◆ヴァイオリンとピアノのユニット「TSUKEMEN」が、2010年3月24日にキングレコードからのメジャーデビューを控えて、2009年12月16日、大阪・西天満のフェニックスホールで、コンサート「TSUKEMEN LIVE」を開いた。
 会場いっぱいに埋め尽くした約300人は演奏が終わっても席を立つ人が少なく、最後まで拍手を送っていた。
 彼らが言うように聴衆に元気を「チャージしてもらえるコンサート」であったようだ。

 TSUKEMENはリーダーでヴァイオリンのTAIRIKUと、同じヴァイオリンを担当するKENTA、ピアノのSIGURUの3人。
 いずれも1984年~85年生まれで、音大出身の経歴を持つ。1年前にサントリーホールでデビューを飾り、今年1月にはファーストアルバム「序章~プロローグ~」を発売している。


映像はYouTubeからで、「TSUKEMEN LIVE」当日のものではありません

 彼らが演奏する楽曲はクラシックはもちろんジャズ、ポピュラー、映画音楽、さらにはアニメソングなど幅広く、心地よい音色でどんな聴衆でも楽しませてくれる。そんな印象を与えてくれる。
 アニメソングはこの日、「創聖のアクエリオン」を演奏した。

 5曲目に演奏したオリジナル曲の「RAIN」は、SIGURUによる作品。今年8月に、NHKハイビジョン特集で放送された「少女たちの日記帳」に演奏、提供したというものだ。
 この曲は「アニメの北斗の拳の情景を頭に描いて書いたが、シンプルな音で構成」(SIGURU)しており、前半はピアノ演奏中心に暗くて重い感じを抱かせるが、後半は「止まない雨はない。明日への希望を込めた」(同)という曲になっている。

 このほかにもすでにテレビで放送さたオリジナル曲として、2番目に演奏した「ひかり」がある。テレビ東京系の日本サムスン提供番組のCM曲として流された。

 会場ではまた、「ラ・カンパネラ」「Devil'Dance」や、オリジナル曲では「RAIN」、それにピアノを目立たせたいと思ってSIGURUが作ったという「BASARA」、素敵な羽が生えてどこかへ飛んでいきたい思いを込めたKENTAの「虹色の翼」、空気がきれいなTAIRIKUの故郷の空を思い描いた「星唄」など15曲を演奏した。

 来年3月に発売するメジャーデビュー1作目のアルバムには、これら演奏楽曲の中から12曲が収録される予定だという。

◆TAIRIKUは、さだまさしの長男でもあり、会場にはさだのファンの姿もたくさん見ることができた。
 そのTAIRIKUは大のゲームファンというが、音楽活動については「ただひたすら目の前にあることを変わらずに取り組んでいきたい」と語り、SIGURUも「初心を忘れずに音楽にひたすら向き合っていきたい」と抱負を述べていた。
 KENTAは「ホームページでメジャーデビューのCD情報を発信していきます」と、メジャーデビューアルバムをアピールしていた。

 最後には3人がステージを降りて観客と握手をして回ったり、小さな子供にプレゼントを渡すなど、彼らの初々しさを感じさせる一幕もあった。
 またアンコール演奏の「Fly Me to the Moon」と「チャルダッシュ」の後も、拍手がなかなか鳴りやまなかった。

 「TSUKEMEN LIVE」は今月26日に、東京都千代田区の紀尾井ホールでも開かれる。