◆「CD販売は通信(インターネット)に負けてしまいました」
 関西でCDショップをチェーン展開する企業の経営陣の1人が、こうつぶやいた。
 インターネットに負けたのはCDだけではなく、新聞など活字メディアもそうだが、CDのそれは敗北感がより大きい。

 20店舗を持つそのチェーンは、今年からリアル店舗の縮小か、リアル店舗での販売の中止に踏み切るという。
 パッケージの販売は、徐々に携帯端末などからのインターネット注文に切り替えており、リアル店舗による販売は消えてなくなってしまう運命だと見極めている。

 これはアマゾンによるネット販売の利用者の急増、さらにはiPodなどダウンロードの浸透があげられる。

 しかも販売だけではなくCDレンタルも、一部アルバムを除いては、将来需要がなくなると見ており、これもダウンロードへと移行するものと予想する。
 レンタルに対して消極的になっている原因には、このほかに「音楽著作権料が値上がりした」ということも挙げている。

◆CDショップは今、店頭がにぎわいCDが売れるのは、新譜発売日前後だけといった深刻な状態にある。
 あとは店内は閑散としているという。
 しかも年々、売上げは毎月のように前年実績を1割、2割と下回っており、先の明るさが見えない状況が続いている。
 中には閉店したくても、それに伴う出費を恐れて閉店もできない、といった声も聞かれるほど出口のないほど冷え込んでいる。