「小手毬草」のジャケット写真やポスターなどに見られる竹村こずえの衣装の着物は、彼女が母親から2014年のデビューに合わせて作ってもらったという一着である。デビュー曲「能登の海鳴り」は、女心をダイナミックに歌うパンチの効いた力強い作品やブルース調の楽曲であっただけに、衣装はドレスになった。以来、その着物は長くタンスに仕舞われたままなっていた。
この晴れ姿を目にした母親は「いつ着てくれるのかと気を揉んでいたようですが、今はすごく喜んでくれています」というから、まさに楽曲に合わせたかのようなエピソードである。
前作の「おんなの仮面」は、今年1月に発売された。しかし間も無くしての新型コロナウイルス騒動である。あらゆる活動の自粛が求められ、新曲を出したけど歌えない、といった状態が今に至るまで続いている。
「ステージの仕事もすべてキャンセルで、どうやって新曲を皆んなに知ってもらえば良いのか」と悩むばかりだったという。
そんな中での新曲「小手毬草」のリリース。
「家に居ながらにしてして、(歌を)楽しんでもらえる方法を考えていますが、他の人と同じことはしたくないし、色々と模索しています」
ファンクラブの会員も多くは70代。インターネットを使いこなせるのもごくわずかというから、たくさんの歌手が始めているネット配信も始められずにいる。
■トリマーの資格取得
竹村は<資格好き>である。今までにも大型自動車免許、船舶免許、美容師、エステ・ネイルと次々と取得していった。6つ目として、今年5月にトリマーの資格を取っている。芸は身を助けると言われるが、まさか新型コロナの影響でトリマーに転職でもあるまいが、これには少々訳があったようである。
彼女は2匹のペットの犬を飼っているが、そのうちの1匹が急性胃腸炎に罹ってしまった。原因はがまた厄介で、人見知りをする性格の犬なのである。他人に触られることを極度に嫌い、トリミングサロンでも大騒ぎな状態であったからだ。
「それなら私がトリマーの資格を取って、私がシャンプーから、ブロー、カット、爪切り、耳掃除など、すべてをしてやろう、となったんです」
竹村は集中力が人一倍高い。
「これをやろうと思うと、それしか見えないんです」
歌手になろうと思った時もそうであった。
「歌を猛勉強し、デビューが決まるまでレッスンも受けることもなく、とにかく目標を目指して頑張りました。やり遂げないと気が済まない性格なんです」
「小手毬草」をたくさんの人に届けたい。その強い想いが、発売直後のオリコン11月16日付け演歌・歌謡曲チャートでは、初登場6位にランキングされる、といった結果になって現れている。
こんなところにも強い集中力と見られる。
[竹村こずえ オフィシャルサイト]
http://www.tree-top.jp/
[竹村こずえ 日本クラウン]
http://www.crownrecord.co.jp/artist/takemura/whats.html