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寅さんも歩いた赤とんぼの里、龍野を訪ねた 「第21回歌を歩く」 [イベント]

◆忠臣蔵で脇坂淡路守と言えば、江戸城松の廊下での浅野内匠頭による刃傷事件で赤穂藩が取り潰しに遭い、その結果赤穂城は幕府に引き渡すことになったが、その受け渡しに出向いたのが隣藩の龍野城主、脇坂淡路守であった。赤穂の浅野家と龍野の脇坂家は親しく付き合いをしていたのであろえ。その城引き渡しのシーンは忠臣蔵には欠かせない名場面である。それから321年が経った今、そんな大騒動に関わることになった脇坂家の居城であった白壁の龍野城は、今、赤とんぼが飛ぶ静かなたたずまいを見せていた。そんな龍野の町を「歌を歩く」で歩いた。

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龍野橋 前方に見えるのが鶏籠山


 2022年10月1日、「第21回歌を歩く」に参加したメンバー8人は、赤とんぼの里で知られる兵庫県たつの市を訪ねた。
 今回ナビゲーターを受けてくれた、同市在住の歌手の長山悦子さんは、事前準備のため市役所の商工観光課や昼食を摂ったそうめん専門店霞亭の予約など、あれこれと走り回ってくれて感謝に耐えない。

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ヒガシマル第2工場
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資料館3

 歌の舞台を歩くのがこの会の趣旨であるが、今回のテーマ曲は童謡「赤とんぼ」を取り上げた。これを作詞した三木露風の生家や歌碑をはじめ、三木に関する数多くの資料も霞城館・矢野勘治記念館には展示してあった。
 ここの入場料は一般は200円であったが、65歳以上は100円と半額である。珍しく自分の歳を自覚した。

 JR大阪駅の中央改札口に集合した大阪組の5人は、午前9時15分発の新快速で姫路へ。10分遅れで到着し、JR姫新線に乗り換えるために3、4番線ホームへ向かう。ここで1人が合流、20分ほどで今回の起点となる本竜野駅に着いた。
 ナビゲーターの長山さんが出迎えてくれて、記念写真を撮って、いざスタート。

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龍野1
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龍野2
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龍野4 
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姫路信用金庫


 龍野の町は鶏籠山麓の龍野城から南側に、美しい町並みが整えられている。映画「男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け」(昭和51年7月)で、寅さんが歩いた揖保川に架かる龍野橋は、車の往来が絶えない。
 「ここから見る夕陽は格別」と長山さんは教えてくれた。

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龍野城1
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龍野城2
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龍野城3
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龍野城4

 寅さんがどんちゃん騒ぎをした梅玉旅館、映画のラストで寅さんが「東京はどっちだ」と手を合わせたヒガシマル第2工場あたりなど、映画のシーンがひとつひとつ再現された。

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資料館1.
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資料館2

 龍野を代表する産業のひとつが醤油である。ヒガシマル醤油はそのトップ企業。関連施設が市内のあちこちに建っている。
 そのひとつ赤レンガ風建築のうすくち龍野醤油資料館では、江戸時代からの醤油醸造用具や資料などが展示してあった。
 その醤油を使って出汁を取っているのだろう、地元の名産・播州手延そうめん「揖保乃糸」を食べさせるそうめん専門店、霞亭では、名物の霞亭にゅうめんを味わった。

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あかとんぼこうばん
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赤とんぼマンホール
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龍野3
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霞亭
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霞亭にゅうめん

 書店伏見屋商店はたつの市内で最も古い書店だという。店内に入るとかつてどこの町にもあった本屋さんであるが、こうした地方の書店に行くと必ず探すのが、地方本コーナー。
 ここで目に飛び込んできたのが「龍野藩主 脇坂氏 近江国脇坂、淡路洲本、信州飯田、播州龍野の三百年」(西播磨文化講座委員会・編)という本であった。2018年の西播磨文化講座「龍野城主 脇坂家譜を読む」の講義録をまとめたものである。

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書店伏見屋商店

 鶏籠山南西麓にある龍野公園には、質素な庭園の中に桃山時代の書院造を模した風雅な数寄屋風の聚遠亭楽庵があった。
 この楽庵の間取りは8畳、6畳の広間と4畳の鞘の間を持つ本格的な広間の茶室だという。
 庭園の池に浮いたように建っているのは龍野藩主脇坂安宅公が孝明天皇から賜った茶室で、心字池上に浮堂として移築したもの。

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聚遠亭
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聚遠亭3
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聚遠亭4

 同じ公園内には日本書紀に登場する力士、野見宿禰が祀ってある野見宿禰神社と、祭神は龍野藩脇坂家初代の脇坂安治という龍野神社も見て回った。

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赤とんぼ歌碑
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三木露風生家

 播磨の小京都と呼ばれるのに相応しい落ち着いた町は、歩き疲れた足の痛みもわすれさせてくれるようであった。 最後は大正ロマン館横のカフェで休憩。暑くて少し疲れたが、今回も無事に終えることができた。

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長山悦子

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