たくみはこの作品を出すにあたって日本クラウンに籍を移している。新曲発売日の8月5日には、同社宣伝、営業などの応援をもらって、東京・八重洲北口の「HIT STUDIO TOKYO」に業界関係者など約100人を招いて新曲発表会を開いたが、これがまた約5分間の新曲を歌いながら得意の酒の肴を作るという業界初のイベントとなった。
酒肴作りが趣味といい調理師免許も持つたくみは、「一人静」の歌詞からイメージした「流す涙のアボガドめんたい」「未練断ち切る梅たたききゅうり」「あなた好みのとりでもサラダ」の三品を歌い終わるまでに作り上げた。
「事前に時間をはかりながら事務所で、歌いながら料理を作る練習を3、4回練習をしました」
そんな派手なスタートを切った「一人静」は、後援会やメーカーなどの応援もあってオリコン誌の演歌・歌謡曲チャートでは初登場9位という、自身では初めての数字を記録した。
たくみは「ビックリでした。うれしいというか、応援していただいた皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。これをきっかけに、さらに上を目指してがんばります」と、顔をほころばせていた。
■アコースティックバージョンのライブも予定■
突然と言ってもいいくらいのオリコン9位。本人がびっくりするまでもなく、周囲の多くも驚いたようだ。その要因は?
「スタッフをはじめ全員がひとつの目標に向けてスタートを切ったのがCDの販売を勢いづけたようです」とたくみ。
今回、作詞と作曲を1人で手がけたたきのえいじは、たくみの作品は「一人静」で5曲目になる。やや声を抑え気味に歌ってきた今までとは、今作は大きく違っている。
「『昴』のようにスケールの大きな歌謡バラードを歌ってみたいんですと、たきの先生にお願いしてみました。すると出来あがった作品は直球ど真ん中の思っていた通りのものだったんです」と、たくみはうれしそうに話す。
決して力みのない歌唱ながら「最後のフレーズはこの歌の勝負どころで、一番のサビですね」とたくみが言うように、この歌は聴いた人に強く印象に残る。とりわけ歌い終わりにかけての盛り上がりが、心を揺り動かせるというのだ。
ちいさな花の一人静だが歌の「一人静」は「全体に壮大さを感じさせてくれて、そのちいさな花との対比がとてもおもしろい」(たくみ)とも。
新曲を発売して1ヶ月が過ぎた。たくみは「評判は良い」と目を細める。
先日も名古屋のCDショップなどでキャンペーンをしたが、いつも以上にCDの売行きが良いという。オリコンチャートを裏付けているようだ。
「歌の力を感じています」
9月12日には東京・澁谷にある川中美幸プロデュースのバー・Barまいどおおきにでライブ「たくみ稜アコースティックなひととき」を開く。ピアノとバイオリンで「一人静」を歌う。この歌にピッタリなステージかもしれない。
こうしたアコースティックな歌唱をカバーするCDも制作準備中だとか。
たくみは「今回の新曲は僕にとって代表作になるものだと思っています。歌がひとり歩きして、カップリング曲のタイトル通りに『見果てぬ夢』をつかみ取りたいですね」と、話していた。
[たくみ稜 オフィシャルサイト]
http://www.ryo-star-music.com/
[たくみ稜 日本クラウン]
http://www.crownrecord.co.jp/artist/takumi/whats.html