「私の歌を初めて聴く人が涙を流してくれて、CDを買ってくれるんですよ」
岩波は少し照れ臭そうに話す。
初めて挑んだメジャー調(明るい曲調)は甘酸っぱく、フォークソングの香りも漂っている。杉本が得意とするメロディだ。
10年来の付き合いがあるという杉本には、岩波はなんでも話ができる間柄である。
芸能界入りする以前の彼女はキャビンアテンダントをしていた。そんな頃に知りあった3歳年上の男性と恋に落ちたが、間も無くアメリカへ渡った彼とは遠距離恋愛。
「こっちへ来ないか」と誘われたが、芸能界でスターになる夢を持つ彼女は海を渡ることが出来なかった。
その時に交わした言葉が「10年経ったら - 」である。
「あの時に<はい>と言っていたら、歌手にはなっていなかったでしょうね」
そんな体験を杉本に喋った。
男性は今は結婚もしてアメリカで仕事を頑張っているだろうという。
「もう一度逢えたら、私も頑張ってるよと知らせて、さようならと言いたい 」
「上手に歌おうと思わずに、別れた時を思い出しながら素直に歌ってます。女性の切ない気持ちが表現できたら聴いてくれる人たちに届くでしょう」
辛い出来事だったはずだが、それをさらりと流れるように歌う。まるで他人が演じるドラマのように。それが歌の切なさを増しているようだ。
ところで岩波さん、結婚は?
「願望はありますよ。でもいつまでも歌は続けていたいですね」
その歌は「2020年の東京五輪に向けて日本の歌謡曲を海外の人たちにもっと知ってもらいたい」を、元キャビンアテンダントらしく夢は大きい。
[岩波理恵 オフィシャルサイト]
http://yaplog.jp/dsrie/
[岩波理恵 徳間ジャパンコミュニケーションズ]
http://www.tkma.co.jp/enka/iwanami/