新曲の反応は。
「このタイプの歌は初めてで、上手く歌えるか、お客さんの反応はどうかなどを心配していましたが、それも取り越し苦労でした」
そのためか「歌っていると背筋が伸びるようです」とも。
この種の歌には付きもののジメジメとした暗さはなく、むしろ希望を感じられる歌になっている。小桜のイメージには、これがピッタリと合っているようだ。
そんなこともあってか、小桜は「歌っている表情が良くなったようで」という。
さらに「歌に登場するような、ぐいぐいと引っ張ってくれる男性には憧れますね」と、話してくれた。
背筋が伸びる訳がわかるような気がした。
フリーアナウンサーの牛尾淳は<デビューシングルCDのジャケット写真の顔と変わっていませんね>と、若々しさをほめていたが、本人も「まだ2、3年しか経っていない感じです。10年はあっという間に来てしまって、実感がわかないですね」という。
しかし10年のキャリアは、小桜を歌うことを楽しむ余裕ができるまでに育てた。お客との対話にもゆとりもできている。関西では聴く人の反応がダイレクトに返ってくるが、それにも十分に楽しめるまでに成長している。
10月には大阪と神戸で開かれた流行歌ライブに、3年ぶりに出演した。
神戸の会場は、ステージと客席が近いこともあって、お客はステージでの小桜の話にもすぐにリアクションがある。そんなライブ感覚が気に入っている。
今年から再び、関西でのキャンペーンに力を入れる。流行歌ライブに続いて10月31日には、神戸市のホームズスタジアム神戸(ウイングスタジアム)のメインスタンドで行われた「第2回演歌まつり」にも出演した。
デビュー10周年を迎えた小桜舞子
◆「今年はうれしいことがいっぱいでした」と、振り返る小桜。
そのひとつが、靖国神社で歌う機会を得られたということだった。
靖国神社能楽堂で開かれた「第64回御霊祭り奉納歌謡祭」に出演した。初めての”舞台”に重ねて、ペギー葉山、三浦光一、大津美子、神楽坂浮子など錚々たる顔ぶれの出演者に交じって歌うとあって、緊張の連続だったという。
彼女は二葉百合子の代役として「九段の母」を歌ったが、出番の直前までMP3プレーヤーで歌を繰り返し聴き、歌詞を間違えないようにと練習したというほど。
「戦争を体験された人たちが歌ったり、耳にしてきた歌を、これからも歌い継いでいきたい、と感じさせられる良い機会でした」
作詞は故木下龍太郎が担当したもので、「大好きな歌のひとつなっています」という。
11月28日に東京都内の浅草公会堂でデビュー10周年の記念コンサートを開催するほか、12月3日には綾小路きみまろが主演のNHK・BSの「ごきげん歌謡笑劇団」に出演するなど、大きな仕事が待ち受けている。
ごきげん歌謡ショーでは、林与一の弟である林啓二と<婦系図>を共演することになっているという。
[小桜舞子]
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