24枚目のシングル「咲いてみないかもう一度」の詞は、香川県在住の作詞家・原文彦が岩出和也に初めて書いた作品である。作曲は徳久広司、編曲は南郷達也である。
デビューしてすでに21年目になる岩出だが、「咲いて ー 」に著された詞は、まるでデビュー曲の「おまえに雨宿り」(1997年)と2作目の「赤いハマナス」(98年)の続編のような内容である。
デビュー曲では愛しい人といきなり別れることになるのだが、2作目では主人公は別れた人を目にしたという噂を耳にする。そして今作では、見事に再会を果たすのである。20年間、別れ別れに過ごしてきた2人だが、もう一度俺に賭けてみないか、と心揺さぶるといったストーリーである。
まるで仕組まれたかのような〈21周年記念曲〉なのである。
「1年1作のペースで新曲を出し、その都度そんなに変わったことはしていないのですが、やはり楽曲の良さに支えられているんでしょうか」
岩出は控えめである。
去年の「東京陽炎」は、杉本眞人作曲の歌謡曲タッチな作品だったということもあって、「新しいファンの応援もあった」と岩出。ところが今作では、引き続いての新しいファンたちに混じって、旧来からのファンによる応援が多い。
それも2011年の「おまえに やすらぎを」からの一連の〈やすらぎ演歌〉という、岩出らしい男の優しさを歌う路線へ戻っているからなのだろう。
■松山千春に触発されたライブ
デビュー20年を境に岩出和也の中で、何かが動きはじめている感がある。今年はそれを形にする。7月15日に大阪・新大阪駅近くのメルパルクOSAKAホールで開く「21世紀・・・岩出和也21周年記念スーパーライブ」がそれである。
地元大阪でのスーパーライブは富田林市などで行ってきたが、大阪市内に会場を移すのは初めてのことである。そこに今年は久し振りに、10人編成規模のの生バンドを入れる。
オリジナルの岩出演歌・歌謡曲は言うまでもないが、自らによろ書き下ろし曲も2曲ほど聴かせるほか、カバー曲も盛り込む。
さらに今回は周年を記念して「ぼく自身のデビューから今までの奇跡を写真と文章で綴った小冊子を来場者にプレゼントする」といった趣向も凝らす。
いつもとはちょっと違ったステージが期待が期待されている。
[岩出和也 オフィシャルサイト]
http://www.sunnysb.jp/iwade/
[岩出和也 キングレコード]
http://www.kingrecords.co.jp/cs/artist/artist.aspx?artist=20199