芹洋子
話題が高まる「山は心のふるさと」は、1978(昭和53)年に大ヒットした「坊がつる讃歌」などとともに「芹洋子 ベストセレクション2014」に初めてCDに収録された(その後「芹洋子全曲集2015 Empreintes~足跡」にも収録)。2枚組26曲入りのアルバムのうち、1枚13曲すべてが山をテーマにした歌で構成されている。
♪ 山は山は山は 〜と、まるで木霊のように始まるこの歌は「子どもたちの間にも浸透している」(芹さん)ほどで、山を愛する人たちの間で歌の輪が広がっている。
国民の誰もが山と共存し豊かな心を育んでもらおうと、政府が新たに制定したのが「山の日」。「海の日があるのに、どうして山の日はないの」といった、一部の人たちの素朴な疑問が、山岳団体や国会議員を動かしたという。
「山小屋の火を囲む岳人たち間で詩が生まれ、ハーモニカを吹いてメロディーが付けられていったようです。今は女性も山に登る人が増え、山ガールという言葉もできました。東京の高尾山にはハイヒールで登る人もいるほどです。この歌はそんな山に親しむ人たちの間で口ずさまれています」(芹さん)
芹さんの歌には山の歌が多いこともあって、歌に関するイベントも少なくない。去年6月には大分県竹田市久住で阿蘇くじゅう国立公園80周年記念コンサートを、さらには「坊がつる讃歌歌」発祥の地では「芹洋子と歌おう 山の歌」の歌ごえコンサートも開いて、山の歌を数多く歌っている。
そして今年(2015年)8月11日には「坊がつる讃歌歌」の歌碑が、くじゅう連山への登山口飯田高原の長者原に建立されるという。
芹さんは「『坊がつる讃歌歌』とともに『山は心のふるさと』を、山を愛するすべての人たちに、山の恵みに感謝し山に親しむ愛唱歌としてこれからも歌い継いでいってほしい」と呼びかける。
レコーディングした曲は数千
芹さんは、1972(昭和47)年にキングレコードからレコードデビューして今年で43年目になる。その間にレコーディングした曲数は数千曲といい、本人もその数は把握しきれないほどだ。
その中にはミリオンセラーとなった「四季の歌」から、今、ネットで話題になっているという大阪市営地下鉄開業50周年記念ソング「地底のランナー」(1983年、作詞・島田洋子、作曲・キダ・タロー)や企業のCMソングまで多岐に及んでいる。
大阪で開くコンサートは6年ぶりという2月20日の「芹洋子 ふれあいコンサート 2015」では、開催地吹田市のコーラス団体「コーラスヴィータ」など4つの団体と合唱を通じて交流を深める。「山は心のふるさと」の歌唱指導も行い、一緒に歌う。
芹さんは「歌うことは自然に触れるのと同じように、身体の機能復帰など元気を取り戻す効果もあります」と、歌うことの楽しさを話していた。
[芹洋子 オフィシャルサイト]
http://www15.ocn.ne.jp/~seriyoko/
[芹洋子 キングレコード]
http://www.kingrecords.co.jp/cs/artist/artist.aspx?artist=10628