恒例のバースディーコンサートとして、毎年この時期に開催しているが、今年はデビュー15周年の節目でもあり、デビュー曲の「おまえに雨宿り」から最新の「陽だまりの花」までメインの全17曲を歌って、自身の15年の歴史を披露した。
途中、今日まで支えてくれた両親とのエピソードやデビューのいきさつ、くじけそうになった時に支えになってくれた人たちのことなどの思い出を紹介するナレーションをはさみ、2時間30分を超える聴き堪え、見ごたえともにたっぷりの内容だった。
この日は新曲「陽だまりの花」で幕を開け、オリジナル曲と自分の大好きな歌を中心に、岩出自らが構成。開幕直前まで念入りな打合せをして臨んだ。
岸和田生まれの岩出と言えば、やはりだんじり。最新曲のカップリングには、初めてのそのだんじりを歌った自作曲「男の大祭~だんじり」を収録している。岩出は「鳥羽一郎の『「だんじり』を超える歌にしたい」と、この歌への強い想いを語った。
だんじりの映像をパックに、私設後援会の創設者で岩出の一番の理解者だったという故谷会長が大好きだった「なかせ船」や「なごり酒」などを着流し姿で歌って、会場の雰囲気を盛り上げた。
15周年の時の流れを感じさせるかのように、目まぐるしく衣装を変えて観客の目も楽しませた。
岩出はデビュー前から大の五木ひろしファンで知られる。この日も五木の「悠久の男」や「夜明けのブルース」を披露した。
今夏は8月4日には大阪・十三のホテルで、同じタイトルの「陽だまりの花」で日本クラウンからメジャーデビューした塩乃華織とディナーショーを開くことになっている。
15周年記念コンサートは岩出が最も恩人として慕う故谷会長の追悼公演でもあった。
岩出は「偏屈で頑固な昭和のおやじだった谷さんから、おまえを演歌の頂点に立たせてやる、と励まされ、今日のIKC岩出和也クラブができた。新曲『陽だまりの花 / 男の大祭 ~ だんじり』が出来た時も、病院にラジカセを持ち込んで、廊下まで響く大音量で聴かせたことがある」と、想い出を語り、小林旭の「惚れた女の死んだ夜は」を歌って谷会長に捧げた。
コンサートを終えて岩出は「亡くなった谷さんの言葉『演歌の頂点に』に近づけるように精進して、人々の心に届く歌を歌い続けます」と、思いをを新たにしていた。
[岩出和也 キングレコード]
http://210.158.214.223/cs/artist/artist.aspx?artist=20199