連日たくさんの人たちで賑わう千日前にあるビルの一角のカラオケ夢想歌で、毎月1回開いているchu-chu-ライブは、木下結子が11年前からタイトルと会場を変えながら続けてきたワンマンライブである。オリジナル曲のほかに事前にリクエストがあったカバー曲の歌唱、ギタリストの井上善日居によるソロ演奏などを盛り込んでいる。
この日は30人近い人たちで店内はいっぱい。発売間もない新曲「おはじき」を聴こうというのはもちろんだが、もうひとつの狙いはサイケ調なボーダー柄のTシャツにパンツといったコスチュームを一目見ようというものだった。
新曲用にしつらえた衣装だが、ライブでは全11曲を歌唱し終わるまで、新しいコスチューム姿を楽しませてくれた。
「おはじき」は、作詞が高畠じゅん子、作曲は杉本眞人、そして編曲が矢田部正で、都会の孤独の中で独り、自分とにらめっこして生きる女性の心の内面を歌っている。時代設定は1970年代。サイケなコスチュームの派手さが心の内の寂しさを象徴しているようでもある。
この日の歌唱はオープニングの「愛は海」から「マリーゴールドの恋」「ノラ」と続き、新曲の「おはじき」カップリングの「チャオプラヤ川」をはじめとしたオリジナル曲。さらには「人生しみじみ...」(天童よしみ)などのカバー曲、リクエストの中から「霧のかなたに」(黛ジュン)「女郎花」(山之内圭)なども聴かせた。
木下は今年9月でデビュー35周年を迎えるが、2年後の還暦時に「大きなイベントを考えている」といい、今年は新曲「おはじき」の歌唱に集中する、という。
その「おはじき」は「楽しく、明るく踊りながら歌ってもらえるとうれしいです」と木下。
ところでこのサイケな衣装は夏バージョンで「キャンペーンやライブ専用」という。
木下は「ジャケット写真では帽子をかぶっています。秋口まではこのコスチュームで歌っていきます」としており、しばらくは周りを明るくしてくれるこの衣装を見られそうである。
しかし、12月20日に大阪市内で開催が予定されている恒例のクリスマスディナショーでは、果たして冬バージョンのサイケな衣装が見られるのかはわからない。
[木下結子 オフィシャルサイト]
http://nora-yuiko.jugem.jp/
[木下結子 日本クラウン]
http://www.crownrecord.co.jp/artist/kinoshita/whats.html