長谷川恵美は奈良を中心に関西各地で活動をするジャズシンガーだ。まだ無名ながら2012年2月10日には、大阪・梅田の老舗ジャズライブハウス・ミスターケリーズ(Mister Kelly's)でのライブが決定している。彼女独特のスキャットは聴く人を魅了してやまない。





スキャットでファンを魅了するジャズシンガーの長谷川恵美







 全国でもあまり例がないと言われるハンバーガーチェーンのマクドナルド奈良店の店内で、10月16日にジャズライブが開かれた。
 NPO法人京都・奈良EU協会が今年7月から、同店で開いているEUミュージックフェスタで、その日は地元奈良に住むジャズシンガーの長谷川恵美が出演した。

 長谷川は関西で活躍するジャズミュージシャンによるマーシャル大木ジャズバンドの演奏で、「Beautiful Love」「One Note SAmba」「Like Being in Love」「All the thing you are」「It Don't Mean Athing」「What A Wonderful World」のスタンダードナンバー6曲を歌った。

 ファーストフード店でのジャズライブは日本では馴染みのないイベントだが、ジャズを身近にしてくれる試みとして評価を高めた。
 とりわけ「恵美のジャズの真骨頂」と言われるスキャットには、会場を訪れた人たちの多くが聴き入っていた。



 彼女がジャズシンガーに転向したのはごく最近のことだ。
 日本でのピアノ講師の仕事を投げ打って「自分の音楽をやりたい」と米国のボストン音楽院に学び、10年間、現地でアメリカ音楽に接してきた。
 2年半前に帰国してから、あるコンサートでジャズのスタンダードナンバーを歌う依頼が舞い込んだという。
 知らない楽曲だったが「歌えます」と言ってしまった。
 米国ではジャズに触れていたものの、主に米国のポップスを日本人向きにアレンジしたり、オリジナル曲作りをしていたから、人前で歌うのは大きな挑戦であった。

 「女性ジャズ・ヴォーカリスト御三家の一人といわれるエラ・フィッツジェラルドを、繰り返し聴いて勉強しました」
 「歌では誰にも負けない」というだけあって、短時間で本格ジャズシンガーとしての入り口までたどり着いた。

 長谷川はこの曲はバラードで、あるいはボサノバで、しかもアップテンポで、などと楽器を取り換えるかのように自在に歌う。
 「歌うことが好きだったということと、それ以前からクラシックを勉強していたことが幸いしたのでしょうね」
 ジャズにピタリとはまってしまったようだ。

マクドナルド奈良店でのジャズライブ

 ピアノ講師、ボイストレーナーといった仕事のかたわら、シンガーと同時に作曲も手がける。
 「最も自分らしい音楽を表現する手段として作ったオリジナル楽曲は50曲を数える」までになり、ライブなどで披露している。

 来年2月に予定しているライブの会場、ミスターケリーズは70席足らずのミニライブハウスだが「絶対満員にする」と自信を見せる。
 長谷川は「BGMとしてのジャズではなく、じっくりと聴いてもらえる弾き語りのできるジャズシンガーに」と夢をふくらませる。


[長谷川恵美]
http://on.fb.me/toByVG
[EUミュージックフェスタinマクドナルド奈良]
http://youtu.be/rTXgb8ahkzI