三門忠司は自らの歌世界で、男を、そして夫婦を歌い、さらにはなさぬ仲の男女を表現してきた。そうした多くの作品の中で共通しているのは男の生き様を歌っている点であろう。新曲「人生坂」とカップリングの「なぁ酒よ」もまた、紛れもなくそうした1曲なのである。
発売前日の4月17日から始まった新曲発売記念の関西キャンペーンでも、たくさんの女性ファンが三門を追いかけ、席を確保するために早い時間から列を作って開演を待った。そんな光景を目にすると、三門が歌う男の生き様に魅せられた人たちが如何に多いかが分かるようである。
「この歳になっても毎年、新曲を出してもらえるということは有難いことです。ファンには同世代の人も数多くいます。体調を崩してしまった、という声も聞かれます。そんな中から聞こえてくる『1年でも長く歌って』といった声援をエネルギーに、歌っていこうと思ってます」
カップリングの「なぁ酒よ」は、男心の切なさをスローなテンポで歌っている。
「最近は沁みるような切ない歌が少ない」(三門)ことから、この歌詞とメロディーが出来上がった。作詞の志賀大介は「男なら誰でも、こんな事あるよな」という世界を書いた。
それならば歌ってみたい、という人も少なくはないのだが「この作品は作り手が、どや、歌えるものなら歌ってみい、と挑戦状を叩きつけたかのよう」(三門)な楽曲である。
それに対して三門は「詞と曲の邪魔をしないように、自分の声と気持ちを寄り添うように歌えばいいでしょう。力まずに半分の力で歌い、残りは聴く人に膨らませてもらえばいい」とアドバイスする。
多くのファンは三門の歌に「忠さんの声に癒され、ホッとする」という。「人生坂 / なぁ酒よ」は、そんな人たちに大きな力を与えてくれるのかもしれない。
「人生坂」の最後に ♪ 人生坂は 誰の坂でも ないんだよ そうさ自分の 坂なのさ 〜 とあるように、三門は「僕も1人でも多くの人に聴いてもらえるように、CDを精一杯販売しヒットさせて、応援してくれている皆さんに応えていきたい」と、2年後に迫ったデビュー40年に向けて意気込みを見せた。
[三門忠司 テイチクエンタテインメント]
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