今年7月でデビュー10周年を迎える。前作の「海鳥哀歌」は、等身大の女性の心のうちを歌っているが、今作の「おんな炎」は内も外も大人の女性をモデルに、その情念を歌う。
女の情念の代表曲に良く挙げられるものに石川さゆりの「天城越え」がある。と言っても正直、何を情念というのか判然としない。それを花咲は「一言でいうと、愛と憎しみでしょうか」とみる。
今年9月で36歳になる彼女は、自分が歌う女は、まだまだ子どもが歌っているようだと悩んだ。
彼女はデビュー前の2002年から作曲家の新井利昌に師事して、レッスンを受けてきたが、今回初めて師匠以外にレッスンを求めた。それだけ大人の女の情念が彼女に大きくのしかかってきたのである。
「大人っぽくするために弦先生にも指導を受けました。吐息混じりの歌唱や低音の厚み・重みを出してみたり、藤あや子さんをイメージして歌って魅力を出す工夫もしてみました」と、あれこれ試みている。
そんな燃え上がるような女の情念を、情感込めて歌い上げる花咲の表情にそれを感じた。
4年1ヶ月ぶりの出演だったというKOBE流行歌ライブでは、新曲「おんな炎」のほか、小林幸子の「雪椿」もカバーして聴かせた。小林もまた情念の表現には光るものがある。それだけに花咲は「(歌うのに)緊張したけれど、歌の内容が苦労した母とも重なって、ゆったりと歌うことができました」と、4年前よりもずっと大人になったステージを披露していた。
カップリング曲の「揚羽蝶」は下地亜記子作詞、弦哲也作曲である。編曲は「おんな炎」と同じ川村栄二。3拍子のワルツのメロディーだが、弦からは「スウィングジャズのように歌って」と、アドバイスを受けている。
「先生からお手本となる歌唱を聴かせてもらい、それを真似て歌っています」と花咲。
今年は「この『おんな炎』に勝負をかけたい」と意気込む花咲、歌以外にもいろんなものに挑戦していくという。2017年7月に東京・立川の立川パレスホテルで10周年記念ディナーショーを開くほか、同10月8日には、東京・日本橋の日本橋三井ホールで10周年記念コンサートも予定している。
(撮影は2016年です)
[花咲ゆき美 オフィシャルサイト]
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[花咲ゆき美 日本クラウン]
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