ライブのタイトルで会場の店の名前でもある「うさなろ」は、うさを晴らして楽しくなろう、という意味。開店当初から店のコンセプトになっている。途中、店は閉店の危機に遭ったが、常連客であり木下のファンたちの熱い想いが後押しをして、今の経営者が買い取ることで存続させている。
そのコンセプト通りにライブは、オリジナル曲のコーナーと観客からのリクエスト曲に応えたり、井上のギター伴奏で歌うなど、誰もが楽しく満足しきった様子だった。
オープニングは4年前に8年ぶりに出したシングル「ウヰスキー」。人生はいつでもやり直しがきく-と歌うそれは多くの人を励まし、CDは今でも売れているしカラオケで歌う人も多い人気曲である。
同様に人気曲の「いとしい あんちくしょう」や新曲「愛は海」のカップリング曲「半夏生(はんげしょう)」も情感たっぷりに歌って、大きな拍手が送られていた。
コンサート会場違って「うさなろライブ」は20数人も入るといっぱいという店内で、木下の歌を間近に聴くことができるのが魅力。同時に井上善日居のギター演奏が聴けるのも観客にとっては大きな楽しみ。この日は夏川りみの「涙そうそう」のソロ演奏を聴かせた。
また木下は井上の美しいギターの音色に合わせて、10代の頃に挑戦していたオーディションでも歌った「ひまわり娘」や「恋」、そして平野愛子が1947年に歌ったちよっとジャジーな「港が見える丘」を歌った。
井上善日居
珍しい歌もリクエストに応えて聴かせてくれた。
それは木下が徳間ジャパンコミュニケーションズから出した唯一のシングル「放されて 2004版」。オリジナル盤を知らない若いディレクターの希望でゴスペルのコーラスを挿入するなど、新しい感覚の「放されて」に仕上がった。熱烈なファンならではのリクエストであった。
この2004版は「すでに廃盤になっている」(木下)が、徳間ジャパンコミュニケーションズから5月25日に発売されたオムニバスアルバム「大阪ソング ウチら&ワテら」に収録されており、再び聴くことができる。
ラストは「愛は海」に続いて「ノラ」、そして集まった人たち全員と握手をして「ありがとう そしてこれからも」を歌った。
充実した2時間のライブにファンは満足しきった表情。次回の「うさなろライブ」は6月23日。同じダイニングバー・うさなろで開かれる。7月18日には太閤園ダイヤモンドホールで「夏は海!愛は海 !! 木下結子サマ―パーティー」も開かれる。これはカラオケを歌い人40人にステージを開放する企画で、もちろん木下も「愛の海」などを歌う。
木下はこれからもうさなろライブを続けていく考えで「たくさんの人たちに自分の歌を届けていきたい」と話していた。
[木下結子 日本クラウン]
http://www.crownrecord.co.jp/artist/kinoshita/whats.html