毎年秋の恒例コンサート。三越劇場で行うのは、昨年に続いて2回目。今回のテーマは「和」で、和の世界を中心に大月自らが構成した。
見所のひとつが芸者姿での三味線を弾く場面だった。「<雪国>という舞台で芸者と三味線をやったときに、いつか別の形で披露したいと思っていました」という思いがかなったものだ。
その三味線では、藤本流の藤本秀偵さんと藤本篤秀さんと競演した。「あまり練習ができませんでしたが…」と心配顔を見せていたが、津軽三味線とは違う魅力でもある「やさしさと粋、色っぽい落ち着いた音色」を存分に聴かせてくれた。
「秋のコンサートは、ふだんのホールコンサートと違っていろんなジャンルや空気を出すことができますので、やりがいがありますし、自分も楽しませてもらえるのがいいですね」
約500席の会場は、昼夜2回とも熱烈なファンが詰めかけ満席。大月が歌う全30曲に聴き入っていた。
新曲の「心ひとすじ」をはじめ、「白い海峡」「女の駅」「儚な川」「女の港」といったオリジナル曲を歌うとともに、昭和のヒット曲から「未練の波止場」「すきま風」「細雪」「別れの予感」「有楽町で逢いましょう」「再会」「東京のバスガール」「銀座カンカン娘」「学生時代」「いつでも夢を」を披露。
また和のコーナーで「木遣りくずし」「深川」「勧進帳」「さのさ」を歌った。
大月は「純粋な和というものに興味もあったし、これからも和の持つ粋な空気感をつないで残していきたいと思っています」と話していた。
[大月みやこOfficial Web Site]
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