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「宗右衛門町ブルース」でラストを飾った 大阪・あこや楽器が廃業 [イベント]

◆♬ さよならさよなら また来る日まで 〜 このところすっかり大阪のさようならソングとして定着している平和勝次が歌う「宗右衛門町ブルース」で、2021年7月31日、大阪・天満のCDショップ、あこや楽器(野村茂夫社長)が72年の歴史を閉じるラストセレモニーが関西音楽業界の有志によって開かれた。

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ラストセレモニーで
左から野村恵店長・中村美優・平和勝次・野村幸夫さん


 昭和24年、大阪環状線天満駅前の商店街の中で創業したあこや楽器は、ピーク時には支店5店舗を持つなど音楽産業全盛期の一翼を担ってきた。最近では演歌の品揃え1番店をアピールして、大阪市内で唯一残った地域CDショップとして営業をしてきた。

 ところが売れなくなったCDに代表されるように、このところの音楽不況は止まるところを知らない。しかも終わりの見えない新型コロナ不況がCDショップを襲うというダブルショックで、全国的に老舗CDショップの廃業が進んでいる。

 あこや楽器も野村社長の病気入院もあって、御多分に洩れず廃業という決断をせざる得ない状況に追い込まれ、その日を7月31日に定めて商品整理や1部の営業権の譲渡などを進めてきた。


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ラストセレモニーの司会の牛尾淳さん

 有志によって準備が進められてきたラストセレモニーは31日午後6時30分、フリーアナウンサーの牛尾淳さんの司会で始まり、昭和歌謡を歌うなにわ繁盛娘のメンバーの1人として活躍する歌手、中村美優がプレゼンターになって、店長の野村恵さんに花束を贈った。
 中村は「間宮海峡 〜 林蔵の恋 〜」で、今年1月にエイフォース・エンタテインメントからソロデビューしている。大阪・新世界のシアター朝日をホームグラウンドに各地で歌っている。

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中村美優(左)から花束をプレゼントされた野村恵さん

 野村社長と共に長年、店を支えてきた店長の恵さんと夫の幸夫さんに贈る歌として用意されたのが平和勝次の「宗右衛門町ブルース」。大阪を代表するなにわの歌として今でも多くの人に歌い継がれている。
 1972(昭和47)年に平和勝次とダークホースとして歌って「大阪・ミナミでのキャンペーンでは、ひと晩で2000枚のレコードが売れた」(平和)ほど大ヒットした。芸人を辞めようと決意した平和が、その記念にと自身で作詞したが、これが歌手平和勝次を生み出すことになった。

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「宗右衛門町ブルース」を歌う平和勝次

 CDショップあこや楽器は閉じてしまうが、新たなスタートを切るのに相応しい楽曲で、平和は「デビュー当時はあこやさんにも大変お世話になりました」と、「宗右衛門町ブルース」の歌をプレゼントした。

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皆さんのお陰ですと挨拶する野村店長

 店長の野村恵さんは「良いお客様やメーカーさん、歌い手さんなど多くの人のお陰で、72年間営業を続けてこられました。ありがとうございました」と頭を下げると、思わぬたくさん集まったあこやファンから「ありがとう」が連呼されるなど、今までの営業を労る声が飛び交っていた。

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笑顔で最後のシャッターを閉じたあこや楽器

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