ララバイ(子守歌)という言葉が13回出てくる。冒頭の奇麗でしょう ~ との言葉と重なって、別れの切なさ辛さが歌の真ん中から高まっていく。後半にかけてさらにそのスケールが大きくなる。そんな女性主人公の哀愁感を、1つひとつのララバイの1語1語に込めているかのようでもある。
「女性であれば多くが持ち合わせる心の内を表している」(藤森)のが、この「あなたに贈るララバイ」なのである。
「ためてためて歌う演歌と違って、キレ良くドラマチックに歌っています」
カップリングの「風のれん」は、藤森自身が作曲した作品である。自らは下戸ながらも、手酌で別れた人への未練を飲み流している女性を歌う。
藤森のシングル枚数は12作目。元は電子オルガンの講師をしていたが、子供の頃からの夢であった作曲家への道を諦めきれずに作品を作りつずけていた。薦められて演歌を書いたのをきっかけに、自分で歌うことに。それに際して作曲家のたきのえいじに師事し、「祝辞」(1998年)を歌ってプロ歌手デビーを果たしている。
デビーから20年、今でも忘れられない作品は、2008年に出した「エプロンの詩」である。折れそうになる彼女をずっと支えてくれていたのは、亡き母だったという。
「今までに色んな大きな波を乗り越えてきましたが、そつど多くの人に助けられてきました。中でもいつも応援してくれていた母への感謝の気持ちは人一倍で、『エプロンの詩』は、そうした母への想いをを歌ったものです」と、これからも大事に歌っていくとしている。
[藤森美伃 オフィシャルサイト]
http://www.87yume2.com/hp/fujimori/
[藤森美伃 徳間ジャパンコミュニケーションズ]
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