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市川由紀乃(キングレコード)   好調、新歌舞伎座初座長公演「人生いろいろ 島倉千代子物語」  3日目には五木ひろしがサプライズ 「由紀乃ちゃんをよろしく」 [舞台公演]

◆新歌舞伎座の舞台に座長として立つことを夢に見続けてきた市川由紀乃が、ついに実現させた初座長公演「人生いろいろ 島倉千代子物語」。その3日目の2019年7月7日、2部の歌謡ショーラストで五木ひろしがサプライズで登場。市川たち出演者と一緒に「いつでも夢を」歌った。島倉千代子になり切った市川の歌・演技に五木は「素晴らしい芝居でした。立派な姿を見て胸が熱くなりました」と絶賛し、市川を激励した。

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サプライズ出演した五木ひろしから花束をプレゼントされた涙ぐむ市川由紀乃
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公演に先駆けて口上を述べる市川由紀乃

 1部2部共に市川由紀乃は、島倉千代子が着ていた着物を着用して、まさに島倉そのものの姿で芝居と歌唱を楽しませてくれている。
 病を押して最後のシングルとなった「からたちの小径」を、病室でレコーディングするところから芝居は始まる。
 「この歌が出る頃、もうわたしはいないのね」
 市川は、あたかも島倉が乗り移ったかのようにか細い声でそれを歌い、喜びと悲しみの人生に幕を引こうとしている瞬間を演じる。

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病室でのレコーディング

 この3ヶ月後の2013年11月8日、島倉は旅立ってしまう。彼女を良く知る業界関係者ならずとも、目頭を抑えてしまうのは当然であろう。応援に駆け付けた五木ひろしが市川の演技を見て「何ヶ所かで泣きそうになりました」と言ったのも頷ける。

 島倉はファンが投げた紙テープが目に当たって失明寸前になったり、借金の保証人になって4億円の返済を迫られる。さらにはがんとの闘いなど、その人生は筆舌に尽くしがたいものであった。苦しみの一方で、大好きな歌を歌うことが出来たのが彼女を救った。
 闘病中に入院患者の前で島倉が、かつて守屋浩とデュエットした「星空に両手を」を、パジャマ姿で病院長と歌って聴かせるシーンも感動を誘う。

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日本コロムビアのコンテストを受けたが「美空ひばりは2人いらない」と不合格に
珍しい市川のセーラー服姿

 船村徹をはじめ偉大な音楽家との出会いが、昭和の大歌手・島倉千代子を作ったが、大ヒット曲「人生いろいろ」を作曲した浜口庫之助もその1人だった。
 島倉の人生そのものを描き、人生再出発への応援歌でもあったこの楽曲は、彼女を元気付ける。
 芝居のラストは2013年の「コロムビア大行進」のステージである。この日は奇しくも島倉の75歳の誕生日でもあった。島倉が死力を尽くして歌ったのは美空ひばりの「越後獅子の唄」と、その「人生いろいろ」であった。その姿を市川はまるで本人かのように再現して見せる。

 14歳から75歳までの島倉の人生を演じる市川だが、ステージの彼女は何故か島倉千代子そのものを見ているかのような錯覚に陥るのである。小首をかしげて歌う姿、その声までもがひとつになっていくる。

■オリジナル曲から和・ポップス歌謡までのオンステージ

 2部は市川由紀乃の歌謡オンステージ。
 4年半、歌手活動の休止期間を経て、師匠・市川昭介の後押しもあって復帰した第1弾の「海峡出船」から新曲の「雪恋華」そのカップリング曲でサプライズ出演した五木ひろしが作曲した「逢いたいなぁ」まで、オリジナル曲を聴かせるのは言うまでもないが、和の世界・ポップス歌謡の世界も披露する。

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 和の世界では島倉が姉さんと呼んだ美空ひばりの「車屋さん」をはじめ、五木の「細雪」石川さゆりの「風の盆恋唄」などを、ポップスは市川がデビュー前に良く歌った山口百恵の「プレイバック PART2」高田みづえの「私はピアノ」などと、懐かしい楽曲が目白押し。

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 ゲストには美川憲一公認のものまねタレント、美川健二が「柳ヶ瀬ブルース」などを歌唱して見せるほか、芝居にも出演した元フォーリーブスのおりも政夫、福岡出身で演歌歌手を目指す14歳の梅谷心愛(こころ)も歌を披露する。

 エンディングで「いつでも夢を」で出演者全員で歌う中に突然現れ、観客を驚かせた五木は、市川に「夢は見るもの叶えるもの。その夢が実現したことを、親のように喜んでいます」と話し、客席に向かって「これからも由紀乃ちゃんをよろしく」と呼びかけていた。

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五木ひろしが市川を激励

 五木から花束をプレゼントされた市川は「五木先輩には公演に先駆けて、冒頭の口上をはじめたくさんのことを教えてもらいました。ファンの皆さんには、また市川由紀乃に会いたいな、と思ってもらえるようにこれからも頑張って歌っていきます」と、念願の夢を叶えた喜びをかみしめていた。


[市川由紀乃 オフィシャルサイト]
http://ichikawayukino.com/
[市川由紀乃 キングレコード]
https://www.kingrecords.co.jp/cs/artist/artist.aspx?artist=13522
[新歌舞伎座 市川由紀乃特別公演]
https://www.shinkabukiza.co.jp/perf_info/20190705.html








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市川由紀乃(キングレコード)   新歌舞伎座初座長公演を明日に控えて舞台稽古を披露   楽屋で見守る島倉の写真 [舞台公演]

◆明日、大阪・新歌舞伎座での初座長公演「人生いろいろ 〜 島倉千代子物語 〜」の初日を迎えるキングレコードの歌手、市川由紀乃が2019年7月3日、同劇場での初稽古を公開した。芝居は離婚、莫大な借金返済、ガンといった数々の苦難を乗り越えた島倉千代子の波乱万丈な人生と、一旦は歌手を諦めかけたことや成功を願い続けていた兄の死などを経験した市川自身とも重なる部分もある作品である。稽古前のインタビューで市川は「島倉さんと一心同体になったよう」と心を躍らせていた。

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島倉千代子と一心同体になって歌い、演じる市川由紀乃

 島倉千代子7回忌追善と銘打った今回の公演は、美空ひばりと共に昭和を代表する歌手、島倉千代子が歌手デビューする前の14歳から亡くなる75歳まで描いている。尊敬してやまないという島倉千代子を市川由紀乃が演じる。
 セーラー服姿で日本コロムビアの全国歌謡コンクール地区予選で「コロムビアに2人の美空ひばりはいらない」と言われて不合格になるシーンで、島倉に扮した市川は審査員に食い下がってその理由を訊ね、作曲家船村徹との出会いでは土下座をしてまで曲を書いてくれと懇願する。

 人生のラストソングとなった「からたちの小径」を病室で歌う芝居のオープニングをはじめ、島倉が病を押して弱々しく歌う声を市川は、島倉が乗り移ったかのように演じてみせる。市川自身の歌手への執念を見るようでもある。

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日本コロムビアの歌唱コンクールではセーラー服で歌う

 公演で市川は着物からウエディングドレス、セーラー服まで13着ほどを披露する。衣装係を「今までにない」と驚かせるほどである。そのうち芝居では島倉の着物を3着、歌謡ショーでは1着を実際に身に付けて「島倉さんと一心同体になって、ちょっとぜいたくな気分」(市川)で登場する。
 舞台稽古前の囲み取材では、芝居のラストを飾る2013年3月に東京・五反田で開かれた「コロムビア大行進」のステージで「人生いろいろ」を歌うシーンで着る小紋の振り袖姿で現れた。「可憐で可愛らしくて、島倉さんらしく感じています」と市川。

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ラストシーンは「コロムビア大行進 2013 」で歌う

 劇中、市川は「人生の苦しみから私を救ってくれたには歌でした」と、島倉の言葉を<代弁>する。
 「島倉さんは壮絶な生き方をされましたが、顔にはそれを出さずに素敵な歌を届けてくれました。稽古を重ねるうちに、自分の感情が入っていくのが分かりました」

 2日に大阪入りした市川は、劇場外に立てられた自分の名前が書かれた幟の写真を撮ったり、千秋楽まで14日間生活をする楽屋に、島倉千代子の遺影や母と亡くなった兄と撮った写真を置き、公演の成功を守ってほしいと願った。

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美空ひばりの写真が置かれた島倉千代子の楽屋で

 劇中の島倉の楽屋に美空びりの写真が飾られている。「ひばりさんがいたから歌手になれた」と島倉が美空を尊敬したのと同じように、市川は島倉を見上げる。昭和歌謡の女王、美空ひばり、島倉千代子の歌は、令和になって市川へとつながっているかのようでもあり、「人生いろいろ」「からたちの小径」や「愛のさざなみ」「りんどう峠」「逢いたいなァあの人に」など島倉のヒット曲の数々も聴かせてくれる。

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どんなに苦しくても笑顔を絶やさなかった

 市川は座長としては初めてとなる今回の公演を控えて、3日のインタビューでは「実際に舞台に立つといろんなアクシデントもあるでしょうが、常に台本を肌身離さず持って、2週間の公演に臨みたい」と、気持ちを奮い立たせていた。


[市川由紀乃 オフィシャルサイト]
https://ichikawayukino.com/
[市川由紀乃 キングレコード]
https://www.kingrecords.co.jp/cs/artist/artist.aspx?artist=13522
[新歌舞伎座 市川由紀乃特別公演]
https://www.shinkabukiza.co.jp/perf_info/20190705.html








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北島三郎オンステージ 2019、北島ファミリーの原田悠里、大江裕とともに北島演歌を聴かせる  大阪・新歌舞伎座 [舞台公演]

◆日本クラウンの歌手、北島三郎が1年3ヶ月ぶりの大阪・新歌舞伎座の開場60周年記念の「北島三郎オンステージ 2019」で、元気な姿を見せている。女シリーズや一文字シリーズなどの代表曲や「風雪ながれ旅」などを聴かせ、ゲストの北島ファミリーの原田悠里(キングレコード)大江裕(日本クラウン)とは「北の漁場」なども歌って、ファンを喜ばせている。公演はきょう(2019年6月2日)まで大阪・上六の新歌舞伎座で開かれている。

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 北島三郎は原田、大江と3人で「路遥か」を歌ってオープニング。足の具合が悪く悪いという北島は、約2時間のステージを特別にしつらえたスタンドの手すりを持っての歌唱ながらも、ファンからの <サブちゃ〜ん>の大きな声援を受けて「3人で、楽しく盛り上がる歌を」と、デビュー25周年記念曲「北の漁場」も歌う。

 デビューは1962(昭和36)年で、「なみだ船」など初期作品から今までに歌ってきた楽曲は700曲以上になる。その中には約50本の映画にも出演もした任侠物もあり、誰もが知る「兄弟仁義」を歌う。13作あるという女(ひと)シリーズからは「函館の女」を、カラオケで人気の「竹」など一文字シリーズも聴かせる。

 デビュー37年目の原田悠里はデビュー4年目に出した「木曽路の女」が大ヒット。その火を付けたのが関西ということもあって、大阪への思い入れは人一倍である。それを歌うとともに、新曲で53枚目のシングル「萩しぐれ」も披露している。三拍子のリズム旅情演歌で、歌の舞台の山口・萩市を舞台に「皆さんにパワーを送りたい」と話す。

 大阪・岸和田市出身の大江裕は、デビュー曲の「のろま大将」から同じ北島ファミリーの北山たけしとのユニット、北島兄弟で歌う「ブラザー」と第2弾の「兄弟連歌」も歌う。北島三郎に憧れて歌手デビューを果たし、今年11年目になる。ステージでは北島を気遣う場面も見られ、北島からは「(歌が)段々良くなっているよ」と指摘されていた。


 今年10月4日に83歳になる北島は「いっぺんの人生なので、前に行くしかない。明日はいいことあるかな。大阪へは来たい」と話し、原田、大江と3人で「まつり」を歌ってエンディング。


[北島三郎 オフィシャルサイト]
http://www.kitajima-music.co.jp/sabu/
[北島三郎 日本クラウン]
http://www.crownrecord.co.jp/artist/kitajima/whats.html
[新歌舞伎座 北島三郎オンステージ2019]
https://www.shinkabukiza.co.jp/perf_info/s20190529.html








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氷川きよし(日本コロムビア) くいだおれ太郎スタイルで大阪のファンサービス  笑いと涙の芝居とコンサートの3時間 13年ぶりの新歌舞伎座座長公演 [舞台公演]

◆大津から江戸まで百二十余里、顔も覚えていない母を訪ねての旅道中。行手を阻むならず者や命を狙う仇敵。それに颯爽と立ち向かうのが、歌手氷川きよし演じる役者、嵐恋之介。彼の活躍と周りの人たちの人情を織り交ぜた、笑ったりちょっぴり涙する・・・そんな芝居「母をたずねて珍道中 お役者恋之介旅日記」と、氷川の新曲「大丈夫」からデビュー曲などヒット曲がいっぱい詰まった「氷川きよしコンサート2019 in 新歌舞伎座」の2部構成の13年ぶりの大阪・新歌舞伎座座長公演。見応え聴きごたえ十分な約3時間のステージは連日大入りである。27日まで。

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氷川きよし、13年ぶりの新歌舞伎座座長公演は連日大入り満員


 世話になった江戸にいる師匠から届いた、病気で舞台が打てないので助けて欲しいという文に、恋之介(氷川きよし)は育ての親である嵐源之丞(曾我廼家寛太郎)と共に大津から江戸へ向かうことになる。
 恋之介は佐野川権三郎一座の看板役者だが、実は平安の昔から続く笛の宗家、六条流の息子である。跡目相続のいざこざから命を狙われ、母の形見である朝凪の笛を忍ばせて門人の源之亟と共に家を離れて役者の道を歩んだ。

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笑いあり涙ありの芝居に観客も大満足

 江戸への旅には、全編で笑いを振りまく権三郎役のベンガルや大津で一座の公演を仕切る閻魔のお京役の山村紅葉らが加わって、文字通りの珍道中が繰り広げられる。途中、母は江戸で健在であることを知らされる。
 江戸に着いてみると、跡目披露の宴が開かれようとしている。その席で舞うことになった恋之介は、跡目を狙う一派と派手な立ち回りになるが・・・母とは再会出来るのか、跡目の行く手は、芝居の最後まで恋之介から目が離せない。

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芝居のラストは豪華に見せ場たっぷり

 昨秋の東京・明治座公演と同じ演目ながら、ここは大阪・新歌舞伎座の舞台だけに、氷川の大阪弁をはじめ大阪ならではの内容には、おおいに大阪のファンを楽しませている。

■天童よしみが応援に

 2部のコンサートではガラッと変わって、歌手氷川きよしの歌声を堪能させてくれる。歌うのは2000年のデビュー曲「箱根八里の半次郎」からデビュー15周年記念曲第2弾の「ちょいときまぐれ渡り鳥」(14年)1部の劇中歌「恋之介旅日記」、そして20周年を迎えている今年の新曲「大丈夫」「最上の船頭」など全17曲。

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 オープニングでは大阪・道頓堀名物のくいだおれ太郎の衣装でのファンサービスには、思わず客席から驚きの声も漏れていた。6月4日にリリースするアルバム「新・演歌名曲コレクション 9」に収録している新曲「大阪とんぼ」は、氷川が初めて歌う大阪をタイトルに冠した楽曲。くいだおれスタイルで披露している。

 同じアルバムに収録する「百万本のバラ」も歌ったが、彼は先日「初めて母にカーネーションの花を贈りました」と話すなど、少し芝居に感化されたのかもしれない。

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 氷川が「デビュー当時から大阪は一番恩がある街です」と話すと、客席はいっぱいのペンライトの華が揺れ、その多くの人たちが13年前の新歌舞伎座が大阪・難波にあった頃の座長公演にも足を運んだという熱心なファンばかり。
 大阪を語るならば、とばかりに、この日、会場に姿を見せたのは大阪出身の天童よしみ。よしみちゃんコールが飛び交う中、客席からステージ近くまで駆け寄って「頑張ってくださいね」とエールを送ると、氷川は舞台に正座しての最敬礼を返していた。

 ステージの最後、氷川は「13年ぶりの座長公演に来て頂いてありがとうございました。千秋楽は5月27日ですが、楽しく演らせて頂いています。まだ大好きな京橋のたこ焼きは食べていないので、是非、食べに行きたいです」と会場を和ませていた。


[氷川きよし オフィシャルサイト]
https://www.nagarapro.co.jp/top/artist/artist.php?id=1
[氷川きよし 日本コロムビア]
https://columbia.jp/hikawa/
[新歌舞伎座 氷川きよし特別公演]
https://www.shinkabukiza.co.jp/perf_info/20190518.html








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氷川きよし(日本コロムビア)  きょう(5月18日)から13年ぶりの大阪・新歌舞伎座で座長公演   母をたずねる美男子役者・恋之介役  最新曲からシャンソンまでのコンサートも [舞台公演]

◆2019年5月18日、デビュー20周年を迎えている日本コロムビアの歌手、氷川きよしが、13年ぶりに大阪・新歌舞伎座でのl座長を務める「氷川きよし特別公演 母をたずねて珍道中 お役者恋之介旅日記・コンサート2019in 新歌舞伎座」の初日を迎える。同17日には通し稽古を公開すると共に、久々の大阪での座長公演への思いを語った。公演は5月27日まで。

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13年ぶりに新歌舞伎座で座長公演を務める氷川きよし


 13年前、新歌舞伎座がまだ、大阪・難波にあった頃、氷川きよしは同劇場で2度目の座長公演を務めた。28歳だった。演し物は男っぽい森の石松であった。連日の公演に疲れ気味だったこともあり、ペットショップの1匹の小さな犬に癒しを求めた。
 「もう時効だから言いますが、公演中は楽屋でずっと飼い続けていたんです」
 ココアと名付けたその犬も13歳に。自宅で一緒に暮らしているが、高齢のため今回の公演には同行出来なかった。

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ベンガルが犬に扮してココア新歌舞伎座

 ところが特別公演1部の芝居「母をたずねて珍道中 お役者恋之介旅日記」には、劇中で氷川演じる恋之介の育ての親で、一座の座長である佐野川権三郎(ベンガル)が犬に扮して登場するシーンがある。ベンガルの演技に思わず吹き出すやら、さらにはココアも共演か、と思わせるほどである。

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 13年前と打って変わって、眉目秀麗な役者を演じる氷川は、時代劇ならではの大立ち回りも見せてくれる。飄々とした演技を周りで支えるのは、新歌舞伎座ではお馴染みの曾我廼家寛太郎、西寄ひがしなど大阪の役者と、ベンガルとテレビの2時間ドラマのスター、山村紅葉たち。劇中では2時間ドラマのテーソングが流れるなど、さりげなく笑わせるところもあって、気楽に楽しめる内容になっている。

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 2部のコンサートでは数々のヒット曲や3月発売の新曲「大丈夫 / 最上の船頭」のほか、新歌舞伎座公演や42歳の誕生日となる9月6日の大阪城ホール公演に合わせて作ったという「大阪とんぼ」も披露する。
 これはカバーアルバム「氷川きよし 新・演歌名曲コレクション9 ー大丈夫・最上の船頭ー 」に収録したオリジナル新曲である。

 ショーではまた、シャンソンコーナーも盛り込むなど、演歌だけではなく「レインボーな氷川きよしを見て欲しい」とアピールする。

 今回の公演は18年10月に東京・明治座で行われた内容とほぼ同じだが、氷川の「かましまへん」など、大阪弁らしきものも飛び出して笑いを誘う。
 その氷川は「皆さんの応援で迎えることが出来た20周年。感謝しています。歌の主人公になり切って歌ってきました。これからは人生を歌っていきたいです」と、新たな歌への想いも話していた。


[氷川きよし オフィシャルサイト]
https://www.nagarapro.co.jp/top/artist/artist.php?id=1
[氷川きよし 日本コロムビア]
https://columbia.jp/hikawa/
[新歌舞伎座 氷川きよし特別公演情報]
https://www.shinkabukiza.co.jp/perf_info/20190518.html








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水森かおり(徳間ジャパンコミュニケーションズ) 大阪新歌舞伎座で初座長公演 昭和39年の東京オリンピック前夜の東京を舞台にどんでん返しの芝居とコンサート   椎名佐千子・岩佐美咲・はやぶさも出演 [舞台公演]

◆デビュー24年目の歌手、水森かおりは、去年の大晦日、NHK紅白歌合戦に出場して、支笏湖に浮かぶ花をあしらった桂由美デザインのロングドレスを披露したが「映像で流れたのは、わずか30秒だった」という。それを2019年5月4日から大阪・上六の新歌舞伎座で行われている「水森かおり特別公演」では存分に目を楽しませてくれているー。芝居と歌の2部構成の水森初の新歌舞伎座での座長公演で、どんでん返しの結末の芝居には加藤茶、仲本工事、大信田礼子のほか歌手の椎名佐千子、岩佐美咲、はやぶさ(ヒカル、ヤマト)も熱演。コンサートでは新曲「高遠さくら路」から、7月に発売する「同特別盤」のカップリングとして収録する「笑顔の向こうに」までオリジナル曲9曲を歌っている。公演は5月13日まで。

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加藤茶、仲本工事が初座長・水森を支える


 1部の芝居は1963(昭和38)年、東京オリンピック前年の東京の下町、人形町にあるそば屋を舞台にした「東京そば屋人情物語 にいねえちゃん !」。両親亡き後、長女が切り盛りしていた人形そば花やは訳あって休業していたが、次女の花村かおり(水森かおり)が後を継ぐことに。

 三女さちこ(椎名佐千子)と四女のみさき(岩佐美咲)、それに従業員の加島茶太郎(加藤茶)大和(ヤマト=はやぶさ)らが協力して手助けするが、大阪から進出してきた不動産会社が土地の買収工作に乗り出して騒動が巻き起こる。
 最後はどんでん返しに次ぐドンデン返しで、ハッピーエンドに。加藤茶が「風邪引くなよ」と言ったり、仲本工事が側転を見せるなど、かつてのドリフターズの人気テレビ番組「8時だョ !全員集合」を思わせる懐かしい場面も。

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がんばり屋の次女役の水森かおり

 花やに毎日通う客の佐田勝人は、大川橋蔵の次男、丹羽貞仁が演じ、かおりにプロポーズする。

■今年も紅白へ

 2部 のコンサートのオープニングでは、水森がヒット歌手への第1歩を踏み出した「東尋坊」(2002年)初めての紅白歌合戦出場曲 の「鳥取砂丘」(2003年)と、自身にとって忘れられないご当地演歌を続けた。
 水森かおりはご当地ソングの女王として知られている。1995(平成7)年にデビューして24年間で歌ったご当地演歌は109曲になるという。訪ねた土地も43都道府県にもなる。残すのは徳島、福岡、宮崎、千葉の4県だけ。

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紅白衣装のロングドレスで歌う

 今年1月発売の新曲「高遠さくら路」では、信州・高遠の桜に悲しい恋物語を重ねて歌い、去年末の紅白出場時の衣装の花柄のロングドレスで切々と聴かせる。
 関西を舞台にしたご当地演歌「熊野古道」(2006年)「大和路の恋」(2015年)も歌う。

 芝居にも出演した椎名佐千子(キングレコード)は2月発売の「漁火街道」岩佐美咲(徳間ジャパンコミュニケーションズ)は2月に出した「恋の終わり三軒茶屋」はやぶさ(ビクターエンタテインメント)も「恋のすみだ川」(18年8月)と新曲を披露している。
 芝居の時代設定に合わせて、椎名が「アンコ椿は恋の花」(都はるみ)を歌うなど、それぞれ1963〜64年のヒット曲も聴かせる。水森も加えた全員では「高校三年生」(舟木一夫)を合唱。

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水森かおり(中央)と後列左からヤマト(はやぶさ)ヒカル(同)椎名佐千子、岩佐美咲

 エンディングは水森の「笑顔の向こうに」。新歌舞伎座公演に先立ち、やはり彼女が初座長を務めた今年3月の東京・明治座での公演のために作られたもので、7月に発売する「高遠さくら路 特別盤」のカップリングとして収録される。
 水森は椎名、岩佐、はやぶさらと共に歌唱して「新曲で今年も紅白を目指して一生懸命に頑張ります」と、意欲を示してラストを飾った。


[水森かおり オフィシャルサイト]
https://www.nagarapro.co.jp/top/artist/artist.php?id=5
[水森かおり 徳間ジャパンコミュニケーションズ]
http://www.tkma.co.jp/enka_top/mizumori.html







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水森かおり(徳間ジャパンコミュニケーションズ) 5月4日から大阪・新歌舞伎座で初の座長公演 24年前にデビュー当日を迎えた記念の大阪で芝居と歌の10日間 [舞台公演]

水森かおり.jpg◆徳間ジャパンコミュニケーションズの歌手、水森かおりが大阪・上六の新歌舞伎座で初の座長公演を行う。2019年5月4日初日の新歌舞伎座開場60周年記念の「水森かおり特別公演」。1部が池田政之作・演出の「東京そば屋人情物語 にぃねえちゃん!」で、加藤茶・大信田礼子らが共演。2部は水森の新曲「高遠さくら路」をはじめ、去年のNHK紅白歌合戦での歌唱曲「水に咲く花・支笏湖」などを歌う「水森かおりコンサート in 新歌舞伎座」。気心の知れた椎名佐千子、岩佐美咲、はやぶさのヒカル・ヤマトらも出演する。5月13日まで。







 2019年3月9日から18日まで、同じく座長を務めた東京・明治座特別公演に続いて、5月4日から大阪・新歌舞伎座での初座長公演に挑戦する水森かおりは「緊張はしていますが、大先輩に助けられているので心強いです」と開幕を楽しみにする。1995年9月25日のデビュー当日を大阪で迎えただけに「大阪は私の旅立ちの地であり、より気持ちが引き締まります」とも。

水森かおり新歌舞伎座特別公演 ・小.jpg 演し物は明治座での公演とほぼ同じ。1部は東京オリンピック前夜の1963(昭和38)年の東京・人形町にあるそば屋を舞台に繰り広げられる人情物語。水森の役は、おっとりとした2番目の姉・にぃねえちゃん。駆け落ちをした姉に代わって店の存続に関わる危機を、周りの人たちの応援をもらって乗り切っていく。

 同じ長良グループの後輩歌手、椎名佐千子・岩佐美咲が妹役で、はやぶさのヒカル・ヤマトの2人も出演する。実際の水森とは少し違う性格のようであるが「芝居は現代劇で分かりやすく、気楽に楽しんでもらえます」と話す。

 明治座の公演では妹を気にかけアドバイスするなど、しっかり者の姉を演じていた水森はプライベートでは2人姉妹の妹。
 「かつてはお姉ちゃんに怒られたこともありましたが、その時の姉の気持ちってこんなものなのか、と感じることが出来ました。姉妹って喧嘩をしても心の底ではつながっていて、助け合うところがあります。芝居では自然体で伸び伸びと出来ました。お姉ちゃんも良いもんですね」と水森。

 実生活では妹である彼女も、性格は面倒見の良いところがあるといい、子供の頃には大人になったら保母になる夢を見ていたこともあった。来年には歌手デビューして25年になるが、事務所では先輩と後輩に挟まれて「中間管理職のようです」と笑う。

 出演者も明治座公演と同じである。ただ、それぞれが自宅からの通いだった東京と違って、新歌舞伎座では公演期間中はホテル住まい。どこか合宿の雰囲気もあり「お好み焼きなど美味しいものを食べに行こう、と今から楽しみにしています」とも。

水森かおり・高遠さくら路A.jpg 2部の歌謡ショー「水森かおりコンサート in 新歌舞伎座」は約75分。椎名佐千子、岩佐美咲、はやぶさのヒカル・ヤマトと5人で助け合いながらのステージである。水森は新曲「高遠さくら路」のほか、去年の紅白歌合戦で歌った「水に咲く花・支笏湖」をそのステージで着たそのままの衣装で歌う。
 劇場コンサートのために、1部の芝居の内容を元に麻こよみが詞を、弦哲也が曲を書いた未発表曲「笑顔の向こうに」も披露する。この歌で「周りの沢山の人たちに支えられることで、私たちは元気になれる」(水森)ことをアピールする。

 2019年1月の発売の「高遠さくら路」は、4月1日付けのオリコン演歌チャートでも4位にランキングされるなど、高い人気を維持している。この歌を聴いた女性ファンの中には「涙が出ました」と感想をもらす人もいるほどで、水森は「独特の切なさを感じさせてくれる詞とメロディー、それにアレンジも泣ける旋律です」とアピールする。







[水森かおり オフィシャルサイト]
https://www.nagarapro.co.jp/top/artist/artist.php?id=5
[水森かおり 徳間ジャパンコミュニケーションズ]
http://www.tkma.co.jp/enka_top/mizumori.html








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前川清・神野美伽  大阪新歌舞伎座で初共演   司馬遼太郎「大阪侍」に挑戦 [舞台公演]

◆テイチクエンタテインメントの歌手、前川清とキングレコードの歌手、神野美伽が、2019年3月3日からの大阪・新歌舞伎座の開場60周年記念公演「大阪侍」とオンステージで初共演する。その2人が2月13日、大阪市内で公演に向けた抱負を語った。公演は3月24日まで。

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初共演に張り切る前川清(右)と神野美伽


 デビュー50周年の前川は、1月の明治座での純烈との公演に触れながら「僕の舞台に出演する人に、最近、ちょっといろんなことが起きて、それが話題になって、逆に観客が増えましています。今回は美伽ちゃんの足の手術があり、それへの心配もあって増えるのでは」と、切り出して集まった人たちの笑いを誘った。
 さらに「芝居の内容はあまり面白くないです。そこを如何に崩して楽しくしようかな、と一生懸命に考えています。見て頂いた方に良かった、と思ってもらえるように2人で頑張ります」とも。

 昨年暮れに両足の手術をした神野は、術後55日が経って順調に推移していることを報告して「この公演があったから正直、非常にプレッシャーでしたが、これがあったから治すことができました。初めて前川さんと一緒に出来ることを、本当に楽しみにしています。いい舞台を演じていきたい」と声を弾ませていた。
 彼女が以前から聴きたいと思っていたという前川の歌も「前川さんがアルバムから選曲してくれていたので、個人的にもラッキーな1ヶ月になる」と、今から初日が楽しみな様子であった。

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 1部の芝居は司馬遼太郎の小説「大阪侍」を題材に、岡本さとる氏が脚本・演出を担当。前川は江戸から一家そろって大坂へ左遷させられた同心の鳥居又七の役に、神野は材木商の娘・お勢を演じる。スペシャルゲストに松居直美を迎え、おりも政夫も出演する。
 オンステージでは前川が、糸井重里プロデュースの50周年記念シングル「初恋 Love in fall」や「長崎は今日も雨だった」「そして、神戸」など、神野は2019年2月6日発売の「愛のワルツ」のほか「男船」「無法松の一生 〜度胸千両入り〜 」などを、それぞれ予定している。

 1958(昭和33)年に大阪・なんばで開場し、今年60周年を迎えている新歌舞伎座は、上本町に移転して今年で9年目。来年が新劇場開場10周年になる。その記念公演に「きっと前川さんと神野さんが面白くしてくれて、楽しい芝居と素晴らしい歌謡ショーをお届けでこるものと思っています。これをスタートの年として、これから何十周年も積み重ねていきたい」と、2人に期待を託していた。


[前川清 オフィシャルサイト]
http://www.maekiyo.com/
[神野美伽 オフィシャルサイト]
http://www.shinno-mika.com/
[新歌舞伎座]
https://www.shinkabukiza.co.jp/perf_info/20190303.html








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五木ひろし・天童よしみ初春歌合戦   昭和・平成の名曲とオリジナル曲を聴かせる   大阪・新歌舞伎座で夢の競演が初めて実現 [舞台公演]

◆昭和、平成を代表する歌手の五木ひろし天童よしみが、平成最後の年となる今、大阪・上六の新歌舞伎座で初の歌の競演を見せている。初春歌合戦のタイトルに相応しく、実力伯仲の2人による3時間超に及ぶ歌謡ショーは、1部は 日本人が愛した歌をテーマに、2部はオリジナルヒット曲パレード。戦後の日本の歌謡史を彩った美空ひばりから田端義夫、春日八郎、三橋美智也をはじめとする名曲の数々や、自身の新曲や代表曲などオリジナル曲も聴かせて、会場を埋め尽くした人たちは誰もが満足し切った様子であった。2019年2月10日まで。

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 多くの日本人の心に残る昭和から平成にかけての歌の数々を、五木ひろし天童よしみの2人が平成最後の年に歌い継ぐ。誰もが納得する時代を代表する実力派歌手である。その歌声と姿を耳と目に刻んでおきたい、会場はそんな人たちがばかりだった。

 1部のオープニングは、バタやんの愛称で知られた田端義夫の「かえり船」を五木のギターで天童が歌うところから始まり、五木が「憧れのハワイ航路」(岡晴夫)「哀愁列車」(三橋美智也)天童は「赤いランプの終列車」(春日八郎)「別れの一本杉」(同)と、聴くものを次々と懐かしい世界へと誘って行く。

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 「もう何時間でも歌っていられるね」と五木が天童に話しかける。分厚い歌謡史のページをめくるかのように、早くも2人は最高潮のようである。
 ステージバックの大型スクリーンには、歌に合わせた映像が流れている。テレビなどでお馴染みの、元NHKアナウンサーで今はフリーアナの石澤典夫の声が、テレビのドキュメンタリー番組でも見ているかのように思わせる演出である。

 昭和を華々しく駆け抜けた美空ひばり。
 天童はかつて、彼女の舞台に子役としてデビューしたのが最初の出会いであったという。そしてこの日、美空の「津軽のふるさと」を歌った。生前、美空はステージ脇でじっと自分の歌に聴き入る天童に「あなた歌が好きなのね」と声をかけてもらっている。歌手として生きていく糧として、今も忘れられない記憶だという。

 1部のフィナーレは、美空と同じく昭和を代表する島倉千代子の「人生いろいろ」を選曲し、五木と天童のふたりでステージを盛り上げた。今年は島倉の七回忌にあたるという。

■充実の2人のヒットパレード

 2部は五木と天童ふたりによる「ダンシング・オールナイト」で幕を開けて、ポップスの名曲が続く。「糸」で中島みゆきの世界を五木が再現してみせる。天童は今も尊敬してやまないやしきたかじんの「やっぱ好きやねん」を聴かせると、五木から「シングルで出しなさいよ」と勧められるほどに、すっかりと昇華させた歌いっぷり。

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 2人による寸劇を挟んで、ラストはいよいよヒットパレードである。
 天童が競作の中から抜きん出た歌唱力で存在感を示して代表曲とした「道頓堀(とんぼり)人情」、歌手としての地位を不動にした「珍島物語」そして今回の新歌舞伎座公演初日の1月9日に出したばかりの新曲「一番星」などを披露。「これからも1曲1曲を心を込めて皆さんの心に届くような歌を歌っていきたます」と語りかけていた。

 今年で歌手生活55年になる五木は、自らを生まれ変わらせたかのような平成のヒット曲「夜明けのブルース」壮大な「九頭竜川」や、作家の五木寛之と一緒に作り上げたという「ふりむけば日本海」など平成に入ってからの代表曲を歌った。18年8月に出したなかにし礼作詞による、スペイン語で人生万歳という意味の「VIVA・LA・VIDA! 〜生きてるっていいね!〜 」も聴かせた。
 「去年は48年連続して紅白に出場することができました。新曲は生きているこの素晴らしさを歌っています。先ごろスペイン語版もレコーディングしました」と再び新たな挑戦への意欲をみせた。

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 エンディングでは男女8人によるダンシングチームによるダンスを交えて、美空ひばりの「お祭りマンボ」を賑やかに歌い、演中恒例の新歌舞伎座開場60周年記念の手ぬぐいをステージから撒いて会場を沸かせていた。


※写真はいずれも新歌舞伎座提供。

[新歌舞伎座 五木ひろし・天童よしみ初春歌合戦 ]
https://www.shinkabukiza.co.jp/perf_info/20190109.html






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坂本冬美(ユニバーサルミュージックジャパン) 4年ぶり新歌舞伎座座長公演 友情出演の泉ピン子は10年ぶり舞台復活 オンステージではデビュー曲から新曲「熊野路へ」までを歌う 二葉直伝の「岸壁の母」も [舞台公演]

◆ユニバーサルミュージックジャパの歌手、坂本冬美が座長を務める特別公演が2018年11月2日、大阪・上六の新歌舞伎座で初日の幕を開けた。1部の人情芝居「恋桜 〜いま花明かり 〜」(作 ・宮川一郎、脚色・菊村禮、演出・石井ふく子)には、テレビドラマ「渡る世間は鬼ばかり」の演出家で、今作でも演出を担当した石井のファミリーである、友情出演の泉ピン子をはじめ数多くのメンバーが出演している。2部は坂本のオンステージ「艶歌(うた)の桜道(はなみち)」。デビュー曲「あばれ太鼓」から新曲「熊野路へ」までのオリジナル曲、さらには12月5日発売のカバーアルバム「ENKA 〜偲歌〜 」の収録曲から代表曲でセルフカバーした「夜桜お七」も。師匠の二葉百合子から受け継いだ歌謡浪曲「岸壁の母 」も歌う。25日まで。

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桜の花の下に立つ坂本冬美と泉ピン子(左)


 石井ファミリーの1人、三田村邦彦は坂本演じる売れっ子芸者梅竜(坂本冬美)に想いを寄せる株屋の谷川役として、梅竜の幼馴染太吉役にも大川橋蔵の次男の丹羽貞仁と、ドラマでお馴染みの顔が揃っている。舞台は東京オリンピック直前の1963(昭和38)年の東京・下谷の花柳界。
 一度は舞台を引退した泉ピン子が、友情出演で10年ぶりに舞台を踏み、置屋の女将で売れない芸者の八重次役を演じている。華やかな花柳界の中で、梅竜と姉妹のように仲のいいところを見せている。

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売れない芸者役の泉ピン子(右)と売れっ子梅竜を演じる坂本冬美
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三田村邦彦(左)とは初共演

 久しぶりの新歌舞伎座座長公演の初日を終えた坂本は「セリフを復習する時間もないくらいにバタバタで、ドキドキしている間にお芝居が終わった感じでした」と、舞台の緊張感から疲れた様子だった。
 舞台は後進に道を譲って10年もブランクがあった泉に、坂本は出演のラブコールを送った。「舞台にぜひ立ってほしかったし、わたし1人で舞台に立つのは、ものすごい重圧がありました。心強いお姉さんに登場していただくことで、それを和らげたいとお願いしました。最初は『嫌よ』なんておっしゃっていましたけれど」

 その泉は「冬美ちゃんが背中を押して勇気をくれました。10年空いていると思えず、久しぶりに舞台に戻ったという感じで楽しいですね」と冷静。しかもテレビ番組へのPRも自ら行う<広報部長>役も担当したほどだという。
 でも「もう何度も出ないわよ」と、今後の舞台への未練はきっぱりと否定していた。

■心を届ける「岸壁の母」

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 2部のオンステージでは、17年前から浪曲の師匠である二葉百合子から受け継ぐ歌謡浪曲「岸壁の母」も披露している。これは10月31日に発売する全曲集「道 ~デラックス盤~ 」に収録されている「岸壁の母 ~歌謡浪曲入り~ 」を約半分に短縮したもの。レコーディングでは「上手く歌おうとか聴かせてやろうとか、そんな気持ちは一切持たずに心を届けてくれればいい」とアドバイスを送った二葉が、この日も会場に姿を見せ、客席から立ち上がって手を振って観客に応えていた。

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 これの初日の歌唱については「この歌は出来がどうのこうの、と言えるものではなく、心に届いたかどうかは、聴いた皆さんが判断してくれればいいし、モデルとなった端野いせさんや二葉先生の想いを、私が代わりに伝えているものです」にとどめた。

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ファンに応える二葉百合子

 泉ピン子もかつては歌手だった。1977年に出した「哀恋蝶」が10万枚を超すヒット(オリコンチャート最高位37位)を記録したこともある。この日も「当時は角川博さんよりも売れたんだから。狙っていたNHK紅白歌合戦への出場は叶わなかったけれどね」と振り返るとともに、坂本の歌については「上手いですね。楽屋でも1時間ぐらい声を出して喉を温めているんですから、さすがプロですよ」と称えた。

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「夜桜お七」を歌う坂本冬美
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ラストは「火の国女」で盛り上げた

 オンステージで坂本は、オープニングの「また君に恋をしている」から、和歌山・熊野古道をテーマに吉幾三が書き下ろした新曲「熊野路へ」まで全10曲を披露している。カバーアルバム収録曲からは懐かしい「空港」(テレサ・テン)などをアレンジを加えて披露している。

 また同じレコード会社の森山愛子が、芝居で芸者役で出演しているほか、オンステージではゲストとして最新曲「会津追分」などを聴かせている。

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ゲスト歌唱の森山愛子


[坂本冬美 オフィシャルサイト]
http://fuyumi-fc.com/
[新歌舞伎座 坂本冬美特別公演]
https://www.shinkabukiza.co.jp/perf_info/20181102.html







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市川由紀乃(キングレコード)  19年7月5日から大阪・新歌舞伎座で初の座長公演 [舞台公演]

◆紅白3年連続出場に向けて意欲を見せるキングレコードの歌手、市川由紀乃が、2019年7月5日初日の大阪・新歌舞伎座での特別公演で初の座長を務める。

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 新歌舞伎座開場60周年記念と銘打った、この公演は芝居と歌謡ショーのオンステージの2部構成。同19日までの2週間の公演になる。

 「芝居の内容やオンステージの構成など詳細は未定」(新歌舞伎座)だが、デビュー25年を迎えている市川は「今年を歌に芝居に、演じられる1年にしたい」と話しており、初の座長公演には並々ならぬ意欲を示している。

 これに先駆けて18年12月3日には、同劇場で「市川由紀乃スペシャルコンサート2018」を、昼夜2回公演で行う予定である。


[市川由紀乃 オフィシャルサイト]
http://www.primecorp.co.jp/yukino-ichikawa/index.html
[市川由紀乃 キングレコード]
http://www.kingrecords.co.jp/cs/artist/artist.aspx?artist=13522







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三山ひろし(日本クラウン)  2度目の新歌舞伎座座長公演  歌と芝居の華やかな舞台  大阪新歌舞伎座 [舞台公演]

◆デビュー10周年を迎えている日本クラウンの歌手、三山ひろしが大阪・上六の新歌舞伎座で、1部の芝居「阿蘭陀(おらんだ)夢七捕物帖」と2部の歌謡ショー「みやまつり2018 熱唱!男の劇場」からなる「三山ひろし特別公演」を開いている。去年に次いで2度目の座長公演で、歌謡ショーでは今年1月に出した新曲「いごっそ魂」などオリジナル曲と、三波春夫の「大利根無情」村田英雄の「無法松の一生 度胸千両入り」など<男>の生きざまを歌った楽曲も披露。エンディングではこの公演のために作ったという、地元高知のよさこい鳴子踊りを取り入れた「ひろしのふるさと自慢」で、松平健も顔負けの金銀のキラキラ衣装で賑やかに締めくくっている。2018年7月14日まで。

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 サブタイトルの「熱唱!男の劇場」にふさわしく、白い着物に袴姿で三波春夫の長編歌謡浪曲「あゝ松の廊下」を歌ってのオープニングに、ファンからは大きな拍手が起こっていた。
 三山は「チャレンジさせてもらいました。これからも一生懸命に勉強していきたい」と、大先輩の歌謡浪曲への憧れを見せていた。
 また、このコーナーでは「浪花恋しぐれ」を、1人で男女二役をこなして歌い分けると、客席からは笑い声がもれていた。

 もちろん最新の「いごっそ魂」のほか「男の流儀」「あやめ雨情」「四万十川」などオリジナルヒット曲も聴かせた。
 「いごっそ魂」は地元・高知の英雄、坂本龍馬をモチーフにした男歌で「明治維新150年の今年を、この歌で盛り上げたい」としている。
 6月6日には同タイプCを発売しており、AからCまでそれぞれカップリング曲が異なる3タイプを揃えている。

 1部の「阿蘭陀(おらんだ)夢七捕物帖」では、武士の息子として生まれながらも、岡っ引きの松三の子として育てられた捨七(夢七)を三山が演じる。突然、浪花の町に沸き起こった偽小判事件を解決していく捨七だったが、そこには自分の出生に関した秘密も隠されていた・・・。
 今回は派手な殺陣もあって、見どころいっぱいの捕物帖。時代劇は三山も「大好き」というだけに、岡っ引きの親分姿が決まっていた。

■7月には大阪でリサイタルも

 7月20日には、10周年記念リサイタルを同劇場で開く予定で、オリジナル曲のほかちあきなおみナンバーや望郷歌のメドレーなどを歌うという。

 三山は「ファンの皆さんに育てて頂いて10年になります。今年の勝負曲でもある『いごっそ魂』をパワーソングとして、今年も年末の紅と白の番組を目指します」と、NHK紅白歌合戦への連続出場への意欲を見せていた。


[三山ひろし オフィシャルサイト]
http://h-miyama.migan.co.jp/
[三山ひろし 日本クラウン]
http://www.crownrecord.co.jp/artist/miyama/whats.html
[新歌舞伎座 三山ひろし特別公演]
https://www.shinkabukiza.co.jp/perf_info/20180701.html






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川中美幸(テイチクエンタテインメント) 新歌舞伎座特別公演 涙と笑いの「七変化!美幸一座 〜母娘愛情物語〜 」 2部は歌謡ショー 3月27日まで [舞台公演]

◆わたし92歳まで振袖着て頑張るからー。去年秋に92歳で亡くなった母親の久子さんに呼びかけるように、テイチクエンタテインメントの歌手、川中美幸はステージでそう言った。2018年3月22日、8日目を迎えた大阪・新歌舞伎座での川中美幸特別公演である。1部は母親が川中の演技を待ち望んだ「八百屋お七」の人形振りなど劇中劇を交えた芝居「七変化!美幸一座 〜母娘愛情物語〜 」で、2部は新曲「深川浪花物語」など全26曲を歌う歌謡ショー「オンステージ 人うた心」。どちらも笑いと涙がこぼれる、大阪らしい人情いっぱいの舞台である。3月27日まで。

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劇中劇「八百屋お七」の人形振りの一場面=川中美幸

 〈浪花の花〜〉と客席からのかけ声で始まった芝居は、川中美幸演じる2代目座長・川中みゆきが、先代座長で母親の遺訓「笑顔千両 まいどおおきに」を心の支えに、座員たちと共にあと3日で解散させられる劇団の立て直しに乗り出す人情喜劇。
 国定忠治、女ねずみ小僧、月形半平太、白波五人男など劇中劇を盛り込む。さらにはドレミの歌によるミュージカルまで、コレでもかと言わんばかりに見どころはいっぱい。

 中でも極め付けは、人形の動きをまねて演じる八百屋お七の人形振り。川中の母親が「娘が演るとよく似合うやろな」と、その芝居を待ち望んでいた演し物である。その母親は「夜空で1番輝いている星」になったが、その星に向けて見せるように、身体を踏ん張って演じてみせた。

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白波五人男を演じる川中美幸

 ラストのみゆき座長による「母ちゃんの教えを守り一生懸命頑張ります」の口上は、川中美幸自身の亡き母へ向ける言葉と重なるようであった。
 共演は赤井英和。川中美幸一座の常連、音楽評論家の小西良太郎も出演している。

■歌手への道を拓いたもず唱平の記念曲歌う

 1部、2部を通じて笑いの絶えない公演である。その笑いをくれているのは「去年は泣いたけど、今年はよう笑ってる」と話す座長の川中美幸である。川中は母親との死別から見事な立ち直りを見せ、笑いを振りまいていた。

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ヒット曲を熱唱する川中美幸

 公演前の楽屋入口に姿を見せて「誰か分かります?」と笑わせる、とにかくユーモアたっぷりな川中のステージは歌謡ショーでも変わりない。「ふたり酒」「越前岬」「遣らずの雨」などが続く彼女のヒット曲コーナーでも「それなりのヒット曲を静かに聴いてください」と笑いを誘う。

 川中の歌手デビューは1973年、春日はるみの芸名によるもので、スカウトしたのは在阪の作詞家もず唱平だった。77年には今の川中美幸の名前でテイチクから再デビューするが「母親は常々、歌手としてのスタートがあったのはもず先生ということを忘れたらあかんで、と口にしていました」を今も胸に止め続ける。

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亡き母、久子さんとのツーショットの川中

 そのもずの作詞家デビュー50周年記念曲として2018年1月に出した新曲「深川浪花物語」は川中を励ますかのような歌詞である。それを披露するとともに、エンディングでは「おんなの一生 〜汗の花〜」を歌い、「27日の千秋楽までよろしくお願いします」と呼びかけた。


[川中美幸 オフィシャルサイト]
http://kawanaka-miyuki.jp/
[川中美幸 テイチクエンタテインメント]
http://www.teichiku.co.jp/teichiku/artist/kawanaka/
[新歌舞伎座 川中美幸特別公演]
http://www.shinkabukiza.co.jp/perf_info/20180315.html








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山内惠介(ビクターエンタテインメント) 新歌舞伎座で特別公演 2度目の座長公演 3月発売の「さらせ冬の嵐」も披露 [舞台公演]

◆ビクターエンタテインメントの歌手、山内惠介が2018年2月9日、大阪・上六の新歌舞伎座で、去年に続く2度目となる座長公演の初日の幕を開けた。今回は山本周五郎の小説「人情裏長屋」と「浪人走馬灯」を原作に、市川正が脚本と演出を担当した芝居「若さま走馬灯 ー 来馬信兵衛参る ー 」で、先月から稽古を積んできた立ち回りの成果を見せている。2部の歌謡ショー「山内惠介オンステージ ー若さまと貴公子 ー」では、3月28日発売の新曲「さらせ冬の嵐」を、客席まで雪を降らせる演出を交えて披露。郷ひろみ、西条秀樹、野口五郎の1970年代のトップアイドルで新御三家と呼ばれた3人のヒット曲もカバーしている。2月23日まで。


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「この世の悪を成敗」と立ち回りを見せてくれている山内惠介(中央)


山内惠介・さらせ冬の嵐.jpg 1部の芝居では、山内が着流し姿で徳利を肩にかけて花道から現れると、場内は一斉に<キャアー>と大歓声。歌謡ショーでもオープニングの「スポットライト」が流れると、客席では色とりどライトが揺れ、割れんばかりの歓声が沸き起こった。彼が自らを<演歌の貴公子>と呼ぶように、これはもう演歌アイドルそのものである。
 新歌舞伎座も「去年よりたくさんの人たちに来て頂いています。紅白連続3回出場の実績の効果が現れているのでしょうか」と、満足気であった。

 人情物時代小説の山本周五郎の作品が、山内の座長公演の原作になるのは、初座長の去年に次いで2年連続である。舞台は長屋、そこに住む山内演じる浪人信兵衛が、偶然に知り合った武家父娘を助けるとともに、父の汚名をそそぐために「この世の悪を成敗」と剣を取る。まさに時代劇の醍醐味ここにあり、である。

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2度目の新歌舞伎座座長公演は「まずまずの出来映え」でスタートした山内惠介

 山内自ら「まずまずの出来映え」という殺陣は、やはり時代劇には欠かせない。小刀が上手く鞘に収まらない<ハプニング>もあったが、山内は「客席の皆さんの笑いが逆に助けになりました。千秋楽へ向けて役を完成させていきます」と、話していた。

 大川橋蔵の次男・丹羽貞仁が浪人役、長谷川一夫の孫・長谷川かずきが長屋に住む大工の女房役で出演しているのも見どころだ。

■70年代のアイドルヒット曲から3月リリースの新曲まで

 座長お帰り 〜 客席からのファンの声に迎えられて、オープニング曲に続いて日替わりオリジナル3曲を披露。初日のこの日はデビュー曲の「霧情」「二十才の酒」「君の酒」と初期の楽曲を並べた。期間中には何度も足を運ぶというファンへのサービスである。

 幕間には篠笛奏者の佃康史も、日替わりで内のヒット曲を演奏する。この日は「風蓮湖」を吹くと、それに合わせて客席からは歌声が響いていた。

 さらには郷ひろみ、西城秀樹、野口五郎の新御三家の3人のヒット曲「よろしく哀愁」「ヤングマン」「私鉄沿線」など7曲を聴かせるのも、もうひとつの楽しみなところ。
 「子供の頃から演歌を聴いて育ってきたけれど、アイドル歌謡曲は僕の声に合っているようです」と、「ヤングマン」ではY・M・C・Aの振りを客席と一緒になって楽しんでいた。

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 〈けいちゃ〜ん〉のの大コールの中で、ラストは最新曲「愛が信じられないなら」から3月にリリースが予定されている「さらせ冬の嵐」までオリジナル6曲を聴かせた。新曲は作詞が松井五郎、作曲水森英夫、編曲馬飼野俊一。夢盤、笑顔盤、唄盤とそれぞれカップリング曲を変えて3タイプを発売する。舞台が北国とあって、ステージと1階客席の一部に雪を降らせた。山内は「皆さんと一体となってステージを熱く盛り上げることが出来た」と笑顔で話していた。

 また彼は「初日らしいスタートを切れてホッとしています。2度目の座長公演ともなると求められるものも多く、千秋楽まで期待に応えていきます」と、意気込みを示していた。


[山内惠介 オフィシャルサイト]
http://yamauchikeisuke.com/
[山内惠介特別公演 新歌舞伎座]
http://www.shinkabukiza.co.jp/perf_info/20180209.html






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神野美伽(キングレコード) デビュー35周年記念 新歌舞伎座新春特別公演 世界へ轟かせる神野演歌 35周年記念曲「千年の恋」も披露 [舞台公演]

◆演歌を世界に問いかけ続けるキングレコードの歌手、神野美伽がデビュー35周年を記念した新歌舞伎座新春特別公演を、2018年1月25日まで、大阪・上六の新歌舞伎座で開いている。1部の芝居「おおきにな」では、テレビ番組「ローカル線バス乗り継ぎの旅」(テレビ東京系)で一躍、人気復活を果たした太川陽介と、評判の饅頭屋の夫婦役をコミカルに演じている。2部の歌のオンステージは、1月1日リリースの新曲「千年の恋」や、オリジナルアレンジを加えた美空ひばりの「リンゴ追分」をはじめ同日発売のアルバム「夢のカタチ」に収録した楽曲などを聴かせている。

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ゆうれい女房を演じる神野美伽(中央・左)
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新たな演歌に挑戦する神野美伽


 今公演のオンステージの目玉は「リンゴ追分」で始まる、世界120ヶ国同時配信しているアルバム「夢のカタチ」収録曲の歌唱。同アルバムからシングルカットして同日発売している「千年の恋」も大阪初披露である。「リンゴ追分」は、世界に名を轟かせる米国のジャズコーラスグループの歌手、ジャニス・シーゲルから絶賛を得て、アルバムは一緒に歌ってチョッとジャジーな味わいを感じさせるアレンジ版。
 モニターを通してながらも、これらを聴いていた太川は「ど演歌の人だと思っていましたが、こんな歌が歌えるんだと分かり、すごい人だと思いました」と、激賞ぶり。

 新歌舞伎座の舞台を縦横に使った、ダイナミックでシンプルな演出は、世界へと演歌を羽ばたかせようという彼女の想いを存分に表現し、新しい神野の姿を見せるかのようでもあった。

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 中でもアルバムからシングルカットした新曲の「千年の恋」は、35周年記念曲でもある。デビュー以来の彼女の楽曲の大半を手がけてきた作詞家荒木とよひさの手によるもので、作曲家弦哲也が曲を書いた。ゆったりと心に染み入る、神野初のワルツ調の哀調帯びた1曲は、聴くものを穏やかな気持ちにしてくれる。


 神野の新たな試みから生まれた楽曲には、いささか抵抗を感じる人たちもいるかもしれない、と危惧する声も聞かれたが、前作で吉幾三作詞・作曲の「石狩哀歌」デビュー20周年記念曲「浮雲ふたり」など、35年の歌手生活で出会ったオリジナル曲も披露している。
 「あんたの大阪」「無法松の一生 〜 度胸千両入り」など、豪快な神野ならではの歌も聴かせて、従来からの神野節のファンも十分に満足させる。

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ゲストミュージシャン・辻本好美の尺八で歌う神野美伽

 オンステージを終えた神野は「今が一番幸せです。楽しんで歌っています。一生に一度しかない、この時を精一杯歌って人生を終えたいと思います」と、歌手人生35年を迎えたことへの感謝の気持ちを表していた。

■神野が幽霊女房に

 1部の芝居「おおきにな」は、小気味よくてしかも懐かしさを感じさせる笑いとハッピーエンドが、正月らしい後味の良さを感じさせてくれる。
 主人公の神野は、饅頭屋・あまやの女主人・お春を演じる。博打で作った借金のかたに店を手放すという亭主(太川)を残して死んでしまうが、性根を入れ直した亭主を幽霊になって助けようとする。

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太川陽介とコミカルに演じる神野美伽(左)

 幽霊のお春は亭主と一緒に昔の味を取り戻した饅頭を、大坂城代(おりも政夫)に献上する。そこで出される白い饅頭は、一度、試食してみたいほど旨そうな「雪どけまんじゅう」
 神野は「いいネーミングの饅頭が出来ましたが、残念ながら劇場の売店では販売していません。替わって<美伽ちゃん饅頭>を買って下さい」と、自らの名前を付けた商品をアピールしていた。

 神野演じる太川の嫁・お春に信頼を寄せる姑役の山田スミ子は、吉本新喜劇時代に舞台を沸かせたヒステリックに突然大声を出すギャグを、この芝居でも見せてくれるなど、まったく期待を裏切らない。

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 神野は初めての太川との共演に「シャープな意見や色んなアイディアを出してもらっています」と、今回の出会いがプラスになっていると満足げだし、太川も「いいスタートを切ることができて、いい年になりそうです」と話していた。


[神野美伽 オフィシャルサイト]
http://www.shinno-mika.com/
[太川陽介 オフィシャルサイト]
http://www.sunmusic.org/profile/tagawa_yosuke.html
[新歌舞伎座 オフィシャルサイト]
http://www.shinkabukiza.co.jp/perf_info/20180103.html






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川中美幸(テイチクエンタテインメント) 芸能生活40周年記念 歌と芝居の特別公演  ヒットメドレーから新曲「津軽さくら物語」、アルバム「美幸のおとこ唄」も披露  大阪・新歌舞伎座 [舞台公演]

◆テイチクエンタテインメントの歌手、川中美幸の芸能生活40周年を記念した大阪・新歌舞伎座での特別公演が2017年3月15日、中日を迎えて、生きた博多人形の異名持つ役者松井誠と共演した芝居を熱演。2部の歌謡ショーではオリジナル曲のヒットメドレーから、新曲「津軽さくら物語」やアルバム「美幸のおとこ唄」の収録曲などを披露した。40周年に相応しく、笑いと涙、さらには聴き応えたっぷりの充実したステージを見せている。3月24日まで。

川中美幸・新歌舞伎座特別公演.jpg

 2部の「川中美幸オンステージ 人 うた 心」のオープニングで、川中美幸は真っ赤な地に真っ白な鶴が舞う振り袖姿で、1980年の大ヒット曲「ふたり酒」から歌い始めた。赤は自身の還暦を示すが、それを祝うのが白鶴。十数羽が舞っていた。「酉年ですから鶴を...。さて何羽飛んでるのかしら。鶏では絵になりませんしね」。川中らしい返しであった。

川中美幸・津軽さくら物語.jpg オンステージの1部は40周年のヒットメドレー。「ふたり酒」「越前岬」から「ちょうちんの花」「貴船の宿」「二輪草」「おんなの一生~汗の花~」など14曲を歌った。

 40年は川中美幸として、1977年に2度目のデビューをした21歳の時から数えてである。親孝行で知られる川中、中日の前々日、東京に住む91歳の母親・久子さんを新歌舞伎座に招いた。前列で娘のステージを見て「良かった、良かったと言ってくれました」(川中)という。
 メドレー最後の ♪ お母ちゃん・・・・・一生懸命生きている あなたの 背中が道しるべ ~ と歌う「おんなの一生 ーー 」は、まさにその母親をモチーフにしている。

 車椅子ながら元気な母親の姿を見た川中は、40周年記念カバーアルバム「美幸のおとこ唄」(13曲収録)の中から「北の旅人」など7曲を聴かせた。収録曲の1曲「船方さんよ」を歌った三波春夫からは「歌は大衆の中にあると教えていただきましたし、いつもお母さんは元気かと気遣って頂きました」などと、収録曲のオリジナル歌手との思い出も語った。

川中美幸・美幸のおとこ唄.jpg 特別公演のもうひとつの見ものが松井誠の日舞である。人形ケースから飛び出したような博多人形を思わせる艶やかさで舞う姿は、女性をも凌ぐほどの美しさ。着物の早替えの模様をステージ中央で見せて、その素早さに観客もため息を漏らしていたほど。
 松井の踊りには川中の歌が流れて彩りを添えているが、デビュー曲「あなたに命がけ」(1977年)といった懐かしい歌も聴かせてくれた。


 オンステージは 、川中が2017年2月22日に出した40周年記念シングル第2弾の「津軽さくら物語」で締めくくられた。


■91歳まで頑張る!

 1部の芝居は、川口松太郎の「大阪善人」が原作の「めおと喧嘩ラプソディー」。川中は大阪・ミナミの宗右衛門町の料亭の女将役。優しいが浮気が玉にキズの亭主には松井誠、やはり浮気者の亭主を持つ姉でトンカツ屋の女将に三林京子、その夫に曽我廼家寛太郎、音楽評論家で役者の小西良太郎も出演している。
 宗右衛門町などを舞台に、正調大阪弁が飛び交う夫婦喧嘩あり笑いありの夫婦喜劇。芝居を演らせても天下一品の川中だけに、松井、三林との掛け合いも抜群。手放しで笑えて、時折涙もといった短編劇である。

 川中は冒頭から「本来はお1人おひとりお訪ねするところを、一括でご挨拶させてもらいます。長丁場の公演は体力勝負ですが、中日のきょうが一番調子がいいんですよ」と、大阪人ならではの喜劇役者顔負けのあいさつで観客を笑わせていた。
 40周年を迎えては「厳しい芸能界でよう40年もやってこれたと思います。私も(母と同じ)91歳までは頑張ろうと思っています」と、これからの芸能生活に意欲を見せていた。


[川中美幸 オフィシャルサイト]
http://kawanaka-miyuki.jp/
[川中美幸 テイチクエンタテインメント]
http://kawanaka-miyuki.jp/







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中村美律子(キングレコード)  新歌舞伎座でデビュー30周年記念公演 みっちゃんのすべてが分かる「雲の上の青い空 ~中村美律子物語~ 」 歌謡ショーも  増位山太志郎がゲスト出演 [舞台公演]

◆デビュー30周年を迎えている中村美律子が、自身の半生を描いた、ほぼ実話通りの舞台劇「雲の上の青い空 ~中村美律子物語~ 」(作・演出:ジェームス三木、監修:富田梓仁)を大阪・上六の新歌舞伎座で演じている。新歌舞伎座では20年ぶりの再演である。林与一、三林京子、増位山太志郎らも出演している。2部の中村美律子オンステージでは長編歌謡浪曲の新曲「無法松の恋」の挿入歌を披露。と言ってもこちらも歌唱時間は5分弱。このほか「瞼の母」「河内おとこ節」なども歌った。公演中の2016年7月31日には66歳の誕生日を迎えている中村は「芝居は再演でしたが、たくさんの人たちに見に来て頂いています」と話しており、客席で涙を流す人たちの姿も見られた。13日まで。

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「恋の肥後つばき」でデビューして各地でキャンペーンを行う中村美律子

 東大阪・瓢箪山の銭湯で得意の歌を歌って、客から評判の幼い女の子小松美津子は、後に「河内おとこ節」で世に出る歌手、中村美律子である。芝居はその銭湯の脱衣所で彼女が歌うところから始まる。歌い手になりたい夢は持っているものの、母親の死などで父親、姉弟ともバラバラに生活することになる。

 30歳を過ぎた美津子は、生活のために歌手の夢は捨てて、浪曲師として身を立てようと三林京子演じる浪曲師、春野百合子を訪ねて弟子入りする。ここで中村は、今までただ上手いだけの歌に、心の底の悲しみを搾り出して歌うことを身に付ける。今日の中村美律子の基礎を築きあげていく。

 それより以前、まだ20代の中村にはすでにプロ歌手の肩書も付いて、ヘルスセンターやキャバレーで歌っていた。オリジナル曲を作ってもらってレコードを自費出版もしている。そんな時に事務所の依頼で台湾で歌うことになるが、日本に呼び戻されることもなく現地で泣き暮らす経験もしている。芝居ではそんな辛い時期のエピソードも数多く描かれている。

 帰国したしばらくして、劇中ではシンプロダクションとして登場する音楽事務所の富田梓仁によって、その歌唱力を見出された中村は、1986(昭和61)年にワーナーパイオニアから「恋の肥後つばき」でデビューすることになる。
 当初、35歳という中村の年齢を聞いたプロダクション社長役の林与一は「なんやおばはんやないか」と難色を示すが、富田の熱い説得が功を奏して事務所で中村美律子として売り出すことになる。

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歌の上手い美津子は富田梓仁の目に留まってメジャーデビューへ

 デビューしても順風満帆ではない。レコードはうれないし人気は出ない、事務所は多額の借金を抱える。しかし富田の厳しいレッスンは続いた。課題曲の美空ひばりの歌を歌うと「ひばりを真似るな、超えるつもりで歌え」と、何度も叱りつけられる。中村が「もう耐えられません」と泣いて、スタジオを飛び出していくシーンも。

 デビュー3作目の1989(平成元)年6月に東芝EMIIから出した「河内おとこ節」は、半年で大阪を中心に8万枚も売れた。それに続いて「大阪情話」「しあわせ酒」「瞼の母」も売れ、ようやく陽の目を見ることになる。1992(平成4)年にはついにNHK紅白歌合戦に出場するとになり、「河内おとこ節」を歌う。
 ラストシーンではその紅白の出番を待って緊張する中村が楽屋にいる。「私のことは全国では誰も知らへん」と弱気になる彼女に、富田は「大スターが大勢いるけど1500曲も歌ってきた歌手は1人もおらへん」と勇気づける。中村はその言葉に押されるように舞台へと花道を駆けていく。

 大阪のプライベート盤歌手に過ぎなかった中村が、歌手ならば誰もが憧れる紅白の舞台に立つまでのサクセスストーリーに、客席のあちらこちらには涙して、鼻をすするファンがたくさんいた。

■長編歌謡浪曲「無法松の恋」の挿入歌を披露

 その余韻が収まらないうちに2部の歌謡ショー「中村美律子オンステージ 浪花の夏祭り 2016」が始まる。

 この日、観客の期待は久々に出した長編歌謡浪曲。新作を求める人たちの声も多くなってきたこともあって、7月6日に発売されたのが歌唱時間が21分余にも及ぶ「無法松の恋」。さすがに「このステージには収まりきらない」と、中村が選んだのがカップリングに収録されている同名の挿入歌。これでも約5分という長さ。無法松が吉岡大尉の未亡人、良子へ抱く恋心を歌い上げた。

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「無法松の恋」(挿入歌)も披露する中村美律子

 もちろん何度聴いても涙が出てくると、いまだに評判の衰えない「瞼の母」もたっぷりと聴かせてくれる。

 「河内おとこ節」では、きまたにはっぴという威勢のいい姿で登場する中村は、うちわを振りながらこれが中村美律子と言わんばかりの見せ場を作る。
 さらに彼女には「河内音頭」も欠かせない。そぅ~りゃ~の掛け声とともに、歌と踊りで賑やかに盛り上げる。そしてラストは50人の踊り手による総踊りを交えて、新曲「土佐女房」のカップリング曲「美律子の河内音頭~酒飲め音頭」で、華やかに締めくくった。

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友情出演の増位山太志郎

 友情出演している増位山太志郎も新曲「男のコップ酒」などを歌っている。


[中村美子 オフィシャルサイト]
http://www.goldenmusic.co.jp/mitsuko_nakamura.html
[中村美律子 キングレコード]
http://www.kingrecords.co.jp/cs/artist/artist.aspx?artist=34462
[中村美律子デビュー30周年記念公演 新歌舞伎座]
http://www.shinkabukiza.co.jp/perf_info/20160725.html





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生駒尚子(ホリデージャパン)  初の芝居に挑戦した「愛のお荷物」で好演  新曲「浪花の女房」も披露 [舞台公演]

◆ホリデージャパンの歌手、生駒尚子が2016年5月26日、大阪・日本橋の国立文楽劇場で行われた水谷八重子、若林豪主演の芝居「愛のお荷物」に出演した。1部のバラエティショーでは最新曲「浪花の女房」など3曲を歌いました。芝居は初めての挑戦で、お尻を振りふり陽気に仕事をこなす家政婦役を熱演。5月1日から始まった全国20カ所での公演を終えた。

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生駒尚子

 芝居は1955年に日活で映画化されたコメディ。若林演じる厚生大臣は人口抑制問題に取り組んでいるが、秘書で息子の恋人(麻丘めぐみ)に子供ができるなど身の回りで次々と子供が生まれる政治風刺喜劇。水谷が大臣の妻を演じている。
 大臣宅で働く家政婦役の生駒にも子供が出来るというてんやわんやの大騒動。

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 1部のバラエティショーでは暁トリオの漫才とともに、生駒が新曲の「浪花の女房」「花の尚子の夢舞台」を歌った。それに子供の頃から続ける「河内音頭」を客席に降りて歌うと、ファンが席を立って通路いっぱいに踊り出した。地元ならではの千秋楽であった。




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山口みさと(エイフォース・エンタテインメント)  鏡五郎、泉ちどり、三門忠司、千葉一夫新歌舞伎座公演に初出演 大先輩の歌唱を勉強しました  秋には新曲発売へ [舞台公演]

◆広島県大竹市出身でデビュー2年目の山口みさとが2016年4月3日、大阪・上本町の新歌舞伎座で開かれた鏡五郎、泉ちどり、三門忠司、千葉一夫らによる「鬼の演歌祭り~昭和カラオケ四天王」にゲスト出演した。新歌舞伎座初出演の山口はデビュー曲「夜の岩国空港」とカップリング曲の「夢・情酒」など3曲を歌い、客席からのたくさんの拍手につつまれていた。

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山口みさと

 ショーの幕あきは大先輩の鏡五郎が夫婦愛を歌った「男ごころ」(2011年)から。それに次いで登場したのが山口みさと「夢・情酒」を聴かせると、応援に詰めかけた関西在住のファンからは大きな拍手が送られた。
 リハーサルからとても緊張していたという山口は「とにかく歌うことに精一杯だった」という。それでもステージに立って応援に来ている顔なじみの姿を見ると、緊張もほぐれたのか「しっかり頑張って歌いました」と話していた。

 今までは客席から見ていたという山口にとって、新歌舞伎座は憧れのステージだった。
「この舞台で歌えてほんとに感動しました。しかも歌っている自分を応援してくださってる方や初めて私の歌を聴いていただける人たちにも見てもらえて、喜んで頂けたのはとてもうれしかったです」
 その山口が歌ったのは昭和の名曲をカバーした「おゆき」を含めると3曲。その合間にはステージの袖に立って先輩歌手が歌う姿を見つめていた。「素晴らしい歌唱を勉強させていただいてほんとに貴重な体験をさせていただきました」

 10年前に亡くなった父親が好きで良く歌っていたという「おゆき」は、山口が日頃歌っている「柿の木坂の家」や「チャンチキおけさ」など昭和の名曲のレパートリーから選んだ。愛らしい「おゆき」に聴いていた人からは「とても良かった」と好評。「お世話になっている神戸のお店で多数決で『おゆき』に決めました。私と同じように父も声が高かったから合ってたんですね」と山口。


 第2幕では「夜の岩国空港」を披露。
 出身地の大竹市とは隣りの岩国市。そこにある錦帯橋で出逢った2人が、つかの間の夢を胸に夜更けの最終便で悲しく別れる悲恋の歌。山口県の岩国空港をはじめ観光地を織り込んで歌っている。
 「今回、関西の演歌の檜舞台で歌わせていただきましたが、これからも大阪や神戸などいろんなところで皆さんに私の歌を聴いていただける機会を増やして、『夜の岩国空港』」と『夢情酒』を多くの人に聴いてもらえるように頑張ります」

 今年はデビュー第2弾の新曲も予定している。
 「秋ぐらいには出したい」と、今は月2回東京へレッスンに通っているという。


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最近一緒に仕事をすることが多いという千葉一夫(右)と


【イベント情報】
 山口は、この日ゲスト出演した「鬼の演歌祭り~昭和カラオケ四天王」に出演した千葉一夫が2016年5月14日、広島県三原市のみはらし温泉・夢の宿で開く新曲「紀ノ川旅情」のキャンペーンにも出演する。

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歌語り「女の昭和戦記」  10月に東京で公演  高橋樺子が歌い、高沢ふうこが戦争の記憶を伝える  もず唱平構成・演出 [舞台公演]

◆太平洋戦争は国策の間違いであったが、参政権を持たない女性はその国策に加わり、声を発することもできずに、ただ時代に弄ばれるだけだった-。戦争と平和をライフワークとしている作詞家のもず唱平が、原爆体験のある女性の個人史をもとに、語りとオリジナル楽曲や昭和の流行歌で、二度と愚かな戦争を繰り返すべきではないと訴える舞台公演「女の昭和戦記」を、2015年10月16日、東京・新宿の関交協ハーモニックホールで行う。

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「女の東京戦記」の東京公演を発表するもず唱平(左から2人目)


 もずの門下生で徳間ジャパンコミュニケーションズの歌手高橋樺子 = 写真・下 = が、8月22日、大阪・道頓堀の道頓堀ホテルで初めて開いたディナーショー「戦後70年祈念 高橋樺子ピース&ラブサマーディナーショー」の席で、その内容を明らかにした。


高橋樺子2.jpg 今年度の第70回文化庁芸術祭参加公演で、もずが構成と演出をする。女優の高沢ふうこが語りを、高橋樺子が平和を祈念したオリジナル曲などを歌う。評釈師と名付けたナレーターを文化放送の番組「走れ歌謡曲」のパーソナリティー小池可奈が担当する。
 戦争中、父や夫、息子を戦場に狩り出されたことで、多くの女性は女手ひとつで家族を護らなければいけなかった。歌語りでは、そうしたひとりで戦争に翻弄された東北出身の女性の一生を綴る。

 語りを担当する高沢ふうこは演劇集団「ざ・えん」を主宰し、女優兼プロデューサーとして、今までに70を超える公演を行っている。当日は出身地の山形の言葉を織り混ぜて語るという。
 高橋樺子は東日本大震災復興支援ソング「がんばれ援歌」で5年前にデビュー以来、戦争と平和をテーマに歌い続けている。公演では、最新曲で原爆体験した母子の平和記念の歌「母さん生きて」のほか、世界平和を呼びかけるオリジナル曲「ドリナの橋」「サラエボの薔薇」「向こう岸」も歌う。

 歌には「ドリナの橋」など3部作を作曲した田中裕子がピアノ演奏とハーモニーで加わる。

 在阪にこだわり大阪発信の文化の大切さを言い続けるもずが、今回、東京で公演する背景には「東京発信でないと全国へ届かない」といったもどかしさがある。戦争を知る人たちが少なくなった今、同じ過ちを犯すべきではないことを呼びかけることで「数多くの人たちに戦争の愚かさを知ってもらいたい」と話している。

■戦争と平和をテーマに初のディナーショー■


 高橋樺子がディナーショーを開くのは初めてである。たくさんのファンを集めて歌う歌は、すべて戦争の悲惨さと平和の大切さを訴えるもので構成した。
オープニングはもちろん「がんばれ援歌」。出席した人たちは手を打つなどして会場を盛り上げた。

高橋樺子1.jpg
初のディナーショーで歌う高橋樺子

 戦争と平和をテーマに歌い続ける高橋は、背景に非戦の呼びかけなどの想いを込めた数多くの昭和歌謡曲も歌っている。この日もサトウハチロウ作詞の「もずが枯木で」や、宮城まりこが昭和30年に歌ってヒットした「ガード下の靴みがき」、その翌年に島倉千代子が歌ったヒット曲「東京だョおっ母さん」、そして「九段の母」などを歌った。

 世界平和を呼びかけるオリジナル曲「ドリナの橋」「サラエボの薔薇」「向こう岸」や最新曲の「母さん生きて」「そんなに昔のことじゃない」も披露した。

 高橋は「平和は戦争をしないことだけではありません。災害や事故など私たちの生活を脅かすもののないことを幅広く指しています。10月の公演では、そんな社会を目指そうという想いを伝えられればと思います」と話していた。


[高橋樺子 オフィシャルサイト]
http://www.hanako-shriker.com/
[高橋樺子 徳間ジャパンコミュニケーションズ]
http://www.tkma.co.jp/enka_top/takahashi_hanako.html







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