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津吹みゆの「おんなの嵯峨野路」の舞台を歩いた「第24回歌を歩く」 今秋には「横笛物語」ゆかりの嵯峨野・滝口寺へ [イベント]

「歌を歩く」は歌の舞台になった土地を訪ね歩くウォーキング会である。歌といっても多種多様であるが、主に演歌・歌謡曲を対象にするが、時には童謡や音頭もある。しかも手軽に行ける京阪神を選んでいる。要は金なし暇ありの記者が企画したイベントなのである。今年の7月で始めて4年目になる。24回目となった1月21日に開催したそれは、京都の嵯峨野を歩いた。

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写真・男も歩いたおんなの嵯峨野路


 山道もなく、平坦な観光ルートを歩くのであるから、楽々コースと思ってスタートしてみたが、終わってみると自宅を出てからの総距離数は16.5キロであったし、歩数は2万歩を超えていた。
やはり足は少し痛かった。

 参加したメンバーは総勢10人であった。初参加の人もいた。3年前に4人で京都・きぬかけの路を歩いたのが始まりの「歌を歩く」であるが、過去最高の人数であった。

 嵯峨野は多くの歌手が歌ってきた土地でもある。今回は2022年10月26日に日本クラウンの津吹みゆさんが発売した「おんなの嵯峨野路」を採り上げた。激しい女の情念を歌っており、前作から続く少し大人になった彼女を魅せる作品でもある。
 ちなみにこの発売日は記者の誕生日でもあった。

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写真・竹林

 スタートは嵐山であった。この日の嵐山はまるで大阪の心斎橋を思わせるような人混みであった。外国人とりわけアジアの人たちの顔がやたらと目についた。
 そんな混雑した町並みを外れたあたりに茶店が2軒並んでいた。1軒はソフトクリームなどを売っていた。もう1軒はたまごかけご飯や赤にぬき、おでんなどのメニューに混じって熱燗、甘酒のメニューもある。

 スタートしてすぐにそば屋で昼ごはんを食べて間もなかったが、このもう1軒の店で休憩する事にして甘酒を頼んだ。
 ここの亭主が「スマホで見るよりも、この方が分かりやすいでしょ」と、嵯峨野散策用の1枚の紙の地図をくれた。画面をスクロールする必要もなく、俯瞰出来て見やすい。デジタルもいいけれど、紙も捨てがたい。

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写真・歴史が詰まった嵯峨野路

◆嵐山のそば屋

 24回目の「歌を歩く」は、2020年7月の第1回目に次いで、同じ京都・嵐山がスタート地点になった。
 1回目は水城なつみさはさん(キングレコード)の「きぬかけの路」に登場する、金閣寺 から 龍安寺を経て仁和寺に至るきぬかけの路を歩いた。
 実際には我々は仁和寺から龍安寺、金閣寺と逆ルートをたどったのであるが。

 今回、嵯峨野を選んだのには2つの理由があった。
 1つは津吹みゆさんの新曲「おんなの嵯峨野路」をテーマに選んだ事である。もうひとつは、初回時に昼食を摂ったそば屋さんにもう1度行ってみよう、といった意見があったからである。

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写真・今回昼食で食べた蕎麦定食

 3年前に嵐山で昼食に入ったそば屋さんでは、記者を除く3人がいずれも「まずい」と言って、食べ残したのである。よく見ると周りの客もほとんどが残している。

 その後、事あるごとにそれが話題になった。その時に参加しなかったメンバーから今回、「それを1度食べてみたい」といった声が出てきたのである。これが嵐山をスタート地点に選んだ理由でもあった。

 実は初回時に、メンバーの1人がそば屋ではなく、湯豆腐の店に行くことを望んだのであるが、値段が高いことから採用されなかった。

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写真・嵯峨野の地蔵

 3年ぶりの嵐山はコロナへの意識が緩和されたのか、国内外からたくさんの観光客であふれていた。
 嵐山に着いたのが昼も近かった事もあって、店が混む前に食事にすることにした。お目当てのそば屋さんを探したが、大体の場所は覚えていたものの、どれがその店なのか分からなかった。

 迷った挙句に1軒の食堂に入った。店内の雰囲気はどうも、目当ての店とは違うようである。記者は山菜そばとおにぎりセットを頼んだ。そう言えば3年前も山菜そばを食べような気がした。

 味は全く違った。その時にいたメンバーも味は遥かに良い、と汁まで飲み干していたが、目当ての店は隣だったということが後で分かった。

 体験したかった人たちは、ちょっと落胆気味だったようであるが「次回を楽しみにする」と嵯峨野路散策へと足を向けたのであった。

◆嵯峨野はまるで映画村

 京都・嵯峨野は第2の映画村とも言われている。それだけ京都で作られる時代劇の多くは、嵯峨野を撮影場所にしている。
 とりわけ大覚寺=写真、その隣の大沢池は時代劇ファンならば、誰もが知る時代劇の聖地なのである。ここもあそこもあのシーンに登場した所だーと感じる事が出来るはずである。嵯峨野はまさに、そんな時代劇撮影の宝庫のような土地なのである。

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写真・化野念仏寺

 甘酒や熱燗で休憩した後、落柿舎を見学して二尊院、祇王寺、化野念仏寺を回り、歩いてたどり着いた最終地は大覚寺であった。参道の両脇には広い敷地に建つ大きな住宅が並んでいた。

 ここに到着した頃、メンバーの多くは足はかなりの疲れを感じていた。まず見学しょうと思った、大覚寺の隣にある大沢池に水がない。
 水抜きされた池をお金を出して見学するのもバカげているし、それは断念した。

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写真・大覚寺

 何も記者の影響ではないが、「歌を歩く」は毎回、行く先々で観覧料などをケチっている。
 かつて法隆寺では拝観料が千円を超えると聞いて、即座に無料の場所だけを見て回ることにしたほどである。
 大阪・堺市にある仁徳天皇陵を訪ねた際には、出会った観光客に「あっちの施設は無料ですよ」と、わざわざ教えてもらったほど徹底している。

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写真・松尾芭蕉の弟子・向井去来の草庵であった落柿舎

 大沢池の北西隅に放生池という池がある。その2つの池を隔てる堤もまた、時代劇にしばしば登場する聖地である。
 そこへ行けなかったのは残念であったが、今秋にはリベンジしてみたい。さらには依然と〈まずい〉を食べてみたい、と言い続ける人もいる。

◆今秋の嵯峨野路第2弾は滝口寺へ。

 蛇足ながら、今秋の嵯峨野路Part2では、市川由紀乃さん(キングレコード)がアルバムに収録している「横笛物語」に出てくる滝口寺を訪ねる。
 この物語は建礼門院(平重盛の妹)に仕えていた横笛が舞を披露する姿を目にした重盛の部下である斎藤時頼が、その美しさと舞の見事さに一目惚れしてしまうことから始まる。
 しかし身分の違いから父親に反対された時頼は未練を断ち切るために、滝口入道と名乗って仏門に入る。
 横笛は時頼に会うこともままならず、ついには病に倒れて死んでしまう、という悲しい物語でもある。

 そしてもう1曲。浅田あつこさんがデビュー10周年記念曲として18年前に出した「紅い川」も嵯峨野を歌った作品である。歌では紅葉した木の葉が川を埋め尽くす美しい情景を感じさせる。
 そうした嵯峨野を体験するために今秋、再び出かける。








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