紀の川市粉河は今は重要文化財に指定されている粉河寺の門前町として古くから発展してきた。そこを歌った「門前町は恋の町」は、星野が現地で取材をして書いている。トンマカ、トンマカと口太鼓でいう、この地に古くから伝わっている粉河祭りの屋台ばやし太鼓や観音さまへのお百度参り、粉河寺の大門など、粉河の風物を背景に描いた恋歌。水森が曲を付け、ASORAが編曲した。
MEG-CDは廃盤となった楽曲をオンデマンドでCD化して販売している。同じ方法で新譜を販売するのはこれが始めてで、音楽の新しい供給方法として注目されている。
地元の粉河の町ではCD化を望む声も多く、発売後、反響は大きく「全国から寄せられた2月の注文数は並みいる名曲を抑えて第1位にランキングされている」(ミュージックグリッド)ほど。
カップリングの「竹房哀歌」(作詞・保田耕志、作曲・榎本猛、編曲・ASORA)は、1915(大正4)年に紀の川で起こった渡し船の転覆事故で亡くなった旧粉河高女の生徒9人を偲び、哀しい事故を永く記憶に留めようと4年前に作られた。
ふる里和歌山を歌う宮本は、水難事故を歌った「琵琶湖哀歌」などのように永く人々の記憶に留まる歌にしたいと「門前町は恋の町」のカップリングとして入れた。
自分らしく歌たっていたい
そんな時に出場した「水森かおり『熊野古道』カラオケ大賞」で最優秀賞を獲り、地元の音楽関係者の支援もあって、2010年に「あんたの済州島へ / 紀の川のほとりで」でインディーズデビューしている。
宮本は「最初はオリジナル曲が欲しかった程度のデビューでしたが、今は歌手である以上は紅白に出たい」と、夢は大きい。
歌手になって第3の人生を送っているという宮本。現在は中学1年と2年の子供を持つ45歳のお母さん歌手。「東京にこだわらなくても、どこにいても発信することができます。自分らしく歌っていられることが一番です」と、迷いはない。
[宮本 静 オフィシャルサイト]
http://shizu.ikora.tv/