山川豊が、デビュー30枚目のシングル「優しい女に会いたい夜は / アーバン ボクサー」を、2013年5月22日に出した。<両A面>と言うほどに自信作で、「2年間は歌いますよ」と言い切った。かつて、はいずり回ってレコードを売ったように、この曲名が山川豊の名前と一致するまで頑張る意欲を見せている。














 「アメリカ橋」に次ぐ代表曲を、ここ数年模索してきた山川は、1981(昭和56)年に「函館本線」でデビューしている。その年の第23回日本レコード大賞新人賞を受賞するなど、数々の新人賞を獲って、デビュー曲は一躍、彼の代表曲になった。
 新人時代、何も考える暇もなく1枚のレコードを売るために走り回ったという。メーカーの宣伝担当社員もそれに一緒になって、ホテルに帰ると午前3時、4時といったことも少なくなかった。

 業界の環境は変わったからか、そんな<熱血ドラマ>はどこかへ消えてしまった。カラオケで歌ってもらいやすい曲ばかりを作って歌う時代になったという。
 それに反発するかのように出した新曲「優しい女に会いたい夜は」は、グレンミラーのサウンドを背景に、管楽器を組合わせるなどして昭和の懐かしいブルース調の楽曲に仕上げたという。

 作詞はポップスが得意な紙中礼子、作曲は花岡優平。花岡が表現したかったという6、7曲の中から、これを選んだ。
 「ピアノだけでも歌えるような昭和の雰囲気がいっぱいのメロディーを求めた」と山川。



 カップリング曲の「アーバン ボクサー」は、山川と同じ事務所のグッチ裕三が作詞・曲を手がけた。いつかは歌いたかったボクシングをテーマにしたリズミカルな歌である。
 「誰でも壁にぶつかる時があるはずですが、そんな時に口ずんでふる里を思い出して頑張ってほしい。若い人へ向けての応援歌です」

 自分自身でも30年もの間、ボクシングを行ってきた。今でこそトレーナーという裏方に徹しているが、かつてはリングで闘ってきた。
 「ジムで練習中に流す音楽がないんですよ。勇気や元気が出るそんな歌がほしいと常々思っていて、グッチさんに話していたんです」

 「優しい女に会いたい夜は」と「アーバン ボクサー」はそれぞれ想いは違うが、昭和の懐かしい楽曲である点では共通している。
 かつて「しぐれ川」「きずな」と歌いつないで、代表曲になった「アメリカ橋」に結びつけたという実績からも、「そろそろ次のステップにきているようだ」と、新曲のヒットを目指して今日も歌う。


[山川豊 オフィシャルサイト]
http://www.nagarapro.co.jp/top/artist/artist.php?id=3
[山川豊 ユニバーサルミュージック]
http://www.emimusic.jp/artist/yamakawa/