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石原詢子、「風花岬」 風花に重ねた切ない恋情 いとう富士子第2弾作品 [インタビュー]

◆風花(かざはな)という文字がめにとまったんですーー。それを直ぐにスマートフォンにメモした。歌手石原詢子はこのところ作家としての日常が増えてきた。2024年7月10日に発売された石原のニューシングル「風花岬」も、前作の「五島椿」に続いて彼女がいとう冨士子のペンネームで作詞・作曲をした作品である。切なく散った恋を書いたが、哀しみの中にも温もりが感じられる作品だという。「歌うことと違って、作家って大変で、決して楽しいものではありませんね」と笑ってみせるのだが。

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写真・石原詢子


 風花とは、晴れた日に雪が風に舞うようにチラチラと降ることをいう。スマートフォンで検索中にふと目に留まった言葉であった。すぐにメモを残した。作詞をするようになっての習性である。
 自分自身で詞を書き曲を書くことで「より自分を見つめ直すことが出来る」と、曲作りを始めた。

 曲作りは移動中の車中や休みの日を利用している。今回は年初に依頼があって、ほぼ1ヶ月で5作品を書き上げた。
 「期限を切られると集中して書くことが出来ます」

 今作の「風花岬」は、偶然に出合った風花といった言葉から青い海と青い空、そして儚い想いといったキーワードへと発展していく。
 「掴もうと思ってもつかめない。愛しても愛されない。消えてしまう男性の気持ち。それらを風花に重ねた」

 しかも「風」「雪」「花」といった風花を構成する3つのワードを歌詞の中で繰り返し使うことにした。それによって、「歌のテーマが一段と伝わりやすくなる」と考えたからである。
 1番では ♬ 風に風に...風にひらり 〜 と、同じように2番では 「雪」3番では「花」を、いずれも冒頭から繰り返している。主人公である女性の感情を強調するためである。

 確かにこれによって、儚く散ってしまった男性への一途な恋心、さらには哀しさ切ない想いが聴くものの心へと食い込んで行く。

 もちろん風花岬は架空の土地である。「舞台は街中ではなく、海を連想させる場所にしたかった。しかも海峡ではなく、寂しさと舞い降りる雪が似合う岬を選びました」

 同じ海でも前作のいとう冨士子デビュー曲「五島椿」は幸せ演歌である。長崎県の離島、青い海に囲まれた五島を舞台に歌ったもので、珍しくリリース以来1年2ヶ月も歌っているという。
 「島へは5回も行きました。今年11月にも行く予定にしています。何度行っても、のんびりと過ごせて落ち着くところです」

 石原は今までは「五島椿」のような幸せ演歌を多く歌ってきた。ところが今作は切ない作品。「そんな中でも『風花岬』は清らかな愛を歌った演歌になっています。アレンジもイメージ通りで、どこか温もりを感じられます」と話している。





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