◆いよいよ今春、フェスティバル・ホール(大阪市北区)がリニューアルオープンする。
 ここが誕生したのは1958年4月3日でした。クラシック音楽をはじめオペラやバレエ、ポップス、ジャズ、ロック、さらには能や狂言まで幅広い分野のイベントが行われてきました。
 気難しいと言われたカラヤンや大阪フィルハーモニー交響楽団の朝比奈隆もお気に入りのホールとして語っています。











フェスティバルホールが入る大阪フェスティバルタワー

 「魂の祝祭」「神様が創ったホール」などと言われたその音響の良さには定評があり、これまで多くの音楽家や観衆に愛されてきたホールです。


 “音の職人”と言われ、人の何十倍も音にこだわりを持つ山下達郎 = 写真・右 = も、日本でトップクラス(もしくは日本一)のコンサートホールと太鼓判を押し、自身のコンサートツアーで大阪を訪れる時は必ずこのホールを使用していました。
 古いホールの取り壊しが決まった時、彼は「カーネギー・ホールやオペラ座を壊すことと同じ。文化財なのに・・・」と嘆いていたほどです。

 これまで幾多の音楽家たちの血と汗と涙と魂が染み付いていた、あの格調と雰囲気はリニューアルによっても取り戻すことはできないでしょう。それでも、これから新たな歴史を重ね、いつの日か旧フェスティバル・ホールのように大阪を、日本を代表するホールになっていってほしいものです。


 山下達郎は、ホールからの強い要望を受け邦楽ポップアーチストとして、2008年12月、旧ホールでのトリを務めています。それから約4年半ぶりに、5月3、4の両日、リニューアル記念ライヴを行います。

(恵比須堂本店 生駒幹人)



[恵比須堂]
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