◆第68回KOBE流行歌ライブが、4月22日、キングレコードの藤原浩、市川由紀乃、テイチクエンタテイメントの菊地まどかをゲストに招いて、神戸・新開地のKAVCホールで開かれた。ほぼ満員の200人近い観客で賑わった。


 最初に出演したのは菊地まどか
 2009年12月16日に発売した「浪曲 嫁ぐ日/浪曲 赤垣源蔵・名残の徳利」から新作浪曲の「嫁ぐ日」と「赤垣源蔵・名残の徳利」のさわりを披露した。


菊地まどか

 もともとは浪曲師の彼女、3月には憧れのテレビ番組「笑点」に出演し浪曲を7分間演じている。
 さらに6月18日にはワッハ上方で林家染丸と2人会を催す予定で、掛け合い浪曲も披露してくれるという。

 演歌歌手としては「浪花女のげんき節」で今年2月にデビューした。
 この日はデビュー曲とカップリング曲の「津軽夢ん中」、さらに中村美律子の「河内おとこ節 」を歌った。

 来月でデビュー17年目になるという藤原浩は、本人も最も好きな曲のひとつという「ふたりの始発駅」、最新曲の「リラの花咲く港町」とカップリング曲の「雨音のバラード」を歌った。


藤原浩

 今回のKOBE流行歌ライブでは出演者がそれぞれ、昭和の名曲を1曲歌ったが、藤原は石原裕次郎の「北の旅人」も聴かせた。
 また遠藤実が藤原のデビュー当初に作った曲「もう忘れました」も歌った。
 「聴くほどにいい歌とわかる」と言われる通りに、彼の歌声がぴったりと悲しさを自然と伝えてくれる。

 藤原は5月22日に「リラの花咲く港町 カラオケ大会」を大阪・梅田のアムホールで開く。予備審査を通過した30人が出場する。
 なおこの催しは同15日に札幌、29日は東京でも実施することになっている。

 今回、最後に出演したのが市川由紀乃
 5月26日には恩師、市川昭介の作品を集めたカバーアルバムも出す予定だ。この日はその中から都はるみの「さよなら海峡」を聴かせてくれた。


市川由紀乃

 市川は、藤原と同じくKAVCホールへの出演は初めて。
 前日から関西キャンペーンで店頭ライブなどをこなしたという。その合間を縫うようにファンの集いにも出席して「早く結婚して」と勧められたという。
 これには「歌うのが楽しくて、まだ結婚の予定はありません」と、まだまだ演歌の世界で歌い続けることを会場で宣言していた。

 さらに「演歌を歌っていて<いいなぁ>と思うのは、今日のようなステージで共演者やスタッフから、舞台のそでから<いってらっしゃい>と送り出してもらえることや、限られたステージの時間をみんなで作り上げること」と、今は演歌が最も愛おしいことを話していた。

 でも新曲の「海峡の夜が明ける」や「横笛物語」は、1人の男性を想い愛し続ける歌であり、妙齢の市川の心情を表すかのようだ。そんな2曲を感情いっぱいに聴かせてくれた。
 この日はまた、「小桜おせん」「花の咲く日まで」も歌った。