オフィシャルサイト]
https://warakasu.jimdofree.com/みやま健二/
[みやま健二 テイチクエンタテインメント]
http://www.teichiku.co.jp/teichiku/artist/miyama/








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三ツ屋亜美、2年目に入ったご挨拶キャンペーン [イベント]

◆メジャーデビュー2年目の三ツ屋亜美(徳間ジャパンコミュニケーションズ)はデビュー曲発売の去年7月以来、毎月、関西でのご挨拶キャンペーンを続けているが、2021年8月21日、奈良県内のカラオケ喫茶店2店舗で新曲をアピールした。

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メジャーデビュー2年目を迎えた三ツ屋亜美

 全国的な新型コロナウィルスの感染拡大の中にあって、奈良県内のカラオケ喫茶店は営業が認められている。この日、キャンペーンを行ったのは奈良・上牧町のカラオケサロンエンジェルと同天理市のカラオケホール銀杏。
 いずれの店でもデビュー曲の「黄昏のカフェ」とカップリング曲「熱海で逢えたら」を披露した。

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カラオケサロン・エンジェルで

 「黄昏のカフェ」は、かつて愛した人との偶然の再会をしたカフェでのほんのわずかなひと時、心は騒ぐものの過ぎた日はもう戻らない。涙を噛みしめて別れる2人を描いた切ない恋のバラードである。作詞は円香乃、作曲は大谷明裕。

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カラオケホール銀杏で歌う三ツ屋

 これを歌う彼女に会場からは「がんばれよ」の声援が飛び、三ツ屋も「新型コロナで歌う機会も少ない時ではありますが、皆さんのお声を胸に歌っていきます」と話していた。

写真の無断使用はお断りします。


[三ツ屋亜美 オフィシャルサイト]
https://www.facebook.com/people/三ツ屋-亜美/100008549222707/
[三ツ屋亜美 徳間ジャパンコミュニケーションズ]
https://www.tkma.co.jp/enka_top/Mitsuya-Ami.html








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「さようなら太閤園コンサート」のDVD発売 WARAKASU [DVD]

◆60数年にわたって多くの人たちに親しまれてきた宴会場の太閤園は2021年7月末で営業を終了したが、それを惜しんで開かれたコンサート「初夏の宴 ー想い出は永遠に・・・ー さようなら太閤園」の模様を収めたDVDが発売されている。

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販売中のDVD「初夏の宴 ー想い出は永遠に・・・ー さようなら太閤園」


 太閤園では様々な歌謡イベントが行われてきたが、6月24日に開催された「初夏の宴 ー想い出は永遠に・・・ー さようなら太閤園」は、それの最後を飾った。
 DVDには、「宗右衛門町ブルース」の平和勝次をはじめ木下結子、渡辺要、入山アキ子、光岡洋、みやま健二、松浦ゆみ、ファン・カヒ、森川大輔、三ツ屋亜美、三浦潤の出演者11人の全歌唱が収められている。

 また、太閤園の名物として最後まで多くの人たちに愛され続けた庭園や、数多くの結婚式が挙げられたチャペルなどの映像も収録されており、太閤園の姿を留める貴重な保存版になりそうである。

 価格は3000円(税別)で、音楽事務所のWARAKASU(大阪市阿倍野区)で販売している。問い合わせは 06-4980-9086 まで。








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木下結子、還暦+1で ・・・いいこと あるって 思わなきゃ [インタビュー]

「ノラ」などで知られる歌手、木下結子は去年、還暦を迎えたのを機に原点回帰を期して、デビュー曲「放されて」のアンサーソングとも言える「泣いてもええやろ」(ホリデージャパン)を出した。ところが年初からの、世界中を巻き込んだ新型コロナ騒動の煽りを受けて、予定していた還暦ライブを取り止めた。しかも思うように新曲をファンに届けることもできないでいることが、自身の心のうちをヤキモキとさせるが、今秋からは同じレコード会社の先輩歌手とのライブや久しぶりの東京ワンマンライブ開催を計画するなど、大好きな歌「ウヰスキー」の歌詞のように、♬ いいこと あるって 思わなきゃ 〜 と、前を見続ける彼女にコロナ下における想いを聞いた。


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バイクにまたがって、嫌なことも一緒にぶっ飛ばすぜーと意気込みを見せる


ー 私たちは今、歴史的に大変な時の中にいます。8月4日に61歳の誕生日を迎えた今、まずは今年前半を振り返っていただきたいのですが。

木下 今年前半は去年以上に何もできませんでした。60歳の誕生日から今日まで、今まで生きてきた中でこんなに短く感じた時はありませんでした。決して充実した時間を過ごした訳でもないのにですよ。果たしてこれでいいのか、なんて思っていますが、焦っても仕方がないですね。
 孤独とか空虚はそれほど感じませんでした。それは人の気持ちを温かく感じていたからかもしれません。会えない時間が長かったのに、SNSを通じて励まされてきました。歌い手として活動できる時間は少なかったのに、お客さんとの間の熱が冷めずにいられるものだと驚きでした。
 これから先、まだ先は見えませんが、不思議な事にあまり寂しいといった感情もないんです。

ー 長年にわたってどこにもに属さないフリーでやってこられて、去年は大阪の音楽事務所と提携をされました。

木下 1人でもがいても何もできない訳で、それは仲間と力を合わせて少しでも楽しい時間を過ごそうと思ったからです。最初は忘れられてしまったらどうしよう、歌えなくなったらどうしよう、と思っていたのに、お陰でそんな事は微塵の感じなくなりました。
 世の中は悲しくて辛い時なのに、こんなに笑っていていいのかな、と思うほどです。笑顔の多い、楽しい時間を過ごせています。

ー コロナ下でレコード会社を移籍されましたね。

木下 レコード会社を移籍して心機一転やり直すぞ、といったのに動けなくなりました。でも、動けるまでじっとしているのではなく、動けなくても何かを企画して、やりましょうと声をかけてもらったことによって、やる気を出させてもらいました。
 またメジャー歌手とプライベート盤歌手が区別なく、みんな歌いたいし、寂しく辛いという気持ちは同じで、それぞれに境目があるとは思えなくなりました。ベテランであっても新人でも、また音響・照明などイベントスタッフさんも、その気持ちは誰もが同じなんですね。コロナがあったればこそ、感じるようになったことかもしれません。またひとつ成長させてもらいました。

ー 還暦の年と、その次の年である+1年はコロナにしてやられた2年近くでしたが、なにか気持ちの変化はありましたか。

木下 コロナは多くのことを気づかせてくれました。例えば今までは車ばかりに乗って、歩くことはあまりしませんでしたが、健康のために歩くことを心がけるようになりました。地下鉄の2駅3駅を歩くことは何とも思わないようになりました。良いこともあったと思わないことには辛すぎますよね。仕事の回数は減り、会えないひとの数も多くなりましたものの、へこんだとか立ち直れないようになったことはなかったですね。

ー コロナ前まで定期開催されていたchu −chu−ライブは休止中ですが、復活させてほしいという声もあります。

木下 できるのであればすぐにでも再開したいですが、これまで会場として使わせてもらっていたカラオケ喫茶店などが営業できない状態にあります。お昼にでもと考えられるのですが、外出を控えているお客さんも多いので、現状では難しいですね。
 そのような中、chu −chu−ライブのパートナーである、ギタリストの井上善日居さんとYouTubeで配信するライブも始めています。インターネットラジオにも出演させてもらっていますが、以前よりもリスナーとのつながりが強くなった、と感じています。

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今秋からビッグライブが相次ぐ

ー 11月には東京ライブも行われるそうですね。

木下 毎年、東京でワンマンライブを開いてきましたが、去年は中止しました。今年は11月27日に開催を目指して準備を進めています。大阪でも9月26日にホリデージャパン主催のライブが淀川区十三のライブハウス、246ライブハウスGABU(ガブ)で行われます。
 40年を超えるキャリアのニックニューサ(田中収)さん、原田ヒロシさんと予定していますが、私が1番若手というベテラン3人によるライブです。すごく楽しみで、勉強の場にもなります。
 この時期、イベントを行うのは確かにリスクもありますが、やらなければ止まってしまいますから、やることの意義は大きいと思います。楽しみがあることは、自分の気が上がります。ええことあるかもしれん、と前を向かないといけませんね。

ー 今年出演された歌謡ショーでもそうですが、このところ「ウヰスキー」というオリジナル曲をよく歌われますね。

木下 新型コロナが流行り出してから、改めて心にズシンとくるようになった1曲です。私自身の中では大切な新曲と、誰もが知ってくれていて聴きたいと言ってくれる「ノラ」の次にくるような存在になっています。
 この歌は男と女を歌っていますが、いいことあるって思わなきゃ〜というフレーズが、今の世の中にあって、自分で歌いながら勇気づけられています。それを聴いてもらえる人たちにも伝わればいいな、と思っています。改めて、いい歌をもらった、と感謝しています。

ー 今年後半からの意気込みを聞かせてください。

木下 9月でデビュー38年目に入る歌手生活の中で、色んなことを乗り越えてきたのに、コロナで(歌手を)辞めますというのもアホらしい、と思います。こんなことで負けたくないです。

写真の無断使用はお断りします。


[木下結子 オフィシャルサイト]
http://nora-yuiko.jugem.jp/
[木下結子 ホリデージャパン]
http://www.holiday-japan.co.jp/artist_kinoshita_yuiko.html








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80歳の歌手シンジー、心の師は東海林太郎 [インタビュー]

◆歌手デビューは72歳の時であった。2013年に初めてのCD「夢列車」をホリデージャパンから出した。60歳で定年退職してから、今までお世話になった人や町、さらには老人施設を訪ねて歌う<ボランティア歌手>から挑戦し始めた歌への道であった。今年80歳になった歌手、シンジーは九州・福岡を中心に活動し、2020年8月には4枚目になる最新シングル「渡る世間に鬼はなし/母に捧げる歌」を日本クラウンから発売している。学生時代から5年余り続いた東海林太郎との交流が、師匠を持たない彼にとって歌のみならず、「優しさ」「正義感」「言行一致」といった、生き方を教えてくれたという。

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80歳で元気に歌う歌手シンジー

 シンジー、本名は麻生進(あそう・すすむ)という。進をシンと読ませ、72歳の爺(じい)ということから、それをもじって付けた。父は福岡出身、母は佐賀出身という生粋の九州っ子であるが、風貌はインド人のようで、あのインド独立の英雄ガンジーの名をもじったのかと想像させるほどである。

 シンジーの歌手への挑戦は69歳の時であった。2009年4月、秋元康主催の50歳以上を対象にした歌手コンテストに、物は試しとばかりに歌唱音源を送った。2500組の応募者の中から最終選考まで残って、審査員の前で「憧れのハワイ航路」を歌い、秋元の歌手認定証をもらった。

 これをきっかけに自ら名付けたボランティア歌手として、九州の老人施設などを巡り、得意な懐メロを聴いてもらっていた。歌うにつれオリジナル曲が欲しくなってきた。
 「1曲でいい。お世話になった人に届ける100枚だけでもプレスしたい」と、その頃、よく足を運んでいたテレビの歌番組の公開収録で親しくなった番組プロデューサーに相談した。それが72歳でのCDデビューにつながる。

 1枚でいいと思ったCDであったが、2016年からは2年おきに新曲を出している。「アリーパラオ・こんにちは!/パラオ恋しや」(2016年9月、日本クラウン)「ケヤキ・明日なろ・旭川/長崎シャンソン」(2018年4月、同)最新曲「渡る世間に鬼はなし/母に捧げる歌」(2020年8月、同)といった具合に、次々とリリースした。

 中でも「ケヤキ・明日なろ・旭川」は、東海林太郎の生誕120周年を記念したものであった。この年、東海林の生誕地である秋田市を訪問。生誕120周年記念イベントで、番外の歌唱出演をしている。
 シンジーと東海林太郎との交流は、彼がまだ福岡教育大学1回生の時まで遡る。当時から懐メロが好きだったことから、福岡市内の九州温泉センターで開かれていた東海林太郎の歌唱イベントに来ていた。1回目の公演が終わり、ロビーでポスターを見ていた彼に「若いのに僕の歌を聴きに来てくれたんですか」と、東海林が話しかけてきたという。

 2回目の公演までの休憩用に用意されていた旅館に誘われて、そこで1時間余りにわたって大学のこと両親のことなど、訊ねられるままにいろんな話を交わした。
 2度目は東海林から、博多・中洲のクラブで歌うので楽屋まで遊びに来ないか、という葉書をもらって、出かけている。やはりたくさんの会話を交わし、おまけにクラブ最前列の席を当てがってくれて、ショーをみせてくれたのである。

 会ったのはこの2回だったが、それから手紙のやり取りが5年余り続いたという。
 このように間近に接した東海林太郎について「正直で、誠意のある人でした。人を差別しない器の大きな人でもありました。思うようにならない人生でも、優しさを失わず、しかも歩みを止めない、そんな印象を持ちました。僕については、今の麻生さんのままでいいと思います」と話したという。

 そんな東海林の姿を自らの人生に生かし、歌手活を続けてきたシンジーは「まだ80歳です。まだまだ頑張ります」と張り切りを見せる。2021年11月12日には福岡市中央区天神のアクロス福岡円形ホールで、コンサート「シンジー絶唱!昭和はやり唄」を開く。
 オリジナル曲のほか「湖畔の宿」「雨に咲く花」「白虎隊」「バタやんのズンドコ節」「悲しき口笛」「シベリア・エレジー」「長崎の鐘」「渡る世間に鬼はなし」などの歌唱を予定している。








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北川紀恵 4枚目シングル「北の桟橋」を発売 [新譜]

◆デビュー9年になる北川紀恵(メロディーレコーズ)が、4枚目のシングル「北の桟橋」(作詞・たきのえいじ、作曲・伊川伝)を2021年4月に発売している。

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北川紀恵


 ♬ ついて行きたい 今すぐに ~ などと、可愛い女心を歌っている。
 北川は「自分の声にピッタリな作品をもらいました」というように、彼女が今まで歌ってきた楽曲の中でも「カラオケで歌ってますよ」といった声も多く聞かれるなど、手応えはいいようだ。

 「北の桟橋」には表題曲のほか、カップリングには「恋して神戸」「上を向いて歩こうやないの」「夫婦ごよみ」の3曲も収録されている。

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音楽番組「プレミアム歌謡ショー」の収録で

 北川は「イントロが印象的です。皆さんに歌ってほしいです」と話している。

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入山アキ子、三重・伊賀市のカラオケ喫茶店でキャンペーン [イベント]

◆防衛省看護師から演歌歌手という異色のキャリアを持つ入山アキ子(テイチク)、着実にファンを拡大しているが、その影には労苦を惜しまない全国でのキャンペーン活動がある。2021年8月5日も三重県伊賀市のカラオケ喫茶店で、自身の強い意気込みを感じさせる最新曲「月に笑う蝶」のキャンペーンを行なっている。

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三重・カラオケYで歌う入山アキ子


 その日は体温を上回る気温を記録する暑い日であった。にもかかわらず入山アキ子は着物姿で、東京から電車を乗り継いで伊賀市にあるカラオケ喫茶店「カラオケY」までやって来た。

 歌ったのは、去年9月に出した「月に笑う蝶」と、初めて関西を舞台にした「紀淡海峡」初のNHKの新BS日本のうた出演時の歌唱曲「女・なみだ酒」日本作詞家協会奨励賞を受賞した「みだれ舞い」自身をダブらせるかのように母と娘の絆を歌った「きずな道」これが売れなければ歌手を辞めろとまで言われたという再デビュー曲「ザンザ岬」と、入山の歴史をたどる選曲で、ファンを堪能させた。

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最新曲「月に笑う蝶」を披露

 彼女は全国を訪ね歩いてきた先々で、熱烈なファンである<親戚>を作っている。その数は13年間で700人にもなるという。この日も客席からは「わたしも<親戚>だよ〜」といった声も飛ぶほどで、入山アキ子を支える人たちの幅広さを感じさせていた。
 歌い出しは喋るように、中盤で盛り上げて、♬ どうせどん底 〜 と続くところは投げやりに、と「月に笑う蝶」の歌唱のワンポイント指導も行い、男女7人が、それぞれ1コーラスを歌った。

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カラオケ歌唱のワンポイント指導
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わたしも親戚よ~の声も

 入山は9月15日に「人生七曲り」(作詞・作曲・編曲、穂口雄右)とカップリング曲で自ら詞を書いた「義理と人情(なさけ)と愛をのせて」を発売する。これは入山が心酔した所属事務所の社長、和久井保さんが急逝した今年3月23日の3日前にすでに出来上がっていたという。
 和久井さんの人脈を生かして作られたこの楽曲は、入山はもちろん聴く人それぞれをも勇気づける内容になっている。

 この日は最後に、これをアピールすると共に「これからがスタートです。新曲を耳にしてもらって、あの暑い夏に来たな、と思って頂けると嬉しいです」と、話した。

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[入山アキ子 オフィシャルサイト]
http://入山アキ子.jp/
[入山アキ子 テイチクエンタテインメント]
http://www.teichiku.co.jp/teichiku/artist/iriyama/








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北川大介・大林幸二・沢田正人、来場者を元気づけた「男まつり」 大阪・京橋 [イベント]

北川大介(日本クラウン)大林幸二(ウエブクウ)沢田正人(ホリデージャパン)の男性歌手3人によるディナーショー「男まつり」が2021年8月8日、大阪・京橋のホテル京阪京橋グランデで開かれた。新型コロナの感染防止を目的とした緊急事態宣言下での開催でもあり、北川は「連日の暑さ、コロナと(大変な夏ではありますが)皆さん一緒に乗り切りましょう」と、呼びかけていた。

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左から沢田正人、大林幸二、北川大介


 3人が一緒に開くディナーショーは初めて。暑さを吹き飛ばさん限りの、持ち前の明るいパフォーマンスを見せた北川大介は、60年代のロカビリー歌謡に初挑戦している新曲「星空のツイスト」では、自分で考えたというツイスト風の振り付けを見せていた。観客も立ち上がって懐かしいツイストを踊る光景も。
 「泣くんじゃないよ」「横濱のブルース」「水芭蕉」「倖せの隠れ場所」「雪割りの花」「アカシアの女(ひと)」などオリジナル曲を歌い、ファンを堪能させていた。

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北川大介

 北川とは作曲・作詞家で歌手の故平尾昌晃の兄弟弟子という大林幸二は、歴史歌謡を得意とし、関西を中心に活動している。幕末の京都を舞台に新時代を夢見て奔走した志士、中岡慎太郎を歌った「中岡慎太郎伝~維新の若虎」を聴かせると共に、得意とする「俵星玄蕃 元禄名槍譜」もカバー。学生時代は落語研究会に所属していただけあって、登場人物の表情の使い分けや所作など、堂に入ったもの。
 恩師の平尾昌晃が作曲した女ごころを歌った切ない女歌の最新曲「風花」も披露した。

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大林幸二

 沢田正人はデビュー曲の「薔薇の涙」をはじめ、最新曲の「傷つくダイヤモンド」など6曲を歌った。スマートフォンなどを使ってリアル配信ができるツイキャスによるライブ配信を毎月行っており、ここではカバー曲も披露している。この日はその中から、西城秀樹の「ブルースカイブルー」を聴かせた。滋賀県米原市出身の彼は上京して、コンピューター関係の仕事をしていたが、9年前に歌手デビュー。「皆さんの声援があって歌えています」と話した。

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沢田正人

 3人はエンディングで「上を向いて歩こう」を歌って「これからも毎年、この<男まつり>を開催していこう」と、誓い合っていた。

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演歌ジャックス、9月放送分を収録 ゲストにムード歌謡の黒木じゅんと名曲に挑戦する島あきのが出演 [テレビ]

◆音楽番組「演歌ジャックス」(奈良テレビ放送、J:COM関西などで放送)の9月放送分の収録が、2021年8月4日、大阪市内で行われ、目玉のゲストコーナーには、9月第1、2週に島あきの(日本クラウン)同3、4週に黒木じゅん(テイチクエンタテインメント)が出演して、新曲を披露すると共に歌の魅力などについても話している。黒木はまた、亡き父で歌手黒木憲のヒット曲「霧にむせぶ夜」も聴かせる。

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黒木じゅん(左)と島あきの


 島あきのは4枚目のシングルとなる「トルコ桔梗」(作詞・木下龍太郎、作曲・原譲二)を7月7日に出している。この楽曲は2003年1月に、北島三郎プロデュースによって出された原譲二オリジナル作品集「流行歌 ~サブちゃんと歌仲間たち~」(日本クラウン)に、大黒裕貴が歌唱して収録されたのが最初で、これを今回、島がカバーした。
 その名曲ぶりには変わりなく、「島のハスキーな声にピッタリな楽曲」と言われる通り、彼女の歌唱への評判は高い。

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島あきの

 この楽曲は女性目線で書かれているのであるが、「男性の共感も得られている」のが幅広い人たちに支持される要因のようである。前作までの3作が海峡ものの演歌であったのに対して、デビュー4作目にして初めて、今作ではこぶしも入れない、しかもバイオリンによるイントロが印象的な歌謡曲に挑戦している。
 「ドラマチックな短編映画を見ているような気持ちにさせられます。この曲を頂いたのが嬉しくて、感動しています」と、収録では勝負曲とするこの楽曲を熱く歌う。


 黒木じゅんは「演歌ジャックス」初出演。1991年に唐木淳の芸名で、ビクターレコードから「やせがまん」でデビューしている。その年の日本レコード大賞最優秀新人賞はじめ新人賞全13タイトルを受賞するなど、父・黒木憲の名に恥じない華々しいデビューを飾っている。その後、彼は父の名前を襲名した黒木憲ジュニア(2008〜2015年)黒木じゅん(2016〜現在)と2度の改名をしている。父のヒット曲「霧にむせぶ夜」は、今に至るまでステージで歌い続け、番組の9月放送でも聞かせてくれる。

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黒木じゅん

 その黒木も2016年にはテイチクレコードに移籍し、今年、デビュー30周年を迎えている。その記念シングルで移籍第3弾になるのが今作の「離れても」である。父・黒木憲の恩師である鈴木淳が作曲し、妻の悠木圭子が詞を書いている。デビュー以来一貫してムード歌謡を歌い続けてきたが、今作もまた「低音で秘めた恋を表現した」という新たなムード歌謡である。MV(ミュージック・ビデオ)では妻の中尾美穂さんと共演し、仲睦まじいところを見せてくれている。

9月の見どころ

 このところレギュラー出演している林田夏美さおりは共に新曲を披露。林田は好評な丹後シリーズ第2弾の「丹後半島」(作詞 / 作曲・床瀬あい)を2021年6月にリリースしている。屏風岩など風光明媚な丹後半島を悲恋の舞台として歌う。この番組ではすでに何度か歌唱しているが、9月も歌う。
 さおりはCDデビュー曲「もう一度・・・」(作詞・Mifa、作曲・Sido)を同8月に発売しており、これを披露する。「自然がいっぱいのふるさと但馬の景色の中に、懐かしい思い出の一コマを歌いました」とさおり。

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林田夏美(左)・さおり

長生(ちょうせい)忠之は、女優で妻の藤川真千子の踊りで石原裕次郎の「泣かせるぜ」を歌う。

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長生(ちょうせい)忠之と藤川真千子(左)

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「ドミニク」を歌うMARI。踊りはジャックスモンスターズ。


【このほかのレギュラー出演者と歌唱曲】

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MARI 「男と女の第2章」「ダンスDEムーチョ」「ドミニク」
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TAIKI 「グッバイ・マイ・ロード」
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岡田由美 「夫婦椿」
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岩井都美子 「真夏の出来事」「ボヘミアン」
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JACKS娘 「どうにもとまらない」など。
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平井一郎 「真知子」
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大川勝義「初恋御堂筋」
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楠本佳生 「わたしのソウル」「一度だけなら」

【司会】
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小池史子(左)とファンキー・コバ、岩井都美子

写真の無断使用はお断りします。


演歌ジャックスの放送日

奈良テレビ放送 毎週水曜日 午後2時放送
J:COM 11Ch 毎週火曜日 午前10時放送(放送エリア:大阪、兵庫、京都、和歌山)
天草ケーブルネットワーク 毎週月曜日午後4時放送、毎週火曜日~金曜日 午後4時再放送
兵庫養父市CATV 毎日午後6時放送、毎日午後5時30分再放送


[メディアジャックス]
http://www.mediajacks.jp/








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女人高野・室生寺へ 第9回歌を歩く [イベント]

◆歌手田川寿美の代表曲「女人高野」は2002年10月に発売されているが、詞は作家の五木寛之が書いている。「第9回歌を歩く」では、この女人高野を取り上げた。歌詞に ♫ 通りゃんせ 通りゃんせ ここは どこの 細道じゃ 〜 とあるように、我々が歩いた、女人高野の別名を持つ室生寺への道は、高い木立で隠れて空も見えない石ころばかりの、歩くのにも難渋する山道であった。

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 歌の舞台となった土地を訪ね歩く「歌を歩く」は、コロナ下の2020年7月に第1回目を始めた。今回は行き先に奈良県にある女人高野・室生寺を選んだ。女人禁制の高野山(和歌山県)に対して、室生寺は昔から女性の参拝を受け入れたことから女人高野の名前が付いたと言われている。

 参加したのは4人。2021年7月31日午前9時に近鉄・大阪なんば駅に集合した。
 近鉄電車で約1時間で室生寺の最寄駅・室生口大野に着いた。駅前には1時間に1本という室生寺行きの奈良交通バスが止まっていたが、室生寺までの約6キロの道のりは歩くのが目的であったから、それはやり過ごすことにした。

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 駅前の集落外れに大野寺があった。鎌倉時代の創建だという。その向かいを流れているのが宇陀川で、近づいてみると川は大きく湾曲しており、その向かいの大きな屏風岩は見事に切り込まれ、その内には高さ11・5メートルという弥勒像が彫られている。室生寺への道は始まったばかりだが、美しい川の流れと流麗な磨崖仏に早くも目を奪われてしまった。

 室生寺を示す標識を頼りに、車道沿いの幅広い歩道を進んで行くと、反対車線の道端に1台の軽トラック止まっており、中から男性が声をかけてきた。車の傍らの山の斜面から冷たい湧き水が出ているというのである。手を洗ってみるが、その通りに暑さを忘れさせるように冷たい。
 「どこへ行くのか」と男性が訊ねるので、室生寺と答えると、びっくりして声を上げていた。わずか6キロの道のりなのに驚くまでもないだろうに、とその時は我々が逆に驚いたほどだった。

 それは室生寺に続く車道沿いの歩道を歩けば、暑さとわずかな登り坂に耐えるだけだったのだが、ちょっとした誘惑に負けて別の道を選んだことから、想像もしなかった体験をすることになった。

 軽トラックの男性と別れてしばらく歩くと、東海自然歩道と書かれた標識が目に入ったのである。室生寺まで4.8キロと書かれている。それは山の中へ入って行く道だったが、車道沿いに進むよりも少し短かったのである。自然歩道とあるが、歩道であるから整備された道であろうと疑いもしなかった。

東海自然歩道・入口.jpg東海自然歩道・入口2.jpg

 その判断が甘かった。確かに自然歩道を歩き始めてしばらくは歩き易かったが、徐々に道の勾配は急になってくる。しかも苔むしった石ころゴロゴロで、石は不安定だから一歩間違えると足を挫いてしまう恐れがあるから、足元に気を付けながら歩かなければいけない。すると自然と時間が多くかかってくる。

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 あとどれだけ歩けばいいのか、この先に室生寺があるのか、歩いても歩いても先が見えない山道には不安が募る。熊も出てくるかもしれない。
 汗は流れ落ちるし、首にかけたタオルは絞れるほど汗がびっしょりで、そんな体めがけて虫が次々と飛んでくる。誰もが無口になっていたし、最初はカメラのシャッターも切っていたが、それすら忘れてしまっていた。

 まるで小説の「八甲田山死の彷徨」のようである。

 この自然歩道は山を越えるルートであったようである。
 樹々の間から見えていた空も段々と見えなくなり、こんな道でもとにかく前に向かって歩かざるを得ない。それでも携帯電話は鳴る。電波状態は悪く、途切れ途切れに話をしていると、山中で非日常な体験をしているにもかかわらず、携帯電話の声は日常の世界に戻してくれるから不思議であった。

東海自然歩道・道標.jpg

 辛抱して歩き続けていると、空が近くになってきて、そのうちに頂上にたどり着いた。あとは降るだけ。気持ちも視界も明るくなってきた。一気に駆け降りると、建物の屋根が見えてきた。人の姿もある。全員安堵感で溢れていた。

室生寺3.jpg室生寺4.jpg

 でも、ここは室生寺ではなく、あとしばらく歩かなければいけなかった。それでも標識に従って進むこと20分近くで、ようやく室生寺に通じる橋の畔に出ることができたのである。
 通常ルートならば12時には到着していたであろうが、大幅にそれを超過して1時もかなり過ぎていた。
 門前の飲食店の男性が室生寺はこちらですよ、と教えてくれるのだが、歌詞に登場する女人高野の鎧坂も鐘の音も頭にはなく、ただエアコンが効いた部屋で座りたかった。

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「宗右衛門町ブルース」でラストを飾った 大阪・あこや楽器が廃業 [イベント]

◆♬ さよならさよなら また来る日まで 〜 このところすっかり大阪のさようならソングとして定着している平和勝次が歌う「宗右衛門町ブルース」で、2021年7月31日、大阪・天満のCDショップ、あこや楽器(野村茂夫社長)が72年の歴史を閉じるラストセレモニーが関西音楽業界の有志によって開かれた。

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ラストセレモニーで
左から野村恵店長・中村美優・平和勝次・野村幸夫さん


 昭和24年、大阪環状線天満駅前の商店街の中で創業したあこや楽器は、ピーク時には支店5店舗を持つなど音楽産業全盛期の一翼を担ってきた。最近では演歌の品揃え1番店をアピールして、大阪市内で唯一残った地域CDショップとして営業をしてきた。

 ところが売れなくなったCDに代表されるように、このところの音楽不況は止まるところを知らない。しかも終わりの見えない新型コロナ不況がCDショップを襲うというダブルショックで、全国的に老舗CDショップの廃業が進んでいる。

 あこや楽器も野村社長の病気入院もあって、御多分に洩れず廃業という決断をせざる得ない状況に追い込まれ、その日を7月31日に定めて商品整理や1部の営業権の譲渡などを進めてきた。


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ラストセレモニーの司会の牛尾淳さん

 有志によって準備が進められてきたラストセレモニーは31日午後6時30分、フリーアナウンサーの牛尾淳さんの司会で始まり、昭和歌謡を歌うなにわ繁盛娘のメンバーの1人として活躍する歌手、中村美優がプレゼンターになって、店長の野村恵さんに花束を贈った。
 中村は「間宮海峡 〜 林蔵の恋 〜」で、今年1月にエイフォース・エンタテインメントからソロデビューしている。大阪・新世界のシアター朝日をホームグラウンドに各地で歌っている。

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中村美優(左)から花束をプレゼントされた野村恵さん

 野村社長と共に長年、店を支えてきた店長の恵さんと夫の幸夫さんに贈る歌として用意されたのが平和勝次の「宗右衛門町ブルース」。大阪を代表するなにわの歌として今でも多くの人に歌い継がれている。
 1972(昭和47)年に平和勝次とダークホースとして歌って「大阪・ミナミでのキャンペーンでは、ひと晩で2000枚のレコードが売れた」(平和)ほど大ヒットした。芸人を辞めようと決意した平和が、その記念にと自身で作詞したが、これが歌手平和勝次を生み出すことになった。

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「宗右衛門町ブルース」を歌う平和勝次

 CDショップあこや楽器は閉じてしまうが、新たなスタートを切るのに相応しい楽曲で、平和は「デビュー当時はあこやさんにも大変お世話になりました」と、「宗右衛門町ブルース」の歌をプレゼントした。

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皆さんのお陰ですと挨拶する野村店長

 店長の野村恵さんは「良いお客様やメーカーさん、歌い手さんなど多くの人のお陰で、72年間営業を続けてこられました。ありがとうございました」と頭を下げると、思わぬたくさん集まったあこやファンから「ありがとう」が連呼されるなど、今までの営業を労る声が飛び交っていた。

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笑顔で最後のシャッターを閉じたあこや楽器

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