晴明神社の本殿前に立つ小金沢
「願・一条戻り橋」は、前作「俺の夕焼け」に次ぐデビュー25周年記念曲の第2弾。いずれも小金沢と同じ「中年ど真ん中の人たちの想い」を歌っている楽曲で、作詞が志磨ゆり子、作曲は大谷明裕。今なお評判が高い「ありがとう・・・感謝」と同じコンピで、CDショップでの売れ行きランキングも上位キープしているという。
亡くなった肉親、別れた愛しい人など大切な人との哀しい別れは、人それぞれが持っている。そうした人と、夢でもいいからもう一度会いたい、と誰もが思う気持ちを小金沢は淡々と歌う。それが好調な売れ行きにつながっている。
晴明神社の境内で歌う小金沢
京都市内の北、堀川にかかる小さな橋、一条戻り橋は、平安京遷都の794年に造られたという古い歴史を持ち、失った人との再会がかなうという言い伝えが今なお残っている。
1995(平成7)年まで使われていた橋の欄干が、近くの晴明神社に移されている。小金沢は神社の本殿で「願・一条戻り橋」のヒット祈願をしたのち、境内にある橋のレプリカの前で歌を披露した。
小金沢は「歌詞は切ない内容ですが、決して悲しく歌っていません。そうすることによって、もう一度会いたいという心の叫びを表現できると思うからです」と、聴く人の心を癒す歌唱に気を配る。
新曲への想いをファンに話す小金沢
普段は決して歌の主人公にならないという彼だが、今回だけは例外のようだ。
「ぼく自身が主人公であり、聴いてもらっている1人ひとりが主人公になって聴いてもらいたい」
3人姉弟の小金沢は、5年間介護をした母親を3年前に亡くしている。母親との時間が長かったというだけに「ぼくにとってもう一度会いたいのは母さんです」と、その想いを歌にぶつけている。
「小さな規模の店頭ライブを考えており、この歌が皆さんに届けられるようにしたい」
新曲は10、11月の2か月間、NHKユアソングとして放送されている。東日本大震災の被災者からは「ラジオで聴いて涙が止まりませんでした」とメールが届いたなど、全国から同じようなファンレターが寄せられているという。
パワースポットでもある晴明神社の力をもらって「25年間の歌手人生でお世話になった人たちへの恩返しの意味でNHK紅白歌合戦にも出場したいです」と、話していた。
現在の一条戻り橋で
[小金沢昇司 北島音楽事務所]
http://www.kitajima-music.co.jp/shoji/
[小金沢昇司 キングレコード]
http://www.kingrecords.co.jp/cs/artist/artist.aspx?artist=12371