岩手県大船渡市出身の大沢は、地元岩手を舞台にした歌を歌い続けている。前作の「ハマギクの花」、前々作の「恋し浜」など今までに6作品が岩手を歌ったもので、そこをたどるだけでも<桃子と巡る岩手ツアー>が出来あがるほどだ。
地元ではさんりく・大船渡ふるさと大使など三つの大使を務め、今年1月15日には新曲「イギリス海岸」に合わせて、歌の舞台の花巻市から花巻イーハトーブ大使を委嘱されている。まさに岩手県を代表する歌手のひとりになっている。
その大沢が出した新曲「イギリス海岸」。実際に花巻市にある地名である。
「震災から3年が立ちますが、今なお苦しみに立ち向かっておられる人たちもたくさんいらっしゃいます。そうした逆境にも負けないで生きる力になる歌を作りたい、と考えた時に出てきたのが郷土の作家宮沢賢治の、雨ニモマケズ 風ニモマケズの詩でした。舞台はどこにするかと考えた時に浮かんだのが賢治命名のイギリス海岸でした」
前々作の「恋し浜」では、今年4月に全線開通する岩手県の第3セクター、三陸鉄道の小さな駅を歌った。記者はその駅の存在を初めて知った。どうしてこうした作品が次々と出来あがるのか。大沢に聞いた。
少し考えて大沢は「感じて、ふくらませる、それかな」と、拍子抜けするぐらいに答えは簡単だった。地元を離れて暮らすからこそ膨らむイメージもあるのだろう。彼女は1年に1作といったペースで詞を綴り、曲を書く。
これに地元も黙ってはいない。陸前高田市の商工会女性部から「形ある物は消えてしまうけれど、歌は消えない。みんなで輪になって踊れる歌がほしい」と大沢に依頼が舞い込んだのは一昨年のことだった。♪ 陸前高田に夢が咲く ~ と歌う「陸前高田・しあわせ音頭 ~復興支援ソング~」 は、テレビにも取り上げられ、昨年10月に出したCD「大沢桃子全曲集~ハマギクの花~」には初めて収録された。
大阪・十三の恵比須堂本町店でのキャンペーンに集まったファンと一緒に
デビュー当初からふる里岩手を歌い続けたが「震災の後はふる里が元気になり、希望の光を見出すことが出来る歌を意識して書いて歌ってきました」と、ふる里を想いやる気持ちが創作をかきたてる。
デビュー11年目の今年は「新しい作品作りなどやりたいことはたくさんあります。今までは一つひとつ次の階段を上がるような感覚で歩んできましたが、それとはまた違って、銀河鉄道を舟に置き換えた<銀の舟>に夢を載せて羽ばたきたい」と話す大沢には、今年何かが起こりそうな気配がした。
自信の新曲プロモーションビデオはYouTube http://youtu.be/1ZhwyvREgUA でも公開されているが、現在配信中のカラオケでも間もなく映像が切り替えられるという。
2月16日には大阪府岸和田市の浪切りホールで開かれる 「第4回きしわだ歌謡祭」 に出演する。
[大沢桃子 オフィシャルサイト]
http://bspro.jp/momoko/
[大沢桃子 徳間ジャパンコミュニケーションズ]
http://www.tkma.co.jp/enka/oosawa/