大月みやこ(左)、舞台初共演の細川たかしと
長谷川伸の有名な戯曲を舞台化し、大月、細川というビッグ歌手の2人が、芝居初共演でどんな演技を見せてくれるかが注目の舞台になっている。
1部の芝居は、歌舞伎や演劇、映画で多くの役者が演じてきた江戸時代を舞台にした義理と人情の物語。
横綱の土俵入りを夢に見る相撲取りの駒形茂兵衛に細川、酌婦お蔦に大月が扮している。飲まず食わずの一文無しで困っていた茂兵衛を励まし、櫛、かんざし、お金を巾着ごと渡し、それから10年後、飴売りをしながら娘・お君を育てるお蔦と渡世人になった茂兵衛とが再会する、といったお馴染みのストーリーだ。
死んだと思っていたお蔦の夫、辰三郎がいかさま博打で追われながらお蔦の家に逃げ帰ってくるが、たちまち一味たちに取り囲まれ、そこを茂兵衛が助け、昔借りた金を返し「駒形のしがねえ姿の土俵入り」という名セリフを静かに言い切る名場面では、細川が見事に茂兵衛を演じ切り、最後まで約1400席の満員の客席を魅了していた。
2部のショーでは、大月がドレス8着を次々と着替えながら男女ダンサーをバックに「慕情」をはじめ、「君の名は」「ブルー・ライト・ヨコハマ」「お嫁サンバ」「For you…」など昭和の名曲、全9曲を歌い、続いて細川が、「北酒場」「心のこり」、新曲「ねぶた」など全7曲を熱唱した。
後半では再び大月が登場し、着物3着の早替わりで前半同様に、目でも楽しませながら「白い海峡」「女の駅」、新曲「女…さすらい」などオリジナルヒット5曲を披露し、観客は華やかで聴きごたえたっぷりの2人のビッグショーを楽しんでいた。
大月は「お芝居では、取的の茂兵衛さんとお蔦さんとの初めての出会いが一番の見どころです。お蔦さんのすごく情があって、温かい女性であるところを見てくださる方に感じていただければいいなと思います」と話した。
また、細川との共演については「歌の番組ではこれまでに何度もご一緒させていただいていますが、お芝居での共演は全く初めてです。お互いの空気感を大切に演じています。歌謡ショーでは、前半にドレスの早替わりがあり、舞台ならではのスピード感のあるステージをお見せしたい」と張り切っていた。
[中日劇場 細川たかし・大月みやこ特別公演]
http://www.chunichi-theatre.com/presents/2011/7/7gatsu1.html
[大月みやこ Official Web Site]
http://www.otsukimiyako.com/