◆戦国時代の武将・石田三成の里で知られる滋賀県長浜市北郷里(きたごうり)地区で毎年秋に開かれている「北郷里フェスティバル」(主催・北郷里連合地域づくり協議会)が2016年10月8、9の両日に開かれ、9日にはテイチクエンタテインメントの入山アキ子の歌謡ショーが行われた。新曲の「信濃慕情」をはじめオリジナル曲に交じって、カバー曲の「旅の夜風」(霧島昇)や「タッチ」(岩崎良美)などの全13曲を歌った。祭り好きの入山は大はりきり。最後にはアンコールにも応えて大きな歓声と拍手が送られていた。



















知り合った人たちはみんな<親戚>と話す入山アキ子

 同市東上坂町の北郷里公民館前の屋外会場では、つきたての餅で作ったぼた餅や焼きさんまなどを北郷里地区の自治会が販売する模擬店も出されて、多くの地域の人たちで賑わっていた。祭りが大好きという入山アキ子もまた、焼きさんまやおでんで出演前のパワーをチャージ。
 地元長浜の中学生や高校生で作るご当地ユニット・Can’ce#59116;浜姫の歌や大道芸が披露されれると、いよいよ入山の出番。



長浜ご当地ユニット「Can’ce#59116;浜姫」と入山アキ子

 入山のデビュー曲は村上幸子が歌った「不如帰」をカバーした同名タイトルの作品(2004年)だった。これは10月19日に発売される「入山アキ子2017年全曲集」(16曲収録)にも入っているが、それから4年後の08年に出したのが威勢のいい「ザンザ岬」(作詞・星野哲郎、作曲・鈴木淳)で、彼女の代表曲のひとつでもある。
 広場に設けられた特設ステージで歌った1曲目は、この「ザンザ岬」からだった。歌いながら天を突きさすように高く挙げる片腕は、北の海から男が帰って来るのを待つ女の熱い想いを表す。客席からは歓声や拍手が沸き起こり、祭りのクライマックスを盛り上げる。次いで歌ったのは初めて関西を舞台にした「紀淡海峡」



 行く先々で初めて知り合った人たちと「<親戚>になりたい」と心がけている彼女は、「リンゴの唄」(並木路子)「高校三年生」(舟木一夫)「東京ラプソディー」(藤山一郎)「TOMORROW(トゥモロー)」(岡本真夜)などカバー曲を歌いながら客席へ降り、1人ひとりと握手して回る。
 それより先には、いつもは一途な女心を歌い続ける入山の普段のステージとは打って変わって「無法松の一生」(村田英雄)を熱唱してみせた。


集まった人たちと歌いながら握手

 この頃からポツリポツリとCDの販売コーナーに集まってくる人たちが増え始めた。客席では手拍子を打つ人や<きれいよ~><かわいいよ~>と大きな声援を送る人もいる。


CDの即売コーナーも人気

 新曲「信濃慕情」を16年9月7日に発売してから、1日も休まずに歌い続けているという入山の恩師は作曲家の鈴木淳。2枚目のシングルからすべて鈴木が作曲を手がけている。最もCDの販売枚数が伸びた前作「女・なみだ酒」も今作「信濃慕情」も当然鈴木の手による作品である。彼女はこの日は「女・なみだ酒」「信濃慕情」を歌って歌謡ショーを終えるはずだった。

 ところが客席からは誰からともなくアンコールが飛んだ。徐々に手拍子は大きくなり、まさかといったふうに少し驚き顔の入山は、この日は歌わなかった新曲のカップリング曲「恋待岬」を元気いっぱいに歌い上げた。気持ち良く歌い切った彼女は「もうひと回り大きな演歌歌手になってここへ戻って来ます」と話していた。




 石田三成出生の地でもあり、羽柴秀吉が居城を構えたりした歴史の街である長浜は、毎年4月に行われる日本三大山車祭のひとつ長浜曳山祭でも知られている。
 また10月15日には、全国から集まった着物女性約1000人が長浜の街をそぞろ歩く日本一の着物イベント・長浜きもの大園遊会、さらに10月29、30日は阿波踊りなど国内外の祭りや踊りが集結する「日本の祭りinながはま2016」も開催される。


[入山アキ子 オフィシャルサイト]
http://xn--cckwa042wikihmb.jp/
[入山アキ子 テイチクエンタテインメント]
http://www.teichiku.co.jp/teichiku/artist/iriyama/