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入山アキ子、みたび大きく変身させた「人生七曲り」 夢に向けてジャンプ [インタビュー]

◆デビュー曲の「ザンザ岬」(テイチク、2008年10月)を歌っている姿をYouTubeで見たのが、歌手入山アキ子との最初の出会いであった。埼玉・東京と山口を忙しく行き来していた。パソコンの画面から伝わってくる、その真剣さと誠実さに惹かれた。生で歌を聴いてみたかった。ところが不思議と関西で歌う機会はなく、そこで「大阪で歌いませんか」とメールを送ってみた。快く応じてくれた。その後、名マネージャーとして名を馳せた故・和久井保との出会いが入山を大きく変える。彼がプロデュースして遺作となった2021年9月発売の「人生七曲り」は、彼女をみたび大きく変身させることになった。

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小さな幸せを積み重ねる入山アキ子


 「ザンザ岬」に次ぐ「雨のよりそい花」を2012年10月に出して以降、入山アキ子は毎年新曲をリリースする。活動エリアも徐々に全国へと広げて行った。彼女の歌を聴き、言葉を交わし、人となりを知ると誰もがファンになる、といっても過言ではないようである。だから入山が「親戚」と呼ぶファンも、少しづつ増えた。
 ファンとのコミュニケーションを保つために、毎晩、寝る間を惜しんで、その日の出来事を動画で報告する「入山アキ子のつれづれ日記」を配信して、優しさあふれる声で全国のファンを癒やし続ける。

入山アキ子 ・人生七曲り.jpg そんな入山の健康を心配するファンも少なくはないが、「待っている人がいるから」と、決して日記の配信を欠かしたことはない。決めたことはやり抜く、目標を成し遂げるまでは、といった彼女の意志は強い。
 1人で走っている彼女のそんな姿を見て、声をかけたのが和久井保であった。彼が経営する事務所で一緒にやらないか、というものであった。前川清、森進一、小林幸子など錚々たる歌手を、マネージャーとして育ててきた実績があり、入山にとっては願ってもない話であった。

 和久井はそれまでごく普通の演歌歌手だった入山をまず<悪女>にした。「悪女の季節」「みだれ舞い」「女の恋ざんげ」悪女シリーズを3作続けて、イメージをガラリと変えた。次の「月に笑う蝶」では、どん底から舞い上がる蝶を入山と重ねるかのように歌い上げて、これまた新たな入山像を作り上げて、話題を投げかけた。和久井の真骨頂を見る思いであった。

 それらから一転して、新曲「人生七曲り」では、これまで入山が生きてきた道のりを歌で綴るかのように、それをそっとささやき歌う。自分の人生は常に歌に助けられてきたという入山は「毎日毎日の小さな幸せを拾いながら、今の幸せをかみしめて歌って今日まできました。歌を聴いてもらった人たちの心に寄り添えるといいなぁ、と思っています」と、新曲への想いを語っている。

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夢を目指して歌い続ける

 「ザンザ岬」を出して13年、ファンに見せる笑顔とは裏腹に言葉には出来ない、泣きたいくらい辛い体験も重ねてきた。トイレで衣装に着替えなければいけないこともあった。それでも支えてくれるファンがいる。自ら目指すところがあるーと、それを頼りに頑張り続けてきた。それだけに、おいそれと挫けるわけにはいかない。
 そんな思いがいっぱい詰まったのが、♬ のぼりくだりがきついけど 〜 と歌う新曲「人生七曲り」なのである。

 入山の所属事務所社長でマネージャーであった和久井保は、今年3月に84歳で亡くなっている。彼女にとっては大きな支えが無くなった訳ではあるが、「後を頼んだぞ」と、和久井に託された人物がアイドルグループのキャンディーズを見出し育て、彼女たちの代表曲「春一番」などを作詞、作編曲をした穂口雄右と、同じくキャンディーズの音楽プロデューサーであった松崎澄夫の2人であった。
 「人生七曲り」の作詞・作編曲を手がけたのも穂口である。和久井は今も入山のプロデュースをしているかのようだ。

 入山は「この歌の歌詞の通りに1つひとつ進めていけば、誰かの心に歌は残り、夢は実現できる」と、信じてきょうも歌い続ける。

写真・記事の無断使用はお断りします。


[入山アキ子 オフィシャルサイト]
https://www.teichiku.co.jp/teichiku/artist/iriyama/
[入山アキ子 テイチクエンタテインメント]
http://入山アキ子.jp/








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